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ささやかなさ|ステートメント

ささやかなさ、が書かれるに至った誰かのささやき

Powers of Ten っていう映像作品を見てると、10の2乗メートル宙に浮かんだぐらいのところでもうヒトやモノの差異がわからなくなる。青、緑、整理された区画、なんやわからんでっかい建物、そのなかにヒトやモノがうぞむぞいるんだろうなって感じ。システムが想定するヒトもそんな感じ。ケンブリッジ・アナリティカに好き放題いじくられてるのに、わたしなんにも感じない。目の前にいるヒトをそーゆーふーな無感情で見ることもできる。って、油断してると、足もとからでっかい鯨が白い飛沫をあげながら現れて、大口開いてわたしを飲み込んでしまった。
世界ってなんて素晴らしいの。
言葉がわたしとあの人を区別する。わたしが持ってる性質やブツを具体的に並べてってもそれがわたし固有のものであるとは言えなくて、わたしとまわりにあるものとを取り結ぶささやかな関係こそわたし固有のもの。だから何だ、って言われたら、まあ知らんけど、だから何だって言ってくるひととだって関係は結ばれてしまう。たまにはSNSやめてここに来てわたしの目じっと見つめてみたら? たぶん感動するよ? って思うけど、めんどくさいよね。ってな感じのなれなれしいことば使いで、わたしは誰かと誰かを区別する。その区別が誰かを傷つける。ほんまはそんな杜撰な区別で傷つく必要ないねんってわかってても、ささやかなさで凶器になってしまう言葉とそのひとの区別の手つきに傷ついてしまう。そこにはイヤがオーにも関係がすでにできあがってるし。即消去しなきゃならないものだらけで、日々がめんどくさい。わたしが社会に国に何を負ってるっちゅうねん、海で叫ぼうが街で喚こうが関係はどこまでもついてきよるし、あーいややいやや、やっぱりモノは凹んだ犬みたいな顔しないし便利、やけど、たまに会うレジのおばちゃんとのささやかな関係にだって救われることあるし? 漆黒の部屋んなかで鬱々とカップラーメン啜ってても外の空気に触れた途端……みたいにどっかでポジティヴに転じる瞬間があるし? あー世界ってなんて素晴らしいのって何回も何回も言いたい、一日一日のささやかなさ、よさをさ、保存したいだけなのよ、それこそシェアすべきものなんじゃないの? 死んで灰になるまで、キミとボクのささやかなさ、くらし系をさ、これから一緒に作っていこうよってキムタクには言われたくないけどたまたま現れた誰かには言われたいし言ってみたい……から、重い腰回しだそー

松原俊太郎

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感謝と抵抗を交互と相互にしています。そういう状態、舞台について考えることを通過したり未来に置き去りにしたりしていて、新しいというよりも単に次というところへ向かって進もうというところにいます。

人間と人間を目の前にして、言葉の集会所に集まるように舞台を作り、しかしわたしたちは漂うだけかもしれないというささやかさを描きます。すべての舞台の価値を探究するスペースノットブランクが、台詞によって制御された現代の人間と人間の境界線の存在を受容し、反発し、舞台に表します。

ささやかなさ、は松原俊太郎が戯曲を書き、小野彩加と中澤陽が演出をし、古賀友樹と西井裕美が出演する舞台作品です。

2018年からこの作品について考えてきて、スペースノットブランクが高松アーティスト・イン・レジデンス2018で訪れた香川県高松市のMOTIFで上演することになりました。京都で松原俊太郎が独立して戯曲を書き、東京で小野彩加と中澤陽と古賀友樹と西井裕美が集合して制作を行ないます。高松で上演するまでの時間をそれぞれの人間がそれぞれの役割を持って過ごし、作品を作ろうとしています。

いまはまだ、ささやかなさ、という松原俊太郎が提示したタイトルに基づいて、このステートメントを小野彩加と中澤陽───わたしたち───が書いています。舞台については考え続けなければなりませんが、それらを含有した肥料に新しい種を植えようとしています。わたしたちはワンオブゼムのわたしたちとして、次というところへ向かわないと(いてもたっても)いられない。正解があってもいいのに、正解を間違いということにしたいエゴが蔓延る世界に生きています。逃げるが勝ちも、生けるが勝ちも、肥えた土地でささやかに芽吹く次の価値と一緒に、表現すること、として上演に漕ぎ着こうと思います。

2019年8月18日(日)
小野彩加 中澤陽

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◉ささやかなさ|作品概要

アントン・チェーホフ「熊」|ステートメント

古賀友樹という人間がいます。俳優をやっています。はじめての作品から参加して(作品を一緒に作って)くれています。

古賀友樹を紹介したいと思いました。そしてそれにもっとふさわしい作品が「熊」だと思いました。

古賀友樹は女性と男性の間という意味での中性的な身体と、非日常と日常の間という意味での中性的な身体の、どちらもの間という意味での中性的な身体を持ち合わせているからです。

古賀友樹が「熊」の登場人物すべてを描くことで、その価値を余すところなく紹介できると考えました。

古賀友樹が1人で台詞の掛け合いをする様を想像するだけで、笑みが溢れてきます。

古賀友樹を知らない人からしたらどんな冗談かと思われるかもしれませんが、ぜひこの機会に知って欲しいです。

古賀友樹という1人の俳優が、戯曲や演出を超えて舞台のクオリティを生むことができるということを舞台芸術市場に、舞台を作る人に、舞台を見る人に、知って欲しいです。

古賀友樹は単に目に見えるだけの出演者ではなく、舞台を上演するにあたってあらゆる目に見えない環境と対峙しているということを。

2019年6月26日(水)
小野彩加 中澤陽

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古賀です。

利賀演劇人コンクール2019の最終上演審査でチェーホフの「熊」を1人で演じるということでプレッシャーが重くのしかかっています。

でも考えてもしょうがないのでひとまずやってみようと思います。

2019年6月26日(水)
古賀友樹

◉アントン・チェーホフ「熊」|作品概要

フィジカル・カタルシス|出演者インタビュー


瀧腰教寛 たきごし・たかひろ
2月23日生まれ。石川県七尾市出身。俳優。2007年から2018年まで〈重力/Note〉に参加。俳優として、新聞家「失恋」、スペースノットブランク「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」などの作品に出演している。


