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原風景|ステートメント

現前。舞台はそれはそう。
それがそこに写真があるとしたら、それは舞台に写真があるのか、写真が舞台なのか。

高松アーティスト・イン・レジデンス2018に選出され、スペースノットブランクにとっての新しい土地として訪れたここ高松では、間違いなく新しい環境と間違いなく新しい風景が広がっている。が、それは、あるひとつの視点からの視線でしかない。世界がそのひとつとそれに対するもうひとつの視点のふたつだけでできているのなら、それほどわかりやすいことはないのだが、素晴らしいことに世界には数えきれるが出会いきれない視線が無数に交わっている。外を見てみよう。

それがそこにある。ということにとって、美しいか醜いかはあまり重要ではない。記録だから。そして記録が土地を越えて異なる土地に異化される。写真は最も簡単に土地から土地を越えるワームホール。時も超える。

そこにそれがある。ということにとって、見えるか見えないかはあまり重要ではない。体験だから。そして体験が問いになり問いが表現になる。舞台は最も簡単にここからそこを繋ぐコミュニケーション。現前。

外からここに来た。次はここからそこへ、ここから外を見てみようと思います。
西井裕美さんと一緒に3人で、高松を巡り、新しい作品を作ります。

この作品は、外から来た3人がここから外を、他者の記録と記憶からファインダー越しに覗き込む、そこに表れる現前と表現を特別な虚構ではなく、純粋な事実として受容し、観客たちと体験する。写真、言葉、そして舞台の3つがひとつになった未来への「原風景」です。

2018年11月14日(水)
小野彩加 中澤陽

◉原風景|作品概要

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

舞台を満たすものを考える。そこになにがあるのか、そこでなにをするのか。

舞台にあるいくつかの、いくつものファクターを通過して、舞台は形成されています。
そこになにがあれば舞台となり、そこでなにをすれば舞台となるのか、に、答えはないと仮定して、多様な選択を辿ること、逆説に怯えずあるとない、ないとあるを同時に行なうことが、言葉だけでは満ちたりないなにかを見つける手がかりになるのではないかと考えています。

人間対人間を前提として執り行なわれるパフォーマンスの時間。そこでは前提が見るものと見られるものに定義され続けます。「おもしろ味」というファクターを一方通行に舞台から観客席へ届ける環境は、舞台にとって、心地がよすぎるのではないかと疑っています。

「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」は「コード・コード・コード」という「第29回下北沢演劇祭」にて行なわれる新しい企画のもとで制作される新作です。この企画は、一般の参加者たち、しかしプロかアマかは問わず、を集めてスペースノットブランクというアーティストと共に舞台を制作する。という企画です。アーティストも常に一般であり、一般も常にアーティストである可能性は十二分にあるのですが、この線引きが生みだす最たるものは「観客たちが舞台に表れてくる」という環境です。

その環境で作る「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」とは、言葉だけでは満ちたりない、なら言葉のほかになにがあって、なにをすれば満ちたりるのか、際限のない多様によって舞台を満たすことはできるのか、舞台という環境に表れる会話と状態、そして表現を、新しくも身近な日常のドラマとして描き、観客たちと共有します。

スペースノットブランクに加えて、クリエーションメンバーとして、古賀友樹さん、近藤千紘さん、山下恵実さんの3人に協働いただきます。

出演者と、下北沢と、アーティストと、3つのコードが入り交ざり新しい舞台を作ります。
どんな舞台になるかは、まだわかりません。
出演者募集に応募いただき選考された出演者の皆様と共に舞台を作ります。
プロもアマも問いません。特別な技術や技能も必要ありません。舞台を作る意志だけで十分です。
一緒に舞台を作りましょう。

2018年10月24日(水)
小野彩加 中澤陽

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要

舞台らしき舞台されど舞台を終えて。

ありがとうございました。

次へ進めない、次とは何か、何をするのか、しているのか、そして感謝を込めてこれを書いています。

舞台らしき舞台されど舞台について、長くなるかもしれませんが、読み物として読んでいただければ、文字列としてスクロールしていただければ幸いです。

アナログ時計でいうと反時計回りに数えるのがめんどくさくなるほど巻き戻して2017年5月、から6月にかけて僕たちは「空白への旅」という上演時間が約21600分にもなる超大作に挑戦しました。この作品は、最近「プーと大人になった僕」でプーがゆっている「何もしない」をし続けるという作品です。インターネットをはじめとする現代社会から僕たちは空白へと消失し、「何もしない」を繰り広げました。舞台作品であるにもかかわらず、会場もなく、何も起こりません。

そののち、2017年7月に、第8回せんがわ劇場演劇コンクールにて、出会いについてを描いた「ラブ・ダイアローグ・ナウ」でグランプリをいただきました。劇場。演劇。出会い。ありきたりです。ハンバーグといわれてデミグラスソースをかけるぐらいありきたりです。ティッシュといわれて鼻をかむぐらい、平成最後といわれて平成最後の夏といってしまうぐらいありきたりです。そんなありきたりな作品でグランプリをいただきました。僕たちは舞台をそういうものとしてしか捉えることができなくなってしまいました。

良くいえば、舞台で、作品で、本当のことしかできなくなってしまいました。

2018年2月には下北ウェーブ2018に選出いただき、2018年5月には、第8回せんがわ劇場演劇コンクールのグランプリ受賞公演をやりました。舞台ってなんだろう。上演に向けて作品を作って、時が経つと上演がはじまり、終わり、終わり、終わり。

! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION !
ここで忘れてはいけないのが、出演者たち、スタッフたち、見に来ていただいた人たち、作品に携わっていただいたりちょっとでも気にしていただいた人たちのこと。これは舞台に限らず人生すべてに於けるお話ですが、本当に感謝しています。そして、感謝、という頭のおかしいワードを多用することの危機感も心から抱いています。もっとペイしなければならないし、考えなければいけない課題は異常なほどにたくさんあるし、舞台はお金にならないし、僕たちはお金なんてどうでもよくても、それに付き合わせてしまうことの恐ろしさ。それは市場全体の問題であることも忘れてはいけません。僕たちが、舞台ってなんだろう。と疑問に思っていても、携わってくれている人たちのことを否定することは絶対にありません。ただ、僕たちは続けていくことの意味や、意味や、意味や意味や意味を考えないと、時代に取り残されてしまうだろうと感じています。未来へアテンション。
! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION !

