Spacenotblank

吉田卓央 Takahiro Yoshida XInstagram
吉田卓央(よしだたかひろ)といいます。IT系フリーランサーとして1日12時間くらいパソコンと向きあう生活を2018年までしていました。この生活に少しうんざりしたころ「次のダンス公演に出てみない?」とふんどしダンサー・五十嵐結也に誘われ、初舞台を踏みました。その後はまたビジネスの世界に戻り、パソコンと向きあいました。いいかげん生活にうんざりしてきたころ「平田オリザの演劇学校に応募してみなよ」と友人に進められ、無隣館に入り、演劇の世界に触れました。それから生活の軸をお芝居に移しました。

舞台芸術に関わってから、ビジネス以外の観点を大事にして、物事を評価するようになりました。その仕事をする意味を深く掘り下げず、ただひたすら仕事したので、すり減って、生活にうんざりしていったのだろうと今では思います。

最近は、IT系ビジネスと舞台芸術の両軸での活動をためそうとしています。テクノロジーは昔から好き。ビジネスもそこそこ好きだと気がつきました。ビジネスだけに寄りかかった時期は、視野がせまくなった実感があります。舞台芸術とこれからも関わり続けることで、バランスのとれた判断ができればいいなと思っています。

舞台参加作品:第19回AAF戯曲賞受賞記念公演『ねー』作:小野晃太朗/演出:今井朋彦、隣屋『コロノスのオイディプス』原作:ソポクレス、五十嵐結也『I saw her』『はつみ』『ボーイズ・オン・ザ・ラン』

6月17日の広告
10分間のダンス作品をふたりで作りました!舞台音楽として、自動演奏プログラムを使います!曲の流れはそのままで、まいかい中身に変化があると、より演者が自由になれるような気がしたんです!そういうようにプログラミングしました!6月18日に上演します!明日です!吉田経由でチケット予約できます!ご都合つけばぜひ!

【シアター21フェスvol129 part2】
10分間のダンス作品を7組が上演します

◯出演者
・Atelier C.N.(佐藤健司・桜井陽子)
・藍木二朗
・小林菜々
・ho!on(小林玉季・吉田卓央)
・振付:原田紗也、出演:冨岡瑞希、原田紗也
・佐藤美桜、鈴木瑶生、藤田うらら
・平田鱈