──上演に向けて
今回スペースノットブランクに関わらせてもらえるのは2作品目になるんですけど前回も僕にとって結構ターニングポイント的な時期、去年からもちょうどなにか転換をしながらどういう風に今後活動したり生活したりっていうことを考えるきっかけになりつつ考えながらやらせてもらってるな、っていう期間で、充実しています。仕事をしながら生活と共にどういう風に舞台をしていくのか、よく稽古場で出る、通過点ていう言葉が新鮮で好きで、そういう観点からこう、舞台と生活との両立を考えた時に、今までやっぱりなにか舞台って特別なもの、神秘的なものっていう要素も入ってるぐらいの、ちょっと僕の中ではもやっとしたものも含み込んだもの、が表現だったんですけど。その中での表現、自分でしかないものが、どうそこの舞台に出てくるかっていう、「恐れ」みたいなものはいままでもあるんですけど、そこがどう変わっていくのか、自分自身も楽しみです。今回の作品は作品ていう言い方自体も、言うのをやめていきたいなって思ってるんですけど、一応ダンスみたいな形なんですよね今回、結構最初はそこへの緊張感というか、不安もあったんですけど、今その体をどう舞台上に成立させるのかっていう仕方が、さっき話した、どう生活と表現との間で自分を出せていくのかみたいなことの課題は僕にとって今後どう演劇を更新、または関わり直していくのかをダンスという名目の中でやっているにすぎない。

──ステートメントについて

①それは多様な選択ができるものとする。
なんにでも応用が利く。それこそ今割と一生懸命なんで、余裕がないけどたぶんその5月10、11、12を過ぎたあとにその応用するチャンスが訪れると思うし、たぶん応用していくんだと思う。ていうことはもう見えてます。

②それは躰の内在と外在から構築される。
今その前半のシーンを作ってて、それは確かにその山口静さん、花井瑠奈さんの動きを見て、振りを思い出したり、浮かんだりっていうのと、自分からこう動きたいなって思うものとが、交互に動きになっていってるってのは内在と外在。だなっていう感じがある。

③それは作家のためだけのものではない。
これも、お客さんも自由に動きを作ったりできるな、っていう感じはある。応用ができる。だから今回の作り方、見たもの、もしかしたら見たものも、見てくれた方は、応用が利く、ような気がする。僕はたぶんこれを見にきたら、応用してしまうだろう。

──ダンスについて
ダンス=踊ることってなんなのか。よくまだわからないんですけど、演技とダンスは結構同義なんじゃないかなって、だんだん思ってきてます。稽古を通して。それを今もっと考えてみると、たぶん体の可能性の拡張の中に、社会的な生活の中で抑制しているものを解き放った時に、ダンスや僕の見たい演技があるのかな、って思う。

──作品の中での自身の行為、役割、意識について
僕の感覚としては、割と好き勝手やらしてもらってるなってとこはある。たぶん好き勝手やれたら本当にいいんだろうなって、今思ってます。踊ることに慣れてない人なんですよ、僕。振りとかも作ったことがないけど、ある時稽古で、花井瑠奈さんと山口静さんに自分の動きをトレースしてもらう時があって、その時にちょっと、あの、嬉しかったです。振りを見てる人が踊りたくなるように思わせる可能性を秘めてるんじゃないかなって思ってます。踊ったことってほとんどないから、そういう自分が踊ることによって、たとえば近所にいるおばあちゃんとかがこうやって作ったよ、って僕に見せに来てくれるんじゃないかなって勝手に思ってる。



花井瑠奈 はない・るな
1991年8月26日生まれ。パフォーマー。2014年から2019年までテーマパークにてさまざまなプログラムに出演。パフォーマーとして、中村蓉「桜ノ森ノ満開ノ下デ」、サカサマナコ「静かな欠片」、新聞家「失恋」「遺影」、鳥公園「終わりにする、一人と一人が丘」、スペースノットブランク「ネイティブ」「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」などの作品に参加している。


──上演に向けて
3月から制作をはじめて、3月30日にワークインプログレスの発表があって、で今日は4月の26日です。スペースノットブランクの作品制作に参加しているのは3作品目でこれまでの2作品は自分の生活とか経験の中で大きなポイントとなっているような感じがしていて今回は時期的にも自分が仕事を辞めた前後が制作期間になっていて、その前後の期間を作品と共に過ごして5月の上演に向かっているところです。今。

──ステートメントについて

①それは多様な選択ができるものとする。
まず、作っているサイドから見ると、ある動きの次に起こることとか、ある動きのきっかけとなる背景とかが、いくらでも無限にパターンがあり得る。ということ。見る側からいうと、その動きに個人的な、とても私的な、見方をできる。ということ。

②それは躰の内在と外在から構築される。
前に、どうやって動きができるか、っていう質問をこの制作中にされた記憶があるんですけど、今思うと、まったくもって、この一文のことだな、っていう風に思いました。自分の無意識とか自分の経験とか記憶から生まれるものと、それが物足りない時に、同じ空間に存在する物や人からの情報で、刺激を得て出てくるもので動きが作られること。

③それは作家のためだけのものではない。
これは、この一文は、フィジカル・カタルシスに限ったことではないんですけど、どうして作品を上演するのか。ということに対して一番目指すところに自分たちもいるけれど見る人がいる。ということ。