とりあえず、下北ウェーブ2018も、グランプリ受賞公演も、劇場費がかかっていません。下北ウェーブについては、スタッフも提供していただけるというスーパーサイヤ企画です。それらを終えて、ああ、自分たちでゼロのゼロから作らないと、と躍起になり企画したのが「舞台らしき舞台されど舞台」です。環境を作るということ。

僕たちの作品は、出演者の石倉来輝くんもたくさん伝えてくれた通り、すべてが作者です。これは、人も、場所も、物も、時間も、すべてのことを指します。なので「作」というクレジットはありません。僕たちにとってはそういうもの、という表明かもしれません。高尚にも聞こえるかもしれませんが、道端に転がっている石ころみたいなものということです。

もちろん人が行なう行ないはとても大切で崇高で自己顕示欲を満たして認められて華開いてお金になって偉大になって学校作って教育して権威を得て賞の名前になってお札に顔が載ることで意味があるのかもしれません。だけど、舞台ってそういう、「だけ」の場所じゃないですよね。

何がいいたいのか、さっぱりです。

古賀友樹くんは、もう大体6年も一緒に作品を作っています。僕たちも本人もノーギャラの頃から、作って作って、本人は本人でプリッシマという事務所に所属して、本当に素晴らしい行動力と想像力で僕たちと作品を作ってくれています。僕たちの作品に出演してくれている。ではなく、作品を作ってくれています。
荒木知佳さんは、2018年2月の「緑のカラー」から連続で3作目です。僕なら断ってもおかしくないです。飽きるから。だけど、毎作品必ず異なる魅力を生み出していただいています。それは飽きているからなのか、まだ見ぬ才気に溢れているのか、わかりませんが、最高です。
近藤千紘さんは、「ネイティブ」から引き続きです。「ネイティブ」では徹底して動いていただき、上演開始1時間後から登場するレアキャラでしたが、その反動もあり、「舞台らしき舞台されど舞台」ではほぼ出突っ張りで、台詞量も最大の喋くりでした。努力と存在感とできるとできないのすべての間にスタンディングしていて、初期の手札に入っていたら最高で、かなり強力なリバース効果を持っているのだと思います。荒木さんと同様に、まだ見ぬ才気と殺気に溢れていて、最高です。
石倉来輝くんは、1年前から作品を作りたい作りたい作りたいと伝え続けて一緒に作れました。本当に嬉しいです。作品には、1年前に書いたテキストも使われています。制作と稽古合わせて1ヶ月ほどでしたが、実は1年かけて作った作品だったりします(偶然ですが、1年前はじめての制作の日が荒木知佳さんと近藤千紘さんの初対面の日でした)。

何で出演者たちを紹介したのか、さっぱりです。

ここから誠実にまとめて終わらなければなりません。

4人の出演者たち(荒木知佳、石倉来輝、古賀友樹、近藤千紘)と、2人の演出者たち(小野彩加、中澤陽)によって、作品を制作しました。
会場入りしてからは、カフェの店主のたけしさん。記録写真として月館森さん。制作協力として吉田舞雪さん。バラシ協力として福本剛士さん。合わせてたった10人の手によって作品が成り立っています。ゼロのゼロから作ることができました。永遠のゼロ。これからも舞台は続きます。

ただ、続けることについてはもう少し考えなければならないかもしれません。恒常的にやることの意義は、僕たちや見に来ていただいた人たちが消費することでしかないのかもしれません。もちろんマクドナルドのように薄利多売でも、ドリンク(物販)で稼げる様に努力してもよいのですが、できることなら打倒マッシモ・ボットゥーラを掲げて(倒すも何もないですが)作品を生み出したいです。

すべての皆様が、作者であり、表現をすることの価値を新しく推し進めていただければ幸いです。
小さな小さな催しではありましたが、舞台らしき舞台されど舞台、ご来場いただきありがとうございました。

また会いましょう。

中澤陽

舞台らしき舞台されど舞台|荒木知佳と古賀友樹・出演者たちの対談

スペースノットブランクの新作「舞台らしき舞台されど舞台」に出演する荒木知佳と古賀友樹による対談。これまで様々な舞台作品に出演してきた2人が考える舞台とは。



荒木知佳 あらき・ちか
1995年7月18日生まれ。俳優。これまでに俳優として、天ぷら銀河「テレビ万歳」「魔法の魔法の魔法瓶」、ヨネスク「奥の森の方」、FUKAIPRODUCE羽衣「愛死に」、スペースノットブランク「緑のカラー」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」などの作品に参加している。



古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」などの作品に参加している。


荒木 荒木知佳です。

古賀 荒木さん。古賀友樹です。

荒木 古賀さん。こんばんは。

古賀 こんばんは。

舞台を作ることについて。

古賀 コンスタントにずっと、色んな舞台をやってるじゃないですか、学生の頃から。普通のいわゆる、ストレートプレイっていうかそういう演劇もやってればさ、なんか、ちゅパかぷらしゅ(荒木知佳のパフォーマンスユニット)、とかね、あれは舞台とはちょっと違うパフォーマンスにちょっと近いかもしれないけど。でも書道とかも、色々なんかやったり、最近も、色々やってるわけじゃないですか。どうですか。

荒木 舞台ってよりかは、人が好きだから。人となんかやるのが。

古賀 あ、じゃあ、アンドロイド演劇は? 相手アンドロイド。コンニチワ、知佳サンオ茶ヲ沸カシマスカ。

荒木 そのアンドロイドを好きになれば、多分いける。

古賀 でも、稽古終わった時に、プシューン(電源が落ちる音)。

荒木 やだ、それはやだ。

古賀 で、おじさんが、あ、ちょっと待ってくださいね、今、電池、ってそういう工学系のおじさんが、ちゃんとサポートスタッフみたいな人がいるからアンドロイド演劇。

荒木 あんまり見たことない。

古賀 一人芝居とか、どう思う?

荒木 どうなんだろう。

古賀 でも、一人芝居でも、結局お客さんは人だから。じゃあ、アンドロイド演劇プラス、お客さんもアンドロイドだったら。みんな目がピューって数字になってて、その日の出来栄えによって点数が目に表示される。

荒木 それやりたい。

古賀 62点。みたいな。

荒木 それやりたい。その反応見るの楽しそう。

古賀 あ、あいつだけ高得点のやついる、みたいな。それぞれのアンドロイドの特性があるから。これはちょっと楽しすぎるね。

荒木 古賀さんもコンスタントにやってますよね、あんまり暇、みたいなの作らなくない?

古賀 暇ですよ。常に暇にしてます。ずっとやってるね。

荒木 どうなんですか、作る。

古賀 舞台を作ること、でもさ、団体によってさ、色が違ったりとか、作り方が違ったりするとさ、自分がなに者なのかわからなくなるよね。色んな作り方あるけどさ、それに適応して作っていく。適応っていうのかわかんないけど、でも、そんなことしてたらさ、結局、自分なんなんだよって思う。僕ね、舞台本番中とかすごい気持ちが沈んじゃうんですよ。

荒木 なんかすごい風邪ひいてるイメージある。

古賀 ひいてないよ。全然ひいてないよ。直近で共演はしてないけど同じ期間いた時(2018年5月「ラブ・ダイアローグ・ナウ/ネイティブ」)も全然風邪ひいてないし。緑のカラー(2018年2月)の時も、風邪ひいてないよね。ひいてないと思う。ひいてたっけ。体調崩しかけた。崩しかけて、マスクつけてたけど、別にって感じ。でも、すごい本番中気持ちが沈む。まず、なんでこの出演者たちが、同じ、この決められた時間、なんで集まってくるのかがわかんなくなる。

荒木 そこから。

古賀 そこから。やる気があるからなんだろうけど、なんでこの人たちは本当に、ふらっと違う電車とか乗らないんだ、とか思って。でも自分も乗らないな、とか思ったり。だからそれが人数多ければ多いほど、あ、この人たちなんで来てるんだろう。とか、集合時間とかに、みなさんおはようございます。とか、なん日目ですね、みたいな感じとか、なんでだろう。すごいね、って思う。だから、舞台って、すごいよね。

荒木 そう思う。わかる。

古賀 本当。欠けたら大変じゃん。でも欠けてもやるんだろうけど。

荒木 でも、死んじゃいけない、ってめっちゃ思うんだけど、本番期間中とか特に。

古賀 今死んだら迷惑かけちゃう、みたいな。

荒木 普通だったらこの赤信号渡るけど、今は渡らないでおこう、みたいな。

古賀 確かに、アールワンドリンク飲むわ。

荒木 人として死んじゃいけないわ、みたいな。

古賀 人として。集団に属している、みたいな。私は借り物、みたいな。ツタヤのレンタル。舞台のことしか考えられなくなる?

