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フィジカル・カタルシス|穂の国とよはし芸術劇場PLATにて。スペースノットブランクのダンス・レジデンス滞在日誌『ほほえみ』11日目

2019年12月5日、木曜日。

台湾茶は茶色か? ミルクはミルク色か? 二つを混ぜた色の名前をまだ知らない。タピオカは黒く柔らかく歯で噛むと弾力が跳ね返ってくるグミのよう。3日連続で飲んで(食べて)いる身体は何を思っているだろうか。尋ねても応えてはくれない。明日も飲む(食べる)と思う。思うのは身体ではなく精神のはたらきであり、精神は身体に内包されているから、身体の一部か? 色については疎い。疎いというより悪い。精神の痛みを避けるために、色の判別をせずに生きるようになった。遠くの文字が見えなくても問題はないが、見える色が判別できないことは問題があるらしい。驚かれたり、嘲笑されたりする。色の判別ができない身体を持っている。異常として扱われることは悲しいが、固有の身体を固有の身体として受け容れている自己の精神は保つことができる。ダンスを見ているとそういうことを思います。自己の精神を内包した固有の身体は、他者の(以下同文)を見ると、無味無臭の繋がりを感じる。神経が躍動し固有の身体が描く線は自己と他者を結び、固有の身体と固有の身体が空間の内側に裏返るよう。ダンスを身体で捉えることも、身体の一部の目で見ることも大差ありません。できるできないの問題ではなく、何をチョイスするか、ということ。「身体がある」ということが、人間に用意された最も原理的なツールです。身体を離れた意識はインターネットの海を游ぎ、あらゆる偏向にさらされて、火葬のように炎上し、身体は灰になってしまう。「身体がある」ことを忘れてしまうと、他者と繋がることを忘れてしまう現代(なう)です。ダンスを作り、舞台作品を作ることでやりたいこと(のひとつ)は、「身体がある」という経験を共有することです。書いている今、日付は変わって2019年12月6日、金曜日になりました。滞在は最終日になりました。稽古場公開を行ないました。ぽつりぽつりとですが長くじっくりとした時間を、見られていることを感じて過ごしました。花井瑠奈さんと山口静さんが加わり、第3のフェーズ「形」のバリエーションに突入。細かく「3-1」「3-2」「3-3」と分解され、アクションゲームのようになってきました。作品試演会(成果発表会)は30分程度になる予定です。無料です。19時からはじまって、20時にはすべて終わります。豊橋でも『フィジカル・カタルシス』を上演することを目指して、継続します。『フィジカル・カタルシス』を上演することだけではなくスペースノットブランクのことを知っていただくことを目指して、継続します。身体があります。人が動いています。ご来場お待ちしております。

中澤陽


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◉フィジカル・カタルシス|ステートメント

フィジカル・カタルシス|ダンス・レジデンス滞在日誌『ほほえみ』
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