──ダンスについて
動くこと自体は好きだけど、ダンスと言われると、身構える感覚があって、ダンスを子供の時からしてきたつもりだったのに、なんでそう思うんだろう。たぶん自分が勝手になにか、ある技術とかそういう定まった基準のようなものについて勝手に否定的な気持ちになってるだけなんだと思うんだけど、もっとなんでもダンスと呼べる気持ちでありたい。

──作品の中での自身の行為、役割、意識について
フィジカル・カタルシスの最初の上演(2019年1月|d-倉庫)を見ていて、詳細にはわからないけど、作り方についてなにかルールがあるっていうことを見ていて、作品がおもしろかったからその内側から作品を見ることができて、それは嬉しい。でも、ダンス大丈夫かな、って思った。たくさん踊るのどういう風に自分がいられるか、大丈夫かな、って思った。でも、一緒に振付と出演をする人が、ほかに2人いて、演出者がもう2人いて、その4人を近くで見ていて、それぞれすごいなと思うので、ダンスをする動機が自分の中だけじゃなくて外にたくさんある環境があって、ありがたいなと思う。ここからの時間と3回上演する時間の間にたぶん感覚が変わっていくと思うから、見る人もいるし。変化についていってその時々でクオリティのある方法を見つけたい。



山口静 やまぐち・しずか
1990年4月12日生まれ。ダンサー、振付家、ダンス講師。企画者として、自らダンサー、俳優、作家を集い作品を上演する「アトリエタキグチにて」などの公演を企画。ダンサー、振付家として、茶番主義!「白い馬の上で踊れ」などの作品や、中島トキコが手掛ける〈POTTENBURN THOKII〉の展示イベントに参加している。


──上演に向けて
今年のはじめ、体は他の体の中で育つよなあ、そろそろ外へ出ていかないといけないな、と思っていたところに、お声がけいただいたので、願い叶った、という気持ちで、実際に出演、演出の皆さんと体を動かしていく中で、やはり自分がいままで自ら手を伸ばさなかったところへ体を持っていかれるし、意識を引き延ばされる。拡張される。その拡張されるのが自分の中では、心地がいいから、かけた時間と運動量を信じて、このままフレッシュな気持ちで、本番を迎えたい。

──ステートメントについて

①それは多様な選択ができるものとする。
作る側も、見る側も、多様な選択ができるように心がけているのかなっていう意識は、稽古の中で感じている。それは平面が立体になっていく感じというか、意味のないものがより豊かに変容していく、魔法みたいな感じ。

②それは躰の内在と外在から構築される。
クリエーションの中で自分の周りの景色や環境は常に変化し続けているんだけれど、それに振り回されずに自分の衝動や気持ち良さを守れる。

③それは作家のためだけのものではない。
自我の押し付けにならずに、風通しよく、すべての人に開かれたもの。

──ダンスについて
人は踊りたいという欲求を本来持っていると思っているけど、いつから生活とダンスが離れちゃったんだろう。自分にとって、ダンスは特別だけど、多くの人たちにとってそうじゃないこともよく知っているし、でもその踊りたい欲求をみんなが持っているっていうことを、信じて、ダンスを続けている気がする。

──作品の中での自身の行為、役割、意識について
意識としては自分の中で完結しないように、動きが生まれた時の感覚を忘れないように、未熟で粗い動きも肯定し整えすぎないように、その場の選択や衝動を信じ、すべて受け入れるように、と思っています。とても難しいけど。


◉フィジカル・カタルシス|作品概要
◉フィジカル・カタルシス|ステートメント
◉フィジカル・カタルシス|予約フォーム

岸田國士「温室の前」より抜粋|ステートメント

遠く過ぎ去った時代のことはわからないことばかり。

1927年1月1日に発行された中央公論の第四十二年第一号にて岸田國士が初出した「温室の前」より抜粋を上演することになった。

それらの数字でさえ、青空文庫の末尾に書かれているだけで、本当かどうかはわからない。岸田國士が本当に存在したかどうかさえ会ったことがないからわからない。

それから92ヶ年と4ヶ月と3日後の2019年5月4日にこまばアゴラ劇場にてそれを上演することになった。

地球が誕生したのはおよそ46億ヶ年前らしいし、それが初出されたのは92ヶ年と4ヶ月と3日前らしいのだけれど。

わかっている、や知っている、はなんだか信用のできない感覚な気がするのであって、わからない、や知らない、などそれが弱さだとしたらそういう弱さを弱さとしてそれでも良いのだと徹底して受容する強さを持ちたい。

遠く過ぎ去った時代の他者の言葉だとしても、戯曲があって、それを舞台にするのが演劇だというのであれば、演劇を作るのはこれがはじめてになる。

長い沈黙。

2019年4月28日(日)
小野彩加 中澤陽

◉岸田國士「温室の前」より抜粋|作品概要

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.7


坂本沙季 さかもと・さき

スペースノットブランクのお二人からメールが届いて、公演が終わってから半月が過ぎたことを知りました。舞台に関わらせていただいたその前と後で私の過ごす環境や生活に大きな変化はなく、聴く音楽も変わってないし、着る服の好みも変わっていない。気が付けば始まっていて、気が付けば終わっていました。それは私が舞台にかかわる今の理想の形で、必然とは違う、呼吸に等しい、難しくもそこにあるもの、みたいな感じ。でも、確実に時間は経過していて経験として私は持っている。なにか影響を与えていて、どこか少し変わっている。ここで関わったみなさんのことを知らなかった自分から知った自分に変化したり、生活で関わる誰かとの距離が近づいたり、離れたり。みなさんと同じ時間を何度も重ねるたびに、身の回りに起こったことからいろんな考えとか好きなもののこととか、様々な自分のことについてが出てきて、聞きながら漠然とすごいなって思っていました。