荒木 どうなんだろ。

古賀 集中する?その作品に。それはそれぞれするだろうけど、度合いがやっぱりさ、違うじゃない。

荒木 なんだろう。でも稽古がいっぱい、毎日みたいになると、稽古場以外では、逆に考えないようにしてる時もあるかも。稽古場だけにして、他の時は、なんも考えず、みたいな。なんか稽古が嫌にならないようにしたくて。

古賀 それはいいことだと思う。

荒木 でも考えちゃう時はある。カフェとか行く、地味に。星乃珈琲。めっちゃいい。

古賀 そこでちょっと考え事をするの?

荒木 暗いの。暗闇の星乃珈琲。

古賀 完全にもう星乃珈琲っていう名前も込みでさ、星空みたいになってるじゃん。

荒木 そう、おもむろに想いとかをばーって描いたりして、気付くことが、あ、みたいな。

古賀 こういう感情抱いていて、こういうこと考えてる、みたいな?

荒木 まず、流れを描く。自分がやることの。これ出て来て、これして、これで終わる、みたいな。流れ。絶対考えるようにしてるかも。

古賀 必ず踏んでる行程、とかある? 僕はそういうのがなくて、必ずこういう時間を作るようにしてる、とかなくて。

荒木 なんだろう。でも、描くのは絶対やるんだよね。字と絵を描く。

古賀 それをすると整理されるの?

荒木 整理されるかも、自分の中で。でも描くのはめっちゃ本番に近い時。最後の最後、もう前日か前々日ぐらい。ビジュアルをね、絵とかが好き。

古賀 本番前日になって俳優から絵描きになる。みたいな。

荒木 本番前になると、ずっとバナナたべる。小学校の時からずっと。

古賀 もはやジンクスみたいになってるよね。

荒木 そういうことじゃないのか。

古賀 そういうのも込みで、僕は、ない。あ、でもすごいマイナスのことを発言することは、なんかあるかも。心配性ってわけじゃないんだけど、なんか今日失敗しそうだな、とか、いう。割とそういうことを、人に聞こえる声とかで、いう。結構自覚してゆってる。単純な興味として、この人どういう反応示すかなっていうのがある。すごい嫌な顔されることもある。そういうのいうなよ、とか。今日は二落ちの日ですね、とかをゆったりする。基本的に信じてないから、わざとゆったりする。でどういう反応するかな、とか、すごい興味があるそういうの。


舞台を見ることについて。

古賀 あんまり舞台を見てたりとかして、人の感情とか、あんまり興味がないんですよ。僕はあんまり舞台とか本当は興味ないんじゃないかとずっと思ってて、システムとかギミックとかそういうのにしか興味がなくて。

荒木 俳優に興味がないの?

古賀 俳優の感情が、ぶわって溢れ出てる、最近ようやくそういうのもいいな、って思いはじめるようになったぐらいで、ほぼ、その空間演出というか、こういう台詞があるから、この台詞が生きてくるんだな、とかそういう仕掛け的なことにしか興味がなくて、もともと。みんなテレビとかも見るだろうし、漫画とかも読むし、映画も見るだろうし、その中のうち、にひとつ、媒体としての舞台が存在していて、ていうので、ときどきさ、いじきたない舞台があるわけじゃないですか。

荒木 なに、例えば。

古賀 例えば、笑って泣かせて最後満足させるっていう。いいのよ、きっとさ、有名なさ、俳優とかアイドルの人とか呼んだりとかさ、そのみんなが満足してみんなが笑顔になって帰れる公演みたいなのあっていいと思うんですよ、でもそれってちょっといじきたないと思ってて、それを求めてる人は、それは摂取しようとしてるからいいと思うんだけど、僕は摂取しようとしてないのよそれを。本当に泣ける部分とかは、自分の泣けるもので摂取するし、笑えるのは自分の笑えるので摂取するし、それを一度に、ミックスピザ、このピザ食べたいのに、ミックスピザ出された、みたいな感じで。でも、ミックスピザ好きな人もいるからな。

荒木 私、ミックスピザ好きだけどね。

古賀 でもさ、それに生クリームとか乗ってたらどう? 全部の、4色の別の味だったらいいか。幸福度高いのかな。でもやっぱり、ひとつのピースで、この味めっちゃ美味しいって思ったら、×4で、あと3つあったらもっといいのに、って思うけど、これしかないのかよ、って僕はそう思っちゃう。だから、そういう舞台とか見ると、こう、鉤括弧付きですよ、「いじきたねえ舞台」だなって思う。全部乗せ、みたいな。

荒木 全部乗せ舞台。ミックスピザ舞台は好ましくないと。

古賀 なにかに特化してたりとか、攻めてるっていい方は違うけど、攻めた演出とか、革新的なことやろうとしてたりとか、この人は今これに興味があるんだなとかはっきりとわかる舞台の方が、好感が持てる。人の感情とかは、普遍的なものじゃん。人が悲しむ要素ってのは、物を失くしたりとか、大切な人を失くしたりとか、ある程度ジャンルってのはさ、あるわけじゃない。でもそうじゃない時みたいなものを、見たい。この悲しみの引き出しあったんだ、っていう発見をしたいの。でも、普遍的なものってのは強いから。お歌でもさ、普遍的なメッセージが好まれるじゃない。大好きだよ。ありがとう。みたいな。いままでありがとう。私だけのベストフレンド。好きだよ。とかさ、そういうメッセージ性が強いものの方が好まれるじゃん大衆に。見やすいし、わかるじゃん。どこで笑ってどこで泣くってわかるじゃん。舞台見る時、なに見てますか?

荒木 なに見てるんだろ。この人なに考えてるんだろみたいなのは考えちゃうけどね。その役の中のその人じゃなく、その人自体。その人自体、やりたくなくてやってんのかな、とか。

古賀 やりたくないのかな、って、相当だろうけどね。

荒木 おもしろくない? やりたくないのにやってる人がいたら。

古賀 ひとりだけこのシーンちゃんとやってない、とか。めちゃくちゃおもしろいけどね。

荒木 なに見てるんだろうな。意外だ、みたいなのがあるとおもしろいと思っちゃう。意外、予想外。ちょっとわかんない。でも細かいところも見ちゃう。私のツボみたいなところがある。

古賀 なんかタイトルっぽくない、私のツボ。

荒木 私のキュンみたいなのがある。


今作への意気込み。

古賀 300メートル上空から、近藤千紘さんがジェットパックで降り立つところから開演する、っていうのが僕の希望。そうはじまるとは断言できない。でもそういうの見れたら、見てよかったってなる。4人芝居。芝居?芝居ってなに?4人舞台。

荒木 よくわかんない。

古賀 4人がいて、なにか、やるかもしれないし、やらないかもしれないし、いるかどうかすら定かではない。こんな公演誰が見に来るんだ。どうなんですか。今回なん回目ですか。

荒木 今回3回目。全然違いますよね、これまでと、タイトルが。

古賀 2回目の時(2018年5月「ラブ・ダイアローグ・ナウ」)、どう思った? 1回目(2018年2月「緑のカラー」)経て、2回目の稽古やってどう思った?