◯チケット
劇場観覧 2,200円(前売・当日)
オンライン視聴券 1,500円

◯公演日時
2023年6月18日(日)18:00
※開場は開演の30分前

◯場所
神楽坂セッションハウス

訊ねる
訊ねる:吉田卓央
答える:黒澤多生

吉田卓央:1. 好きなホラー映画は何ですか? また、どんなところが好きですか?
黒澤多生:1番を決められなかったので、いくつかご紹介します。
『キャビン』(2012)
1番好き、で一番最初に思い浮かんだのがこの作品です。「大学生4人組が森の小屋(CABIN)でバカンスを楽しもうとしていたところ・・・」という、ホラー映画お決まりの設定から、二重三重のどんでん返し/メタ/パロディの応酬で、ホラー映画を知っていればいるほど面白いホラー映画です。なんというか、最初に見た時に「ありがとう」という気持ちになりました。
『フィアー・ストリート』(2021)
Netflixオリジナル映画で、同じ街を舞台に1994年、1978年、1666年の3つの年代の悲劇を描いた3部作のホラー映画です。
それぞれの年代で違うホラー映画の作品をオマージュしており、その多彩さが楽しいです。
『アナベル 死霊館の人形』(2014)
今一番好きな監督がジェームズワン監督で、その監督が制作を務める「死霊館シリーズ」というのがありまして、そのスピンオフになるのが「アナベル」シリーズです。
死霊館シリーズは、シリーズを通して「怖がらせ方」というものになによりも果敢に挑戦しているように思っています。その中でも『アナベル 死霊館の人形』は「霊の仕業と人間の仕業の混在」や「赤ちゃんが危うい」という部分がかなりうまくできており、その怖がらせ方には思わず舌を巻きました。
『ファイナルガールズ 惨劇のシナリオ」(2015)
「ファイナル・ガール」とは、ホラー映画で定番の一番最後に生き残る女性の登場人物のことを指します。その定番の逆手にとり、映画の世界に迷い込んだ人たちが、映画の中の登場人物と一緒に「生き残るためのフラグ」を立てるために奮闘する、というメタコメディになっています。
ベースになるのが「13日の金曜日」なのですが、設定のメタ要素だけではなく、「過去回想を始めると当時の映像になる」「良いシーンでスローモーションになる」といった演出効果もメタ的に取り込んでいるのが面白いです。
『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE-02【震える幽霊】』(2012)
日本のホラー界を牽引する白石晃士監督。その監督が一気に人気を増やしたのが「コワすぎ!」シリーズという、ビデオシリーズです。人気がありすぎで劇場版が作られました。
「コワすぎ!」シリーズは視聴者投稿の心霊映像を元に癖の強いディレクターとAD、カメラマン(白石晃士本人)がトンデモ取材を繰り広げるフェイクドキュメンタリーですが、怖さというよりもむしろアドベンチャー感? というか、外縁の話が次々つながっていくところが面白いです。
中でもこのFILE-02【震える幽霊】は、最初の心霊映像こそ怖くないのですが、取材を重ねていくうちにだんだん変な方向に話が進んで、最後には全然ちがうところに着地していく過程が面白いです。
『呪詛』(2022)
こちらはNetflixの台湾映画です。ホラーは、あくまでフィクションであるから、鑑賞者が一歩引いた視点で見られるから、安心して怖がることができると思うのですが、この作品はある種、そのホラー映画の「お約束」をやぶっている禁忌の映画だと思います。あまり何を言ってるかわからないと思いますが、見るとわかると思います。あと怖いです。かなり。
『残穢ー住んではいけない部屋ー』(2015)
小野不由美さんの小説を原作にした作品です。この作品の特色は「語り」にあると思います。主人公のホラー小説家が読者から貰った手紙をきっかけに、手紙を送った主に取材に行くのですが、その「体験談」の描写が妙に怖いのです。ホラー映像の良さは、「次に何がやってくるのだろう」という、鑑賞者と作り手の「嫌な予感」の駆け引きだと思うのですが、この作品は「予感」よりも「想像」を掻き立てられます。あまり再現描写を使わず、言葉だけで出来事を描くことによって、かえって鑑賞者の頭の中で「自分の想像する一番嫌な画」が完成するのです。なかなかこの手の作品は少ないので、おすすめです。ラストは蛇足な感じがしますが。
『NOPE』(2022)
一番最近鑑賞して良かったホラー映画です。あるシーンで、主人公がピンチに陥るのですが、その時のリアクションがめちゃくちゃ良いです。圧倒的なものの前に取り残された時のどうしようもなさがよく出ていて良いです。
『ハッピー・デス・デイ』(2017)
いわゆる「タイムループ」を題材にしたホラーです。こちらは怖さというよりは、「タイムループ」という使い倒されたギミックをどこまで演出できるか、というところが見どころになっています。あまり深いタイプの作品ではないのですが、爽快感・疾走感があり、見ていて気持ちの良いホラー映画です。ちなみに続編『ハッピー・デス・デイ2U』は、パラレルワールドをテーマに1と同じ時系列の別の事件を描いています。こちらもおすすめです。
『ハプニング』(2008)
『シックスセンス』という作品で大有名になったM・ナイト・シャマラン監督の作品です。『シックスセンス』は、ラストの大どんでん返しが人気を博していましたが、「すごいどんでん返しをする監督だ」という世間からの期待像にシャマラン監督が追いつけなかったのか、デビューからずっと下降気味でした。最近は『ヴィジット』という作品から評判を取り戻し、精力的に作品を作り続けています。(ホラーではないですが、『ミスターガラス』という作品もおすすめです!)
前置きが長くなってしまいましたが、自分が好きなのは『シックスセンス』より『ハプニング』です。この作品は、世界中で突然人々が意思関係なく自殺してしまうという不可解な事件が広がっていく物語です。この作品には『シックスセンス』のような大どんでん返しがあるわけではないのですが、「不可解な人物」の描き方が秀逸で、その「不可解な人物の描写」こそがシャマラン監督の真髄なのではないかと思っています。グロテスクな描写が多いので苦手な人は注意です。
キリよく10作品のご紹介で失礼します。
こうしてみると、メタ系や恐怖に対する技巧に自分は興味があるんだなと思いました。
ホラー映画は、「怖い」というただ一点に対してさまざまな解釈やアプローチをしているところが好きです。定番を壊したり、またリスペクトしたりを繰り返して、独自の文化が形成されていく様を、これからも楽しみたいと思います。