私はまだ大きすぎる海の中で、住処なんて見つからなくて、どのくらいの深さにいるのかもわからずに彷徨っています。でも、今回の影響は海の中にまで届いていきました。大きな変化はないけど、届いてはいました。そんなこと考えてしまっているのも経験不足なのかなって思ったりしてよくわからなくなる。私はこれからもたぶんずっとそんな感じなんだと思う。この文章がみなさんと並んで掲載されるときには公演が終わって一か月が過ぎているんですかね。そのときでさえ聴く音楽とか変わっていないんだろうな。


古賀友樹さんについて
舞台の上から、周り、いろいろなところに目を耳を向けられるひと。譜面ばかりを追うんじゃなくって、オーケストラの奏者、のように見えました。ジャンプ力がすごかったです。

近藤千紘さんについて
シュワシュワしてる炭酸みたいなひとでした。踊っている姿はもちろんですが、集中して立っている姿もかっこいいなと思ってみていました。

山下恵実さんについて
キュゥンっていう効果音が動くときにときどき聞こえてました。身体だけじゃなくて、あたまの中もとてもやわらかい。すごい技を、いつかみせてくださりそう。



櫻谷翔吾 さくらや・しょうご

実際これを書いている時点ではもうすぐひと月経とうとしている。今このタイミングで思うこととして、「言葉だけでは満ち足りぬ舞台」は、作品に関わった事実がものすごくクッキリとした輪郭を持って自分の中に残ってるんだなっていうこと。作品をつくる行為が、ある限定された期間特別に行われる活動としてではなく、もとある日常の中に組み込まれたこととして、他のあらゆる活動と当価値で過ぎていくものとして体験できたことは個人的にすごく新鮮で嬉しい時間だった。そのことが、輪郭の濃さにとっても関係していると思ってる。(まだひと月だけど、この感覚は来年以降にだって持ち続けていたい。)もう少し具体的にいうと、仕事の後に稽古、仕事休みに稽古、別の創作との合間に稽古があって、それが特に負担ではなく日常の一部として受け入れられたこと、さらには逆にマチネ終わりに他の作品を見に行く余裕があったり、本番中に日常が存在していたことがすごく面白かった。この経験から自分がこの先クリエーションするっていうこととどう向き合うのか、向き合っていきたいのか、創作と生活を関わりの深いものとして体の感覚を持って認識できたことは今後の自分に大きな影響になるだろうなと考えてる。終わった後の時間も、この作品に関わることで気付けたことや感覚を思い返しながら、そういう形でこの作品のことを繰り返している。普通の生活を送りながら創作活動を行なっていけるこということは素敵だと思う。


今回一般公募のおかげかいろんなバックボーンを持った人たちが集まった。そのバックボーンの違いから、例えば稽古場で「観客をもうちょっと意識しましょう」という話があった際、本番の時にはいるであろう観客を想定して意識する人がいたり、今目の前にいる共演者を観客として意識する人がいたり、そういう言葉を一つとってもその解釈の仕方がまちまちで、そういう違いがある人が集まって同じ作品を作ろうとすることが面白く素敵なことだったなと個人的に感じていた。その一方で、この違いをどこまで許容して作品をつくることができるのかを考えたりもして、あんまりバラバラだと作品として成り立たないんじゃないかって思ったり。

でもクリエーションメンバーの古賀さん近藤さんが中に入っていてくれたおかげで作品の軸がすごい安定していくように感じ、二人の存在のおかげで僕らが僕ららしくそれぞれの違いを内包したまま舞台の空間に入れたんじゃないかと思って二人の存在の強さを感じた。

演出補で入ってくれていた山下さんは、稽古を一通り見てその時の感覚やポイントを言葉にしてくれて、自分たちが今どういう状態なのかを適切に教えてくれるのがすごいありがたかった。山下さんの言葉で何度も全体を見返して、修正できるチャンスをもらったように感じてる。稽古や本番前に山下さんにリードしてもらいながらやった「ガガ」っていうエクササイズがあってとっても印象的。

ここまで書いて、なんか自分の文章が妙に外側というか、客観的なのが気になる。

うーん、、稽古場でも劇場でも、前で観客と同じ目線でずっとみんなの声や様子を聞いていたからなのか、どうなのか、わからないけど、僕も一緒にボンバーしていたメンバーです。間違いなく。

これに関わっていた時間はいまも続いてるし、これからも。ここで出会った言葉や感覚を大事にまた日常の中で創作を始めてゆきたいです。

みなさん本当にありがとうございました。



花井瑠奈 はない・るな

何かを振り返ると、何でもすぐに忘れていて悔しくなってしまう。

「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」を通過した自分と通過しなかった自分がいても、今通過した方だけ知っている。当たり前だけど、影響を受けたと思います。具体的には言えない。あんまりわからないから。すぐ忘れたとしても、あらゆるひとつずつは積もってはいます。舞台を作った日々が特別だからじゃなくて、そうでなくてもどの日々でも積もって、覚えたり消したり好いたりなどしてると思う。
各々持てるコードを最大に持ち寄った時間でした。だから自分以外のも積もって、胸がいっぱいなような気がして、重要なような気がする。気がするだけでもいいことな気がする。自分以外のは、いっそう丁寧に扱いたい気持ちになれることもよかった。

クリエーションメンバーの3人についても、何かを書こうといろいろ考えたけど、すごく難しい。個々への気持ちは心の中にあるのと、また会えたら伝えられること。なのでこんな大々的には秘密です。クリエーションメンバーの3人も、ほかの出演者も演出者も、誰についてもそう。ともかく、わたしたちの間にわたしたちを積み重ねたものがあったと思えていて、それはうれしかった。