荒木 早い感じした。体感が、あ、終わった、って。メンバー違うからね、おもしろい。それぞれ新鮮だった。今回は、なんだろう。

古賀 なに、になる? この4人は。

荒木 レンジャーみたいな。ということは、ひとりひとりに特性があって、ひとつの目的に、こうキュッて力合わせるけど、時に喧嘩があったり、ね、でも最後は、

古賀 ドラマが生まれる。あれ? めちゃくちゃ大衆向けになりそう。

荒木 そうだね。

古賀 荒木さんはなにレンジャーですか。なに色ですか。

荒木 青。

古賀 僕は?

荒木 赤。

古賀 やった。

荒木 適当だわ。

古賀 近藤千紘さんは?

荒木 近藤千紘は、レインボー。

古賀 石倉くんのも訊こうと思ったけどいいや。レインボーいるならもういいだろ。そいつひとりに出動させれば。もういいよ、おつかれさまです。

荒木 今回の意気込み、ないんですか。

古賀 がんばります。レインボー聞けてよかった。



スペースノットブランク
舞台らしき舞台されど舞台
2018年9月6日(木)〜9月9日(日)
於 カフェムリウイ 屋上劇場

◉舞台らしき舞台されど舞台|石倉来輝と近藤千紘・出演者たちの対談

編集:中澤陽

舞台らしき舞台されど舞台|石倉来輝と近藤千紘・出演者たちの対談

スペースノットブランクの新作「舞台らしき舞台されど舞台」に出演する石倉来輝と近藤千紘による対談。これまで様々な舞台作品に出演してきた2人が考える舞台とは。



石倉来輝 いしくら・りき
1997年10月18日生まれ。俳優。〈ままごと〉所属。これまでに俳優として、SPAC(演出・古舘寛治、作・マキノノゾミ)「高き彼物」、パルテノン多摩×FUKAIPRODUCE羽衣「愛いっぱいの愛を」、チェルフィッチュ「三月の5日間」リクリエーション、芥正彦ノイズオペラ「カスパー」、ゆうめい「あか」などの作品に参加している。



近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」などの作品に参加している。


近藤 よろしくお願いします。

石倉 改めまして、石倉来輝です。

近藤 近藤千紘です。

舞台を作ることについて。

石倉 僕が最近興味があるのは、なにを、どんなことを目的にして、舞台が作られているかみたいなのは、気になるっていうか、あるんですよね。どんなこと考えてますか。

近藤 なんでこんな舞台やるか、とか。そういうの考えると、わかんない、ってなっちゃうから、逆に逃避してるのかな。そういうとこ考えずに、今自分にしっくりくるからやってる。一番しっくりくるものを、しっくりくるように作ってる感じ。参加させてもらうことに対しては、今までは、無理して頑張って、その時の稽古毎日毎日成長しなくちゃとか、なんか成果残さなきゃって、昔は思ってたけど、今はもう稽古場で作ってく中で、自分の中でしっくりくる。とか、無理してないな、ってところでのものを生み出す。みたいな感じになってきてる。

石倉 それはどうしてそうなったんですか。

近藤 東京に出て来て、最初の一年間って自分のこと知ってる人ってほとんどいなくて。私京都でずっとやってたし。でも、映像だけはネットで見れたりするから、その映像見て、オファーしてくれる人とかがいて、でも映像と実物って全然違うから、稽古場で私のこと実際に見た時に、なんか違うなって思いながら演出家もやってるのをすごい感じて。なんかその中でその演出家に合うように、どう擦り寄っていこうみたいなのを考える方がしんどくなるというか、私である意味ないな、って。もっと他にいい人いるしな、みたいなのを東京出て来て一年ですごい感じて、もう学生じゃないってこともあるけど。私にしかできないことっていうのもなんか、そういういい方をするわけじゃなくて、私ができることを並べていったら、私にしかできない。になるから、そういう感じに作るようになってきましたね。東京出て来てから、そういうことを考えるようになった。

石倉 なるほど。

近藤 色んな人の舞台に出演してるよね。

石倉 そんなにたくさんのところではないけど。

近藤 でも、外国行ってたじゃん結構。その中ではさ、見る人が違うから、変わる?作ってる人も。

石倉 そうですね、変わります。でも、あらかじめ変えるってことはない。皮膚で感じちゃうみたいな。そのやりとりの中で変わっていくってことはある。変わっていっちゃうみたいな。変わっていかざるを得ない、みたいなことはあるけど、あらかじめ作り変えるとか、その人たちのためになにかを変更するみたいなことはない。

近藤 外国行ったことなくて私。パスポートも持ってないから、外国ってことに対して偏見はすごい持ってる。知らないからこうだろみたいなの。25年間積み重なって、それで、色々外国いっぱい行ってる人とかって違う世界とか知ってるんじゃないかなって思っちゃうから、舞台とかも、外国だったら野次飛ぶんじゃない、みたいな偏見。

石倉 確かに、でも、僕も行く前は確かに偏見があって、でもやっぱり行って思ったことのひとつっていうか感じたことのひとつなんですけど、意外と外国も場所は場所で人は人なだけだって思っちゃって、なんかもう少し行く前は海外だぜ、みたいな。海外、絶対なんかもらえる。みたいな、俺は変われる、って思って行ったけど、意外とそうでもないっていうショックを受けたみたいなのがあって、別に、それは僕がどこまで行ってもツーリスト、ビジターって感じだったからかもしれないんですけど、なんか求めて行くと、別にそうでもないってことがわかったっていうか、変わらないことの方が大事かもと思ったのかもしれない。それが自分にとっての変化なのかもしれないですけど、あくまでも自分が訪れたみたいなのが、全部自分のものにしたいとかなるとよくわかんなくなっちゃうっていうか、体も壊すし、生活リズムが、みたいな。その土地で、自分でいる。みたいな。でもなんか全然違う土地に行けたから、自分を再獲得、みたいな感じはしますね。

近藤 私も行かなきゃ。

石倉 どこ行きたいですか。

近藤 行くとしたらね、スウェーデンとか行きたい。景色がブルーっぽそうなところ行きたい。ど偏見でしょ、外国に対して。

石倉 でもそんな感じですよ、いったら意外と、空気悪いな、みたいな。

近藤 今の方が楽しいのかもしれない。

石倉 世界が拡がるって結構大きなことじゃないっていうか、もはや拡がることが果たしていいことかもわからないぐらいに拡がった。

近藤 自分の行動範囲が拡がるってことなんだよね、身近になる。


舞台を見ることについて。

近藤 私、本当に久しぶりに自分で全然知らない舞台をひとつ、今日久しぶりに予約した。そんぐらい私、見に行かない人なんだよね。

石倉 どうしてですか?

