Shu Matsui and Ourselves 松井周と私たち
継承する身体
松井周と私たちフィジカル・カタルシス再生
Left photo by Toru Hiraiwa / Right photo by DanÅke Carlsson |
振付家のジェローム・ベルと、タイ伝統舞踊家のピチェ・クランチェンが芸術的実践について互いに問い掛け合い検証する舞台『ピチェ・クランチェンと私』のアイデアをトレースする。舞台芸術の新たな価値を直向きに探究する[小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク]。演劇を通じて、人間と世界の虚実入り混じった仕組みを表現するユニット[サンプル]を主宰する劇作家・演出家・俳優の松井周。出自、創造性、世代など、あらゆる異なる点を持つ二組が舞台上で出会い、芸術的実践をはじめとして、現代日本の演劇界、延いては舞台芸術界全体に関する問いを共有し、検証する新しい舞台『松井周と私たち』として上演する。
松井周 Shu Matsui
©︎ Toru Hiraiwa |
X/Web |
劇作家・演出家・俳優。1972年東京都出身。大学時代に寺山修司や唐十郎のアングラ演劇に影響を受けたが、平田オリザの現代口語演劇と出会ったことをきっかけに、1996年に俳優として劇団青年団に入団。自身で作・演出を手がけるようになり、2007年に劇団[サンプル]を結成し、青年団から独立。2010年にニューヨークタイムズで「日本における最も重要な演出家の一人」と紹介された。2011年『自慢の息子』で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。伊、仏、米、台湾に続き韓国では2020年から3戯曲が翻訳上演されるなど、国内外から評価を受けている。 |
最近、自分が作品をつくるときに「どうやるんだっけ?」という疑問がまず浮かびます。これは、自身の方法すらつかめきれず、焦燥感から暗闇で手を振り回してデタラメに彫刻しようとする感覚に近いです。新型コロナ以降のパフォーミングアーツの方法やプロやアマチュアの垣根を越えた表現の形式、芸術一点豪華主義(倫理や生活を犠牲にして)の終焉などに影響されてるというか、それらについて考えているうちにぼんやりしてしまうのです。ただの老化かもしれません。しかし、スペースノットブランクの作品は、観るたびにいつもシンプルで、自分よがりな焦燥感を忘れさせてくれるものでした。「恐れずに発想を形にして、最大の効果を引き出す!」という強い意志を勝手に感じて励まされていたのです。だから、一緒にやりませんか? という話が来たときはとても嬉しかったし、ジェローム・ベルの『ピチェ・クランチェンと私』という作品のやり方(正式にジェローム・ベルの許可を得ています!)を使って『松井周と私たち』という作品を立ち上げるという話にも興奮しました。とてもシンプルなコンセプトに貫かれていたから。ちょうど9月のはじめに、稽古の前半を終えたところです。今のところ、いい感じです。『松井周と私たち』という言葉以外に置き換えられない時間になっていると思います。ぜひ御覧ください。
こまばアゴラ劇場 主催プログラム
2023年11月23日(木祝)17:30
2023年11月24日(金)19:30
2023年11月25日(土)13:30
2023年11月25日(土)17:30
2023年11月26日(日)13:30
2023年11月26日(日)17:30
2023年11月27日(月)14:30
こまばアゴラ劇場
前売券(事前支払):2,900円
当日券(当日現金支払):4,000円
18歳以下(一律):1,100円
原案:ジェローム・ベル『ピチェ・クランチェンと私』(2005年)
演出・出演:小野彩加 中澤陽 松井周
音響・照明:櫻内憧海
舞台監督:河井朗
保存記録:植村朔也
記録写真:高良真剣
記録映像:日景明夫
当日運営:青田亜香里 渚まな美 奈良悠加 山口静
制作:花井瑠奈
協力:サンプル 有限会社quinada 青年団 お布団 ルサンチカ 東京はるかに
助成:公益財団法人セゾン文化財団
文化庁文化芸術振興費補助金
劇場・音楽堂等活性化・ネットワーク強化事業(地域の中核劇場・音楽堂等活性化)
独立行政法人日本芸術文化振興会
企画制作:スペースノットブランク 有限会社アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:有限会社アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
〈こまばアゴラ劇場スタッフ〉
芸術総監督:平田オリザ
技術協力:中條玲(アゴラ企画)
制作協力:日和下駄(アゴラ企画)
イントロダクション | |
2023年11月20日(月) | 植村朔也:質問の陥穽 あるいは、透明性の時代 |
2023年11月9日(木) | 越智雄磨:『松井周と私たち』のために |
レビュー | |
2023年12月30日(土) | 中島梓織:いやいや踊ってるじゃん/わたしも踊ってたじゃん |
2023年12月31日(日) | 越智雄磨:「何」がそれを語らせているのか?:『松井周と私たち』レビュー |
ニュース | |
2022年10月13日(木) | ステージナタリー|こまばアゴラ劇場、2023年度の秋冬ラインナップが明らかに |
2023年10月4日(水) | ステージナタリー|スペースノットブランク「松井周と私たち」上演に向け松井周「今のところ、いい感じです」 |