そうこう云々でんでん振り返るうちにも、時間が過ぎている。「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」を通過した時間は、これからの時間の傘となります。なりますように。



中條玲 ちゅうじょう・れい

もう半月経つのか、という感じです。

あれだけの頻度で会っていたわけですから、半月しか経っていないといっても、少し寂しさを感じます。みんな、いま何をしてるんだろう。
もちろん数人とは連絡先を交換しました。でも、そんなに連絡を取り続ける訳じゃない。僕はそもそも、そういうのは苦手な方だし。だから、これを書きながら、すでに皆さんの書く内容が気になっていて、楽しみです。手紙みたいな感じ。

3月3日に、この作品は終わりを迎えました。というか、僕の中では終わったと思っていた。
でも、実は終わってないのかもしれないと、いま感じている。なんか、制作過程の延長みたいな気分で書いている。

とても刺激的な一か月でした。いろんなことを覚えている。でも、忘れた、厳密に言うと覚えていない、ことのほうが多い気がして、もったいない気分。いま覚えていることも、徐々に忘れちゃうのかも。舞台だから、作品自体は残ることはないけど、作った、という事実は残る。それだけでも大事にしていけたらいいな。

僕にしては、短期間で結構な枚数の写真を撮りました。稽古場だったり、全く関係ない場所だったり。いま作っているものに、組み込みたいという意思もあったし、感覚的な部分で、その過ごした濃密な時間を形に残しておきたかったのだと思う。まだ受け取りに行っていないフィルムが一本残っている。その時は、またちょっと思い出して懐かしくなるはず。

終わってからの半月の間に、僕は、なんか聞いたことあるぞ、という体験が増えました。この作品の中での台詞だったり、それこそ似ても似つかないような言葉にも懐かしさのようなものを感じる瞬間。前者はまだわかるけど、謎現象です。でも、集まって、作るっていう過程を経ているからこそ、そんなことが起こるのも当たり前なような気もします。バラバラの人たちが集まった。それで今はまたバラバラ。前よりもつながりは確実に増えている。たぶんこれからも、みなさんのことは気になり続ける。みんな、いま何をしてるんだろう。もう一生会わない人もいると思うそれはそれでいいそんなに寂しいと思わない。古賀さんの言葉は嘘じゃない気もする。

あれ、最初と逆のこと書いてる。
まあいっか。書いてる今は、こんなことを思ってる。ひどく断片的で、言語化しても消化できない、こんなこと。

クリエーションメンバーのお三方には、大変お世話になりました。

確実に何回もすれ違いました。普段は絶対にないレベルの意識で。特異点みたいなことを僕の紹介の時に書いていた気がする。そんなこと思ってたんや、って思いました。いつも面白いこと考えてる感じ。そんなつもりないのかもしれないけど、僕にとっては思いつかない面白いこと。聞き取りの時とか、言葉の力を最大限使ってる人って思ってました。すごい魅力があるなぁと。笑顔も素敵だなぁとも。内側のエネルギーがグルグルしてるように見えてました。ハチャメチャパワフル! が第一印象です。仲良くしていただいてありがたかったです。カレー食べてるときは、この世で一番おいしいもの食べてる時みたいな、すっごい笑顔で。思わずシャッターを切りました。ブレブレでしたけど。ケーキ食べてる写真はきれいに撮れてましたね。ほかには撮ってないんですけども。別の方法で、言葉の力を最大限に活用してる方やなぁと思ってました。一個しか違わんのかぁ。不思議な気分でした。なんとなく、これは希望的観測に近いですが、僕のことを新しい世界に連れてってくれる気がしてます。どういう気分かは説明できません。

お三方含め、共演者の皆さん、スペースノットブランクのお二人、奥殿さん、そのほか公演に携わってくださった方々、本当にありがとうございました。たぶん、これからも、どこかで、意思を持ってだったり、偶然だったり、会うことになると思います。その時は、またよろしくお願いします。

こういう時、長くなりがちなんですよね。では、皆さんどこかで、また。



瀧腰教寛 たきごし・たかひろ

最初から最後まで創作の現場で出会った人、皆さんといることがこんなに楽しく思えることってなかったです。
それまで経験した創作の現場は泥臭いし自分を追い詰めて追い込んで、生活と切り離してしまう傾向があったので、今回は稽古も3日間の上演も今までより、生活と地続きの感じがあって、軽やかで楽しかった。これをきっかけに軽やかにいること、軽やかに生きることを考えてみようと思います。

下北沢のことを少し知れた気がして、街を、含めて好きになってました。
一昨日もフラッと下北沢へ行ったくらい特別な体験をした今回のクリエーションの経験と思い出が僕にとっての聖域のような場所になってしまったかもしれないです。


古賀友樹さんについて
俳優として脅威的だなと、、。今回、約三ヶ月の間ご一緒する中でずっと思っていました。
対応力の早さ。柔軟さ。その場その時に確固として自分でいること。その透明感。
僕はああなりたくてもなれないので、尊敬する俳優の一人です。

近藤千紘さんについて
もう、なんというか、、、いとこ感が満載というか誰の懐にも自然に入ったり出たり。自由で。無防備に見えるくらい自分を曝け出して生きてて大胆で、めっちゃキラキラしていました。稽古場でも、遊んでるだけのように見えてしっかり一人一人見てくれてる。ギスギスしない空気をいつも作ってくれてたことに感謝!