近藤 2時間見るとかって、結構エネルギーがいることだから、おもしろくないことを見てしまった時の、すごい疲労感みたいなものを味わいたくないっていうのもあるんだけど、普通に生活してても結構おもしろいものに出会う機会は多いから。なんか、舞台だからおもしろい、とかは思ってなくて、舞台もおもしろいものはおもしろい。日常の生活も、同じ基準でおもしろい、だから。だったら、今は興味あることだけやって、ときどき舞台見るってなったら、見るっていうぐらい。

石倉 例えば、千紘さんの今選択してるおもしろいこと、舞台じゃないことってどういうことですか。

近藤 スーパーに行くことかな、新商品が出るのとか、それを見るのだけでも、お、新しい、とか。あの一瞬の、あ、みたいなものもめちゃめちゃ楽しいから。

石倉 僕もそう思うんですけど、そうありたいな、って思うんですよ。舞台とか演劇っていうレッテルで物事を判断するんじゃなくて、機能で判断したい。できるようになりたいなって。自分たちは、舞台を知ってるから、その機能を知ってて、日常にいると、おもしろいことってたくさんあるじゃないですか。でもそれは自分たちが舞台をやったことがある人だからなんじゃないかなっていうか、僕はそう思ってて。

近藤 舞台やってるんだから、新しい舞台芸術には、敏感になっとかないといけないんじゃない?みたいな、そういう考えもある?見なさすぎてもダメなんじゃない、みたいな。

石倉 それはあんまりわかんないですね。そうした方がいいような気がするけど、あんまりできないなあ、っていう感じ。

近藤 また舞台を作ることにも戻るけどさ、自分の中では新しいけど、他の人がもうやってるってこともあって、且つ私みたいに、たまにしか見ない人間はわかんないじゃない。今の流行りとか、今こういうものがもうすでに出てますよ、とか。そういう時に、そういうことが頻繁に起きてくると、あ、俳優としてもダンサーとしても撥ねられるんじゃないかなっていう恐怖があって、だから常に見なきゃいけないかなっていうモヤモヤはある。

石倉 でも疲れるんですよね。疲れますよ。

近藤 好きな団体、ある?

石倉 あんまり団体とかじゃなくて、見てよかったなって思う作品は、劇場から出るっていうことを考えてる作品が、最近は見てよかったなって思えますね。結構前は、舞台上がどれだけ筋が通ってるかっていうか、舞台上のクオリティみたいなのを求めてたけど、あんまり最近興味がなくて、どれだけ完成されたクオリティの舞台でも、劇場を出て、なににもならないものは、自分の生活にはもう必要ないというか、あんまりおもしろくないなって思いますね。

近藤 その時の記憶だけで残るよりかなにか入ってくるものの方がいいよね。

石倉 やるのと見るのやっぱ違うじゃないですか。

近藤 見るの好きな人、いるもんね。ありがたいけど、ありがたいなと思うけど、自分とは全然その人は違う感覚を持ってるんだろうな、とかって。同じ舞台で知り合ったけど、私は見るのはそんな得意じゃないから、見る人は、やるの得意じゃないから、みたいな。そう思ったら全然違うタイプの人間が、舞台のところで、出会えてるの、おもしろいな、と思いながら、ありがたいな。


今作への意気込み。

近藤 どうですか。

石倉 どうですか。あれですよね、2作目(2018年5月「ネイティブ」に続いて)。

近藤 そう2作目。でも、前の作品は結構踊った。体を動かした感じだったから、今回はどうなるかわからないけど。

石倉 場所もね、カフェだし。

近藤 多分同じ団体だけど、自ずと場所もやることも変わってくると思うから、自分で変化をつけなくても、前の作品とは違うものになるだろうと私は思ってるから、それこそ変な無理をして大人ぶるみたいなことはしないように、コツコツと、コツコツとやれたらいいなと、私にできることを。どうですか?なんだかんだ結局はじめてなんだよね?

石倉 はじめてなんですよ。だから、勝手がわからないからちょっとあれだけど。でもなんか、舞台じゃないところの話。舞台ではない世界の話を、つまり、ここから出るっていうことをしたい。ていうか、そのことを考える舞台作品にしたいなって思います。

近藤 いいね、ここから出る。



スペースノットブランク
舞台らしき舞台されど舞台
2018年9月6日(木)〜9月9日(日)
於 カフェムリウイ 屋上劇場

◉舞台らしき舞台されど舞台|荒木知佳と古賀友樹・出演者たちの対談

編集:中澤陽

舞台らしき舞台されど舞台|ステートメント

舞台(と呼ばれてきたもの)を作るのをやめたい、そう思います。
思い返せば、最初から舞台(と呼ばれてきたもの)を作っているつもりはなかったと、そう思います。
いつの間にか、舞台と呼ばれるようになった私たちの舞台らしき舞台。
2012年から制作を開始して、ライブパフォーマンスに特化した作品を作り続けてきました。最初の頃は、これはダンスでも演劇でもない。なんて、わかりやすく傲慢に「私たちは違う」と表していた気がします。でも、いつからか、そんなことはどうでもよくなって、いや、もう、観客たちの想像力にすべておまかせしようと思いました。そうしてから、私たちは、舞台から解放されて、自分たちの独創性を詰め込んだ作品作りができるようになったと感じています。

新しく取り組みたいことは、観客たちの想像力のレッテルを受容し、私たちの作品に、舞台としての価値を生み出すことです。私たちが作っていたものは、そもそも舞台ではなかった。けれど、観客たちは、それを舞台だと受け容れてくれた。そして、私たちは観客たちと舞台を、舞台として、共有することができるようになりました。

これから、いくつかの作品で考えてみたいことの新しいスタートになると思っています。
出演者は、これまでに制作を共にしたことのある3名と、昨年からじっくり制作したいと思っていた石倉来輝さんを合わせて4名。演出は小野彩加と中澤陽の4つの目が行います。

この作品は、「舞台」を作るつもりがそうでなくなってしまった「舞台らしき舞台」を観客たちと共有することで「されど舞台」と、私たちと観客たちが信用し合う。そういう「舞台」にしたいと思っています。

2018年7月1日(日)
小野彩加 中澤陽

舞台らしき舞台されど舞台

ラブ・ダイアローグ・ナウとネイティブを終えて。

ありがとうございました。

せんがわ劇場の方々が本当に親身に僕たちのやりたいことに向き合ってくださり、昨年のグランプリ受賞から、受賞公演最終日まで、たくさんの尽力をしてくださいました。舞台部の皆様も、嘱託員の皆様も、受付の皆様も、コーディネーターの末永明彦さんも、アドバイザーの徳永京子さんも、コンクールの際からお世話になったJAPLINの桒原秀一さんも(3人は制作の現場にまで足を運んでいただきました。)、そしてせんがわ劇場に携わっている芸術家の皆様も、ゲネプロを見に来ていただいたり、本番も見に来ていただいたり。ありがとうございました。そしてそういうすべてを含めてせんがわ劇場という場所に感謝したい気持ちです。

僕たちがコンクールで制作した「ラブ・ダイアローグ・ナウ」は、「出会いについて」の作品であり、「劇場」という場所が「出会いの場所」であることを描きたいと当初から考えていました。そのコンセプトをより練り込み、年代問わず、過去を振り返るのだけが「出会い」ではなく、未来へつながっていくのが「出会い」の価値であることを考えながら、劇場というその場所でどう表せるのか。たくさん考えて、出演者の4名も、はじめは戸惑うこともありましたが(膨大な台詞量を膨大な練習量によってカバーしてくれた4人には、敬意しかありません。)、劇場に入って、実際に観客と対話しはじめると、みるみる空間を拡げていってくれていました。初日から、味わい深く、最終日には100名近い観客に押されながら、押し返し、空間全体が美しく作品として成立していたように感じました。僕だけが、そう感じていたとしても構わないな。と思うくらいに、美しい空間だったと感じています。ありがとうございました。