吉田卓央:2. 料理をつくることは好きですか? また、得意料理は何ですか?
黒澤多生:料理を作ることは、比較的に好きです! ですが、後片付けが面倒なのでなかなか習慣づかない部分があります。
得意料理はだし巻き卵とオムレツです。素材や調理器具ではなく、料理の仕方によって味の良し悪しが変わるのが面白くて、何度も練習しました。

吉田卓央:3. 自分が食べた中で、人生でいちばん衝撃的だった料理は何ですか? また、その料理についてのエピソードを聞かせてください。
黒澤多生:2020年1月、横浜STスポットで岡崎芸術座の「ニオノウミにて」という作品を見ました。その演劇は能をモチーフにしていて、上演構成も能と同じ3幕構成、1幕と2幕の間に「お弁当」を販売して、お弁当を食べながら観劇することができるというものでした。
その時にお弁当というのが、崎陽軒のポケットシウマイとおにぎりのセットだったのですが、シウマイがあまりにも美味しくて、また「食べ物を食べながら観劇する」という経験が相当衝撃でした。それ以来、コンビニやスーパーでシュウマイを見かけるたびに購入するという生活を3ヶ月くらい続けていました。ちなみにシュウマイはコンビニやスーパーですと味の素の「豚のあふれる肉汁にXO醬と葱油が香るザ★シュウマイ」が、お店ですと下北沢にある「カムイ」という中華屋のエビシュウマイが美味しいです。

吉田卓央:4. 人生の中であと一回だけ食事ができるとして、なにを食べたいですか?
黒澤多生:崎陽軒のビュッフェで心ゆくまでシウマイ食べたいです。

答える
訊ねる:大石英史
答える:吉田卓央

大石英史 :1. 一番最近、失くした物は何か教えてください。それはどのような状況で失くしましたか?
吉田卓央:リップクリームです。よく失くします…あまりによく失くすので、持っているすべてのかばんにひとつずつリップクリームを入れました。それでもひとつ失くなった…どのような状況で失くしたのか…おそらく使った後、無意識にどこかに置いて、そのまま忘れたんでしょうね…リップクリームを使い切ったことは人生でない気がします。

大石英史 :2.なんのジャンルでも、どんなもの/ことでもいいので、いま一番人にお勧めしたいものを教えてください。
吉田卓央:グルメ系Youtube番組「MASUHIROのうまいのなんの!」です。山本益博さんは日本初の料理評論家で御年75歳になります。彼がいろいろな料理のうんちくを教えてくれたり、評判の料理人にこだわりをインタビューするような番組です。
動画を観ながらひとりで食事する方がいたら、ごはんのお供に「MASUHIROのうまいのなんの!」をぜひお試しください。番組の途中に入る「うまいのなんの!」というSEが最高です。たまに「これこれ!」とかのバリエーションが出てきます。
MASUHIROのうまいのなんの!

大石英史 :3. どんな嘘をついたことがありましたか? 印象に残っている自分の嘘を答えられる範囲で教えてください。
吉田卓央:この質問を読んだとき、すぐに連想した自分の嘘があります。ただ、おそらく回答しないほうがよいので…すみません!

Back to Members