山下恵実さんについて
笑顔がめちゃめちゃ可愛いです。
たぶん本番を見に来てくださったみなさんは、知らないと思うんですが、山下さんは笑顔が可愛いんですよ。
身体のトレーニングもしてくれて、それがめちゃ面白かったので、またいろいろ聞きたいし話したいです。
それと稽古場でのコメントが鋭いからハッとさせられて、そのたびに、あの若さにして脅威を感じています。



中島晃紀 なかしま・こうき

言葉だけでは満ち足りぬ舞台が終演して思うことはとても充実した期間だったと思います。

年齢も、性別も、育ってきた土地も全く違う人達が集まり1つの作品を作っていくという事や、その作品をブラッシュアップしてアッセンブルしている姿はまさにアベンジャーズの様な勇姿を感じていて、毎日が高揚感に溢れていました。(誰にも言ってはないですが)

また、自分自身の人間の器というものも再認識していたのかなぁと思っています。

日常で意識せずに思っていたことを頭の中を掘り返してその時の体験を思い返す事によって、自分はなんて器の小さな人間なのだろうと感じた時もありました。

なので、終演してから半月たった今、自分自身の長所と短所を受け入れ中島晃紀のバランスを保とうという事を考えるようになりました。
そういう意味でこの制作に参加させていただいた事にとても感謝しております。


それと同時にクリエーションメンバーの古賀友樹さん、近藤千紘さん、山下恵実さんにも本当に感謝しております。
古賀さん、近藤さんは稽古中から常に周りの事に気を配って頂いてどんな事にも柔軟に対応している姿。
本番中もそれは変わらず同じ板の上に立っていて絶大な安心感を僕も含め周りに与えてくださっていてとても尊敬していました。

山下さんも作品のクオリティを上げるという事をとても考えていて、毎回、全体にアドバイスをしてくださり、つぎの稽古、又は本番へのモチベーションどんどん上げて頂いて凄く頼もしい存在でした。
長々と書きましたが、総括すると去年の終わり頃から本番の3月までの期間は僕の人生にとって良い例えかわからないですが、疲れた時に口にするチョコレートの様なモノでした。
この作品に関われた事をとても誇らしく思っております。
本当に本当にありがとうございました!



長井建都 ながい・けんと

公演が終わってから何やってたかなあと考えると、就活。その一言に尽きてしまう。味気なさすぎ、って思うけど仕方ない。世間一般のイメージがどうかは知らないけど、就活は面白い部分もある。いろんな仕事があることを知る、いろんな大人に会う、就活のシステムに支配され不思議な人になっている人(俺もそうかもしれない!)を見る。意外と悪くない。

公演のことを思い出してみる。一番印象的なのはステージの上で光を浴びて奇妙に踊る瀧腰さん。カッコ良かったなあ! 他の人にはどう見えていたんだろう。あのBGMは今もちょっとしたテーマソング。周回してる時、足腰結構しんどかった。目を移すと、必死に戦う瀧腰さんが見えて燃えた。ここが、踏ん張り所だな。勝手に励まされる。

高嶋さんに、あのシーンの俺は優しい蜘蛛みたいだって言われた。劇を見に来てくれた子に、普段歩いてる時と同じ質感って言われた。中澤さんは、舞台は続きますと言っていた。
今、就活してる。虎ノ門のオフィス街。ビルが高い、息が詰まる。イヤホンからロッキー流す。蜘蛛みたいに歩く。しんどいなあ。舞台で戦う瀧腰さんを思う。ここが踏ん張り所。歩き続ける。意外と悪くないぞ。


古賀友樹さんについて
穏やかに見えるけど、多分そんなことない。俺はそんなに人間観察得意じゃないけど、古賀さんは世の中に対して「これはおかしいでしょう。」みたいなこといっぱい思ってるんじゃないかって、そんなイメージ。舞台ではそれが放出される感じ。必要とあらば躊躇なく引き金を引く人。

近藤千紘さんについて
一番はじめ、「舞台らしき舞台、されど舞台」で見た時は上品な人ってイメージだったけど、それはぶち壊されました、良くも悪くも! 千紘さんが恐れることって何なんだろう、と感じます。人間なんだから不安も抱くはずなのにあんまりそんな感じしない。爆笑しながら大砲をぶっ放す人。

山下恵実さんについて
稽古期間始まって一週間くらいは年上かと思ってました。しっかりしてるなあ、と。優しいし面倒見がいいんですけど、それとは別にちゃんとこちらを見定めている感じ。優しいスナイパー。



高嶋柚衣 たかしま・ゆい

皆さま、こんにちは、高嶋柚衣と申します。
まさかこのクリエーションボンバーを書く日が来るとは思ってもいませんでした。読むのはとても好きでした。ひとまず、私はどんな風に言葉を綴って行ってしまうのか、自分の筆を見守ってみることにします。

そういえば、選考では自己紹介をたくさんしました。色んな人の名前があって、顔があって、それぞれの人生の物語があって。
ここに集まって自己紹介をする度に、今回の共演者の皆さんと何度も出会い直すという経験をしました。
出会って別れて、稽古場も舞台上も、下北沢の街でも、たくさんの人とすれ違いながら、多くの交流が生まれてとても充実した日々でした。

公演を終えてもう半月、まだ半月なんですね。もっと経っていると思ってました。気持ち的には去年の出来事、のような感じです。
真面目な話しちゃうと、今回私は自分のことで精一杯になってしまって、この作品に対して、メンバーに対して、もっと色んな関わり方があっただろうし、言葉のことも身体のことも、沢山の可能性を潰してしまったのではないかと思ったりもしてます。本当にたくさんの人に助けられて何とか舞台の上にいましたもので。
千秋楽の日の日記に「点と点、通過点。ここで誰かと出会ってすれ違って別れたことは真実。ここで終わらないし、この経験が次どんなことに繋がって行くのか長い目で見届けてください」と自分に向けて書き残してあるんです。
でも半月経っても、まだまだ見えないし、わからないことが多すぎる、まだ、作品の延長線上にいる、そんな感じなんです。それがいいとか悪いとかじゃなくて。
急いで答えや正解を出すものでもないと思う、わからないことはわからないと言っていいのだから、私はこれからも、その時の仲間と一緒に探していきたいです。なんて今は考えています。