新作の「ネイティブ」は、かなり最初の段階から、僕たちの表現の根幹をどう示せるかという心地で制作をはじめ、出演者も、かなり大きなばらつきをあえて出し、グランプリ受賞公演で、まあいわゆるカタい作品をやらなければいけないと思われるその場所で、初舞台制作参加の馬田佳織さんに出演いただく(馬田さんはとても真摯に作品と向き合ってくださり、初舞台かどうかが重要でなくなるほど尽力いただきました。)、など、常軌を逸したキャスティングをしたわけですが。それでも、技術と、想像と、怒りは、すべての人にあらかじめ備わっているものとして、この作品は、これから生み出すのではなく、はじめから生み出されていたものだ、と。できることをやるだけで、それが表現に成り得るのだ、と、示すことは、できたと思います。

課題はたくさん残ります。これは観客の目に見えない部分の話の方が多いかもしれません。

作品は、観客の皆様の見ていただく状態が整えば成立しますが、準備段階や、運営、そのほか諸々には、たくさんの課題を見出すことができました。それだけで、僕たち団体としても、非常に大きな収穫だったと思います。これは、2月に参加させていただいた下北ウェーブ2018から引き続いてのことでもあります。

ただ、それでも予想をほぼ倍近く上回る観客の皆様にご来場いただいたこと、非常に嬉しく思っています。

今回の受賞公演が、何を以って成功といえるのかはわかりませんが、新作が常に最高傑作であるからには、次の段階へと、作品も、団体も、僕たち個人個人も、新しい段階へ足を踏み出す心構えをすることができる公演となりました。

ご来場いただいた、すべての誰かにとって、僕たちの作品が、今、の自分と、今まで、の自分と、今から、の自分を受け容れ、表現は僕たちだけが行なっている、ものではなく、すべての誰かが、表現を行なっている、ということを考えるきっかけになれたら、嬉しいです。

ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

また会いましょう。

中澤陽

ラブ・ダイアローグ・ナウ/ネイティブに向けて。

ひどい。
2月から何も書いていない。制作過程をもっと書いて、自分で反芻して、考えたかったのに。

後悔はしませんが、憔悴しています。

2作品を、厳密にはせんがわ劇場で1回しか上演できなかった作品をもっとやりたい。という気持ちから、でも新作も作りたい。という気持ちから、企画しましたが、予想以上に大変な部分も多くて、何より1日中制作に没頭しないとならなくて、誰もそこに賃金を発生させてくれないので、だからといって深夜とかの空いた時間に働いていたら過労死レベルを超えてしまうので、他人に迷惑をかけて、作品を制作している状態です。本当にごめんなさい。

2月で舞台もさらさら飽きていて、5月はさてどうやって舞台じゃないものを作ろうか、と、毎回考えてはいるのですが、見る人たちにとって、それが舞台であるかどうかはあまり重要じゃなくて、僕たちにとってもあまり重要じゃなくて、舞台がどう、表れるかをじっくり待つ、ということが重要なのかな、と思ったりしています。

ラブ・ダイアローグ・ナウは、良くなっています。4人の出演者がとても良く絡み合っていて、僕たちはもっともっと、と発破をかけていますが、たぶん本番に向けてより良くなるでしょう。昨年のコンクールとはまったく違います。が、ちゃんとアップグレードしています。

ネイティブは、これまでの僕たちの表現手法をより強固にした作品にはなっています。あとは個々の意識次第です。正直、悪しき集団性が生まれている気もしなくはないので、構成はほとんど孤立させています。環境作りが、良くも悪くも、最終的にまとまりがどうなるかはわかりませんが、出演者たちの意識が向上していくことによって、良い作品になるでしょう。

両作品とも、短期間ながら順調に制作を進めて来て、いよいよ来週本番となります。本番も何もないのですが、意識を欠いた出演者からひとりずつ死んでいくような作品を作っています。パフォーマンスとは、殺し合いなのです。

誰かに迎合したり、一瞬でもパフォーマンスの品質を考えない瞬間があろうことなら、観客の前で何かをする必然性はなくなってしまいます。

帰ってこない一分一秒のために、僕たちは制作を続けます。

ぜひ、よろしければ、2作品とも見ていただければ幸いです。

皆様のご来場、心よりお待ちしております。

ラブ・ダイアローグ・ナウ/ネイティブ
2018年5月10日(木)〜5月13日(日)
於 調布市せんがわ劇場
詳細、ご予約は、こちらまで

中澤陽

緑のカラーを終えて。

出演者として制作に携わっていただいた皆様。
下北ウェーブ2018、スタッフの皆様。
そして実際に作品を見に来ていただいた皆様。
ありがとうございました。

当日パンフレットにチラと書きましたが、昨年7月に行われた第8回せんがわ劇場演劇コンクールにてグランプリをいただき、今年5月に再び、せんがわ劇場にて公演を行うことになりました。

グランプリを受賞した作品、ラブ・ダイアローグ・ナウと、新作の2作品を交互に上演する予定です。

緑のカラーもまた上演したいです。見に来て気に入っていただけた方は、よろしければ作品として売っているので買っていただければ幸いです。

今後とも、よろしくお願いいたします。

中澤陽

荒木知佳|緑のカラー・出演者インタビュー

スペースノットブランクの作品に、初めての参加となる荒木知佳。現在大学4年生の彼女が、小学生の頃から今に至るまでの変遷を章形式で聞いた。インタビューは石倉来輝との対談形式により、人々が行き交う街、渋谷にて行われた。


夜の渋谷にて。 撮影:石倉来輝

荒木知佳 あらき・ちか
1995年7月18日生まれ。俳優。多摩美術大学美術学部演劇舞踊デザイン学科在学。俳優として、天ぷら銀河「テレビ万歳」「魔法の魔法の魔法瓶」、ヨネスク「奥の森の方」、FUKAIPRODUCE羽衣「愛死に」などの作品に参加している。

目標があってそこに進む、とか、考えなきゃ、とかじゃなくて、常になんかわかんない状態、みたいな。

___石倉:ここまでの稽古は、どうですか?

荒木:わかんない、のが、おもしろい。なんか。

___石倉:わかんない。

荒木:自分、何してんだろ、みたいな。

___石倉:例えばどういった時に思うんですか?

荒木:なんか立ってて、寝ちゃったりとか。ずっと立ってて、無になっちゃった、呼吸をしていて、眠さもあり、目をつぶってたら、本当に寝ちゃってたらしくて、全然気づかなくて、ずっと目をつぶってたんだよね。そういうの、もう、わかんないから、おもしろいなあって。

___石倉:そんなこといままでありましたか。

荒木:ない。なんか、目標があってそこに進む、とか、考えなきゃ、とかじゃなくて、常になんかわかんない状態、みたいな。別にゴールとかもわかんないし、今、何が正解みたいなのもわかんないから、素でいれる、っていうか、なんだろうね、何も考えてない。頭は、常に。

___石倉:そういう、わかんない、に飛び込む時、何を信じて飛び込んでますか。

荒木:その日の気分。自分の気分。なんだろう。でも空間が結構、何をしてもいいよ、じゃないけど、すごい許される空間みたいなのが、そういうの初めてで、すごい良いなって思う。みんながフラットな感じ。

___石倉:荒木さんは、北海道出身だということ、上京してきたのは、大学で?

荒木:大学で。大学に、入るため。

___石倉:それは、演劇をやろうと思って?今も大学生なんですよね。

荒木:はい。多摩美の4年生。でも、別に演劇しようってわけじゃなくて。

___石倉:どうして上京ってことになったんですか?

荒木:雪が、嫌だったから。東京行きたくて、友達が多摩美の美術に入りたくて、でその子が調べてたら、演劇の新しい学科できるよ、みたいなの教えてくれて、それで、知佳なんかあってんじゃない、ってなって。一緒に東京行きたいし、一緒に行くか、って多摩美を受け、それで受かって。

