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フィジカル・カタルシス|穂の国とよはし芸術劇場PLATにて。スペースノットブランクのダンス・レジデンス滞在日誌『ほほえみ』10日目

2019年12月4日、水曜日。

『フィジカル・カタルシス』第3のフェーズ「形」について研究を行ない、10日間が経ちました。フェーズの中に潜むまだ見ぬさらに細やかなフェーズを見つけるために、豊橋にいます。作品の連なりが作品となり、作品の連なりを追いかけ続けた痕跡(TRACE)がまた作品となるように、研究を継続しています。2018年の終わりから、ダンスを再考することを決めて、2019年1月、2019年3月、2019年5月と「形」を変えて、「痕跡」を残して、2019年11月、豊橋に来ました。スペースノットブランクは何者か? わかりません。舞台について考え、「舞台(と呼ばれてきたもの)をやめるための舞台」と銘打ち、2018年9月『舞台らしき舞台されど舞台』、2019年3月『言葉だけでは満ちたりぬ舞台』、2019年6月『すべては原子で満満ちている』の3つの作品を制作、上演しました。それらと並行して『フィジカル・カタルシス』では、舞台芸術に成る以前のダンスを考察しています。研究は前進します。『フィジカル・カタルシス』は、2020年8月にこまばアゴラ劇場での上演を予定しています。オリンピックとパラリンピックに挟まれる日程です。東京(日本?)では「人が動く何か」に関心が集まっている頃だと思います。「競争」する「動き」と、「共生」する「動き」を並べて、『フィジカル・カタルシス』を次に進めるために再びパッケージします。人(舞台)と人(観客)の輪郭には言葉があり、言葉の輪郭には意味があり、意味の輪郭には理解がありますが、そのすべての輪郭に元来共通する身体と動きを浮き彫りにして、一義と多義を反復横跳びしながらカタルシスへ到達するダンスを目指して、継続します。

今日から豊橋に花井瑠奈さんと山口静さんがやってきました。2019年3月のスパイラルホールでの上演と、2019年5月のシアター・バビロンの流れのほとりにてでの上演に参加いただいた二人です。

明日は稽古場公開。出入り自由で自由にやっています。ご来場お待ちしております。

中澤陽


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フィジカル・カタルシス|作品概要

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