古賀友樹さんについて
千紘さんも言ってたけど色気が凄いです。初めは生まれたての赤ちゃんのような、やわらかい無垢な印象が勝手にあったのですが、至近距離ですれ違う時どきっとします。チャーミングだし、同時にかっこよくて憧れます。

近藤千紘さんについて
個人的にはスーパーヒーローです。千紘さんそのもの、その存在が、私にとってスーパーヒーローという事です。稽古場で千紘さんが何気なく放った言葉に実はとても感化されてしまいました。これまたかっこよい人で、舞台上ですれ違う時こわいくらいです。目がスッとしてます。

山下恵実さんについて
とても客観的に物事全体を見ることができて、純粋に頭の良さも憧れてしまうし、舞台稽古に入ってから、山下さんのやわらかい声、言葉にたくさんホッとして救われました。身体めちゃくちゃ凄いんです、動きのことを教えてほしいです。



岡澤由佳 おかざわ・ゆか

コード・コード・コードの期間は本番も含め、おおきな通過点だったなあと今は思います。

確か、終盤ごろの稽古の帰り道。花井さんと二人で歩いていたんですが、中島さんの声がして。その声の主は全然中島さんじゃなくて知らない人だったんですが、あまりにも似ていたので二人でぷち盛り上がりしました。

公演が終わって、3月末上演の別の稽古に行くようになって、コードの稽古には行かなくなって、という日が続きました。その中のふとしたところでコードのかけらに触れるような気がします。そして、その方向へ頭が持ってかれてしばらく思いにふける。中島さん(みたいな感じ)の声に出会って、盛り上がったような感じに近いななんて思います。

でも、大事なのはしばらくなんです。ずっと思いにふけっているわけにはいかないし、どうしたって時間は流れていきます。それでも不思議といやな感じはしないです、時間が流れていくこと。ときたまふと思うくらいにはおおきな存在として残っています、身にしみこんでいます。だから今は通り過ぎて、たまの偶然でふと出会えればそれでいいかな、それがいいかもと思っています。


古賀友樹さんについて
わたしのノートに興味をもって話しかけてくれたの覚えています。稽古で思ったこととか観た劇の感想とか演劇に関することを気の向くまま書いているノートです。たぶんその話になったのは1月ごろだったんですが、年はじめから使い始めたそのノートがすでに3分の1ほど埋まってて、一年もたないねーみたいな。とりとめないけど、うれしかったからきっと覚えてるんだと思います。

近藤千紘さんについて
わたしを「のんちゃん」と認識しているらしいんですが、直接そう呼ばれたことはないかも。呼んでもらいたいなーなんて思ってます、すぐに振り向けるか自信がないけれど。エネルギッシュでいつも笑ってるイメージ。千紘さんみたいな孫がいたら楽しいだろうなと今ふと思いました。

山下恵実さんについて
物腰がやわらかくって、それでいて芯が通ったしなやかな女性っていう感じを受けます。そんな大人な感じとは裏腹に、身体を動かしているときとっても楽しそうで身体と遊んでいる感じ。山下さんとは同い年なんですが、それがなんだかうれしいなと思っています。もっともっと演劇の話もとりとめのない話もしてみたいなと思うひと。


そうそう、伝えそびれていましたが、クリエーションメンバーの3人が書くクリエーションボンバーを読むとそれぞれの考えていること、感じていることに触れることができるような感覚でした。そんな体温を持った文章たちを眺めるのをいつも楽しみにしてました。素敵な文章をありがとうございます。



程島けい子 ほどしま・けいこ

お礼

斬新な演出や明快な理論に支えられた舞台にご一緒に、貴重な経験をさせていただきました。
指導の言葉をメモしながら、はっとしたり、今まで疑問に思った事が、少し光明がみえたり、何より若い方の真剣さに昔と未來に希望をもちました。いつも何かに熱中できるのは、本当に素敵です。
貴重な経験をさせて頂きました。

皆さんとの時間が私の宝です。たくさんのご配慮とお心遣い有り難うございます☺

舞台の調和やリズム感を壊さず、できたかは分かりません。が、私は心から舞台を楽しませて貰いました。
深く感謝いたします。

これからのご活躍とご発展を祈念してます。有り難うございました。

追伸

何よりも、皆様に出逢えたこと、感動を共有しあえ、今 この場所で同じ空気を吸い、この瞬間を活かせて貰い、生きてる実感を頂き、嬉しかったです。濃厚な時間に感謝です。
これまで生きてきて、良かった。
感謝をこめて。



齊藤玲子 さいとう・れいこ

本当にこの公演に出てた? と自分でも疑問に思い実感がないくらい遠い過去の出来事のように感じています。でもまだ今も公演を控えて毎日お稽古をしているような気分になる時もあります。そう感じてしまうのは、最初のセリフが飛んで頭の中が真っ白になって固まってしまったり、出るタイミングが遅くて焦って小走りしていたり、お稽古の休憩時間に出演者のみんなと他愛もないおしゃべりをしてゲラゲラ笑ったりしている夢を今も時々見るからかもしれません。完全にロス症状です(笑)私にとって公演に関わること自体が初めての経験でした。ワークショップから始まった公演本番までの約3ヶ月は体と頭とメンタルに刺激的な本当に楽しい毎日だったので、終わったことをまだ充分に消化しきれていないのかもしれません。でも確実に時間は流れています。これを機に私も公演の余韻を楽しみつつ、いつもの生活に新しい何かを求めて歩き始めたいと思っているところです。