___石倉:その新しい学科ができるよって時に、演劇に対する自分の興味っていうのはあったんですか?

荒木:ふざけて、小学校の夢で、女優、って書いてたの。あと、1回、市民ミュージカルみたいなのに、お母さんにやれやれすごいいわれて出て。いいじゃんみたいな。で、中学校の学芸会みたいなやつで、知佳、主役やれ、みたいな、そういうことはやったことあるけど。

___石倉:お母さんにやれっていわれてやってみて、自分の感情はどうでしたか?

荒木:普通に楽しかったけどね。でもバスケとかスポッチャしてる方が楽しかった。

___石倉:その頃は、バスケしてたんですね。

荒木:ずっとバスケしてた。スポーツしかしてなかった。

___石倉:振り返って、その時の荒木さんはどんな人でしたか。

荒木:小学校の時は、友達とコンビ組んで、ネタ考えて、先生に週1で見せて、点数をもらうっていうのをやったりしてた。先生も結構厳しい。60点だよ、とか。もう1回やって、とか。2人で作って、先生呼んで。バスケ部の部室とかでも、後輩座らせて、見せたりしてた。

___石倉:バスケ部は、中学校の頃ですか?

荒木:小中高。田舎だから、小中はみんな一緒。バスケ部は、小中高。

___石倉:その頃からお笑いが。人前で何かすることが好きだったんですね。

荒木:好きだった。笑ってくれるのがめっちゃ楽しかった。笑われるのが好き。

___石倉:どんなネタをやってたんですか。

荒木:ジャクソン、ジャクソン、マイケル・ジャクソン。みたいなやつ。

___石倉:コンビ名は?

荒木:プリプリプリン。恥ずかしい。


夜の渋谷にて。 撮影:石倉来輝

めっちゃ負けたくない。過去の自分とかに一番負けたくない。

___石倉:その頃から演劇を見たりしてましたか?

荒木:お母さんがめっちゃ好きだから。富良野塾とか、あとは劇団四季。ファンクラブ入ってて、見に行くぞみたいな感じで連れて行かれて。

___石倉:その頃はまだ将来何になるっていうのは。

荒木:なかった。女優とは書いてたけど、でも本気でなる。とは思ってなくて。

___石倉:その後、多摩美に入って、どうでしたか。

荒木:おもしろかった。多摩美で色んな友達ができた。八王子キャンパスとかとの関わり方とかが楽しかった。なんか美術みたいなのが楽しい。今は美術の方が興味ある。でも、舞踊も楽しかった。勅使川原さん(勅使川原三郎)楽しかった。こんな経験初めて、みたいな。3時間ジャンプし続けて、めっちゃ笑顔になってて。でも2年間やって、最後にはもう3人とかしかいなくて、でも私はずっといて、1回も休んでない。楽しかったから。

___石倉:そういう経験と、いままで見た演劇とかは、変わらなかった?

荒木:そもそも持ってなかったからなあ、価値観ていうのを。野田秀樹さんを知り、あ、こんな声出して動くんだ。スポーツやってたし、超楽しい。みたいな。で、うわあ!っていうの好きだったけど、でも知佳はちゃんとした演劇もした方がいいんじゃない、っていわれて、で柴さん(柴幸男)来て、台詞初めてちゃんと読む、みたいな。

___石倉:それまではちゃんとやってなかったんですか?

荒木:高都先生(高都幸男)も、とにかくやってみろ、みたいな感じだったから、1年生の頃は、集中して役考えてとかじゃなく。柴さんの授業になって、すごい台本を考えたりとか、普通の会話みたいな演劇、あるんだ、みたいな。そういう小劇場みたいなのを知って、あ、そういうのもあるんだなっていうのを知って。

___石倉:その辺りから、荒木さんは外部にも出演し始めるんですよね。

荒木:そうだね。呼んでいただいて。でも負けたくないみたいな気持ちがいっつもあるんだよね。負けず嫌い、みたいなの。ずっと。そういう大人の、プロみたいな人がいても、負けたくない。みたいなのをずっと思ってた。思いながらやってた。わかんないけど、若いから頑張ってるな、って思われるのが一番嫌だって思いながらやってた。外部は大人ばっかりだから。若いな、って見られたくないな、って思いながら、やってました。

___石倉:普段は穏やかでふわふわしている印象が第一印象であったので、そういう闘争心みたいなのがあるとは思ってませんでした。

荒木:そうなんだ。めっちゃ負けたくない。過去の自分とかに一番負けたくない。

___石倉:仲間とかじゃないんだ。同い年の人とか。

荒木:同い年の人はね、何も思わないんだよね。みんな違うから、みんなそれぞれだな、って思って。過去の自分とか、一番負けたくない。だから勅使川原さんのとかも、1回休んだら体力が衰えちゃうから、昨日より衰えてるのとかが、もうバスケとかも、1日100本打たないと。100本入るまで帰んなかったりしてた。そういう負けず嫌い。昨日よりも1本多く入れる。みたいな。精神が。マジ悔し泣きとかするもん。自分ができなくて。昨日はできたのに、みたいなのは、ある。

___石倉:外部に出てても、大学にいてもありましたか?

荒木:わかんない。ダンスとか、そういう体力的な問題かな。

___石倉:体力。今は22歳ですよね。

荒木:22歳。絶対、勅使川原メソッドずっとやってた時よりは、体力ない。もう本当嫌だ。やんなきゃって思ってる。最近。跳ばなきゃ。でも舞台何回も見に来てくれてて、成長してるなって思われないと、嫌だなってなる。前の方が良かったとかいわれると、うわあ、とかなる。


渋谷のカフェにて。 撮影:石倉来輝

東京はおもしろいですね。東京っていうか、こっち。色んな人がいるし。色んな場所があるし。

___石倉:自分の今までの人生を、章に分けるとしたら、どの辺りまでが第1章とかありますか?

荒木:第1章。小学校3年生まで。小3なって、バスケやったり。バスケやった理由が、めっちゃ太ってたの。すごいデブだったから、なんか痩せた方がいいなって思って、で小3から部活に入れるから、動けるやつやろうって思って、バスケ部に入って、で頑張るモチベーションはもう痩せるため、ずっと、常に。走るのとかも、みんなバテるんだけど、私はもう痩せるため、ってずっと思って、そしたらガリガリに痩せた。小6。小3から人生が変わった。男の子からも声掛けられるようになったし。今より昔は根暗で、全然喋らないし、恥ずかしがり屋の極み、みたいな感じだったんだけど、バスケ部入って、自信持ててから変わった。第1章はそこまで。金八先生って呼ばれてた、デブで、髪型が長いセンター分けだったから。

___石倉:第2章はどんな感じですか。

荒木:第2章は、小3から高校まで、かな。その間がめっちゃ痩せてて、一番自信持ってた時期。違う学校のバスケ部の男子が、私4番だったんだけど、なんか4番可愛い、っていわれてたりしてた。中学校にバスケ部がなかったから、自分たちでバスケのクラブチーム作って、学校の部活は卓球と陸上掛け持ちでやって、3つやってた。常に動く、みたいな。でピアノと、習字も習ってて、なんか自分イケイケって思ってた。なんでもできるぜ、って感じで思ってたけど、中3の高校受験で部活を辞めてから、また激太りして。動かないと、どんどん太る。


夜の渋谷にて。 撮影:石倉来輝

___石倉:そして第3章が。

荒木:第3章が、高校生。高校の3年間。すごかった。いじられて、ずっと日村のモノマネとか。トイレに呼び出されて、女子クラスメイトみんな女子トイレ入って、AKBのモノマネやれ。とか。いじめってほどにはいかないけど、知佳のネタ見に行くぞ!とか。全身タイツでパフォーマンスしたりしてた。やばいやつだった。共学で、全然モテなくて。もう、やばキャラナンバーツー。それを経て、友達が多摩美行こう、ってゆってくれた。あとはラジオやってた。地元のFMラジオ。私たちの高校が呼ばれる高校生枠があって、卒業する人がやりな、ってゆってくれて。で高校の頃やってた。

___石倉:高校の頃は、割とパフォーマンスの片鱗が。

荒木:片鱗あった。

___石倉:それを経て、第4章。

荒木:第4章。大学生。多摩美。大学入ってから、なんかちゃんと恋愛も経験した。経験ていうか、ちゃんと付き合うってことを知る、みたいな。それまではなんか微妙なよくわかんない感じだった。ちゃんとしてなかった。付き合うってこういうことなんだなあって。色んな男の人がいるんだなあって。大学すごかったなあ。東京はおもしろいですね。東京っていうか、こっち。色んな人がいるし。色んな場所があるし。

___石倉:北海道から東京に来て、一番違ったことというかびっくりしたことってなんですか?

荒木:梅雨がある。梅雨。なんだこれ、って思った。

___石倉:北海道にはない?

荒木:ない。あとエアコンは冷房だけだと思ってたの。だから1年の頃、冬、何もつけないで過ごしてた。寒すぎた。エアコンあるのに、暖房あるって知らなくて、東京寒い、って思って。北海道はね、部屋の中あったかいからね、めっちゃ。

___石倉:人の感じとかはどうですか。

荒木:道ゆく人は、他人て感じ。地元だとさ、通る人全員が知り合いって感じだから、鼻くそほじって歩いてたとするじゃん。で車ぶーんて通るとするじゃん。絶対知り合いに見られてんの。だからそういうのできない。でもこっちは、もう2度と会わない人ばっかりじゃん。だから鼻くそほじくったりとかしても、興味ないでしょ。こっちだと。見ないし、もう2度と会わない。だから自由でいれる、こっちの方が。向こうはもう、絶対知り合いだもん。


夜の渋谷にて。 撮影:石倉来輝

目標、理想みたいなのを、持たないようにしたいなあ。って。予想したくない。わかんないけど。

___石倉:スペースノットブランクの作品に参加するのは、初めてですよね?どうして出ようと思ったんですか?

荒木:声を掛けていただいたから。

___石倉:初めて作品を見た時はどうでしたか?(第8回せんがわ劇場演劇コンクールにて「ラブ・ダイアローグ・ナウ」)

荒木:なんだろう。なんか見たことない感じだった。最初は言葉を聞こうと思って、何をいいたいのかなって聞いてて。小松くん(小松大二郎)のことをみんな喋ってるのかなって聞いてたんだけど、途中から、言葉ってよりか、その小松くんの動き見てた。動きがおもしろい、ってなって、後半はもう、音あんま聞いてなかった。言葉あんま聞かずに、なんか動いてたり定規持ったり、古賀さん(古賀友樹)がなんか紐もってたりして、おもしろいな、みたいな。頑張って聞いてたのが、全体の形、フォルムがおもしろいなって。

___石倉:初めてのお二人(小野彩加、中澤陽)の印象はいかがでしたか。

荒木:めっちゃちゃんとしてるな、って思いました。しっかりスケジュールの表もあったし。信頼できるなって思いました。

___石倉:実際に参加してみて、お二人の印象がそこから変わったりとかしましたか。

荒木:変わらない。自由。自由って感じ。中澤さんはおもしろい、おもしろい。彩加さんもおもしろい、おもしろい。

___石倉:おもしろい4回。もう少し知りたいです。

荒木:嘘なのか本当なのかわかんないとこがおもしろいですね。中澤さん。常に。存在が本当なのか。喋ってることすべてが、何をゆってんのかなあって、本当なのか、嘘なのか、企みなのか、素直な言葉なのかが、わかんないから、おもしろい。彩加さんはずっと動いてるし、単純に身体の動きとかがおもしろいし、時々喋ったりする時とかも、爆発的におもしろい。爆発。みたいな感じ。爆発人間、って感じがします。

___石倉:その他の出演者の人たちについてはどうですか。

荒木:みんなね、すごいね、優しい人たちです。すごく。自分の色みたいなのが強い気がする。みんな。接しやすいんですよ、とても。優しい。暖かい。心が。冷めた人がいない。人間が暖かい。わかんないけど。黒木さん(黒木龍世)はわかんないけど。安心するんですよ。メンバーを見ると。このメンバーでよかったなあ。って思います。自分も素でいられるっていうか、気を遣わない。話さなきゃみたいなのもないし。ピリピリモードみたいなのもないし。

___石倉:佐々木美奈さんが、自分より年下のみんなをしっかりしてるってゆってました。

荒木:私しっかりしてないと思う。でも、望生ちゃん(鈴木望生)しっかりしてると思う。

___石倉:鈴木さんが一番年下ですもんね。荒木さんが、下から2番目。

荒木:望生ちゃんしっかりしてる。悩み相談もできるタイプ。みんなにできる。相談。おもしろい。帰り道が、ミヲさん(石田ミヲ)と結構一緒だから、そういう相談というか、思ってること話したりとか、プライベートの相談したりとか。古賀さんも安心する存在ですね。昔から知ってるし。結構古賀さんがいる時点で、あ、やろう、参加する。っていう。安心して、参加したいな、と。

___石倉:ここから本番に向けて、近づいてますけどどんなこと思ってますか。

荒木:目標、理想みたいなのを、持たないようにしたいなあ。って。予想したくない。わかんないけど。

___石倉:荒木さんが、今後自分の人生みたいなのが何章も続いていく中で、今後に向けて、何かありますか。

荒木:顎を手術するのね。私、顔が変わるから、その時点で、章が変わる。顎と歯が綺麗になって、CMに出たいって夢があるから、それは叶えたい。今の願望。でも顎だけじゃないじゃんCMって、スタイルとかもあるでしょ。そこまでに、どういう経験を積んで、顎の手術を迎えるのかなって、考える。

___石倉:見た目によって章が変わってくんですね。

荒木:見た目気にしてるのかなあ。あるかもしれない。すぐ太っちゃう体質だから。第3章からは痩せたい、しか思ってない。常にずっと。でも痩せれない。

___石倉:CMに出たい。更にその先はありますか。

荒木:書道。習字、書くのも好きだから、そういう場も常にあったらいいな。って。


夜の渋谷にて。 撮影:石倉来輝

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第28回下北沢演劇祭参加作品
下北ウェーブ2018選出
緑のカラー
2018年2月8日(木)〜2月11日(日)
於 小劇場楽園

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出演者インタビュー掲載中
古賀友樹
佐々木美奈
鈴木望生
黒木龍世
石田ミヲ

インタビュー:石倉来輝
編集:中澤陽