共演者のみんなは一人ひとり穏やかな人間性の中に自分だけの確固たる道を持っていて精神的に自立している方ばかりだと感じました。私の人生は順風満帆ではなかったけれど若い頃に戻りたいと思ったことは今まで一度もなかったのですが、今回みんなと一緒にいたら若い頃に戻って試してみたいなと思うことが色々出てきて自分でもビックリしました。本当にみんなといると気付かされることがたくさんあって、みんなのことが大好きになって、いつでもすぐに会いたいと思ってしまいます。みんなの声を聞きたくなります。すっかりみんなのファンです。そういう訳で、これからはみんなの活躍を応援するのを楽しみにしています。貴重な機会とたくさんの出会いに本当に感謝しています。今回大好きになった挨拶です。「また会いましょう!」


古賀友樹さんについて
多種多様な面を感じる方。初めて会った時と次に会った時のイメージが違う。毎回違う。また今度会った時も違う感じを受けると既に思っています。また違う顔が見たい、役者さんというのはこういう人のことだと実感しました。できないことはある? もしあるとしても古賀くんにとっては関係ないことなのかなと勝手に解釈しています。舞台上で合った瞳が印象的。カードゲーム、楽しかった。木刀を丁寧に委ねられる時間、癒されました。古賀くん、ありがとうございました。

近藤千紘さんについて
いつも太陽のような方。屈託のない少女のような笑顔。元気印。でもふとした時に感じる大人の佇まいにドキっとした。自分が立つ場所立ちたい場所、自分が居る場所居たい場所、自分が帰る場所帰りたい場所のある人の強み。人との距離感が絶妙なんだろうなぁ。近くにいても遠くにいても同じぬくもりを感じる。私も可愛いおばあちゃんになりたいと思うようになった。目標ができたよ。千紘さん、ありがとうございました。

山下恵美さんについて
穏やかな微笑みの中にどっしりとした動かない何かを持っている方。年齢よりも精神的に絶対的に大人。でもきっと身体と同じようにかなり柔軟な動きも持ち合わせている。何処へでも行って自分の世界を作って形を残して、また違う場所で自分の世界を作る。残す。行く。作る。残す。誰かを通して作る方法を色々知っていて、それが的確。多くを語らない一言ひとことにたくさんのことを教えられました。恵美さん、ありがとうございました。



片岡真優 かたおか・まゆ

中学生のころにはじめて、発話することにちょっとだけ絶望しました。

夕飯の食卓でした。
父が運転マナーの悪い車に遭遇した話をしていました。
父は怒っているように見えました。
父の話が一区切りついたので「その人にはきっとすごい緊急の事情があって考える余裕がなかったんだよ」と返事をしました。
すると父から「マリア様だね」という言葉が返ってきました。
なんか、そうじゃないな、と思いましたが、とくに返す言葉も思い当たりませんでした。
このときの感覚ははっきりと覚えていて、それから何度か蘇る瞬間があります。

「その人にはきっと事情がある」という返事には、その発言の内容を伝えたい意思ふくめ、状況に対してどう反応するかというところに判断の要因があったんじゃないかと思います。

発言にいたる思考の構成要素を分析してみます。
相手を許してやる理由を提案して怒っている父をイライラから解放してあげたい気持ち60パーセント。
それから、“事情がある”可能性もないことはないと思っていたから発言の10パーセントくらいは本心。
楽しい食事中にイライラしている態度をとった父に対してのわずかな反抗から、想像力はたらかせてないお父さんに悪いところあるんじゃないの? といじわるしたい気持ち10パーセント。
たぶんそのほかにもそのとき視界に入っていたものとか前の会話との繋がりとか、わずかな構成要素があったと思う。それらを統合して、とっさに「その人にはきっとすごい緊急の事情があって考える余裕がなかったんだよ」と発言する、という選択をとったのだと今は理解します。
それに対して父から「マリア様だね」という言葉が返ってきました。
この返事はわたしの発言のわずか10パーセントを占める「本当にきっと事情がある」という思考に対してのみの返答であり、残り90パーセントの思考を無視されている訳です。
だからわたしはその返事に対して「なんか、そうじゃないな、」みたいな納得いかない感情を抱くことになりました。この感情は字面に反してすごく恐怖寄りなものです。困惑です。

歳を重ねるにつれ、自分や他人の発言には嘘があるんじゃないか、発言が本心とは乖離してるんじゃないかと、その可能性に怯えることが増えました。発話に絶望することがたびたびあります。発話は不完全なコミュニケーションだからだと思います。
言葉は不完全。でも、不完全ということは創造の余地があるということです。言葉と言葉の間にできた隙間には無数に思考を詰め込めると思います。そこに希望を感じるようになりました。言葉だけでは不完全であると気づいていれば。


制作期間中、瀧腰教寛と中島晃紀の誕生日を祝った日。古賀友樹は横で眠っている。中條玲によって撮影。


◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.1
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.2
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.4
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.5
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.6

クリエーションメンバー| 坂本沙季 櫻谷翔吾 花井瑠奈 中條玲 瀧腰教寛 中島晃紀
長井建都 高嶋柚衣 岡澤由佳 程島けい子 齊藤玲子 片岡真優
写真| 三野新

フィジカル・カタルシス|ステートメント

それは多様な選択ができるものとする。
それは躰の内在と外在から構築される。
それは作家のためだけのものではない。

2019年3月25日(月)
小野彩加 中澤陽

◉フィジカル・カタルシス|作品概要

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.6

古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「共有するビヘイビア」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


この文章を読んでいるということは、僕はもうこの舞台を終えたということでしょう。いま僕はこの文章を舞台の上で書いています。観客に背中を向けてこっそり書いています。ペンを取り出してか、iPhoneを取り出してか、どちらなのかは秘密です。そもそも嘘かもしれません。


僕は「舞台が過ぎていったなあ」と感じることが多くて、食道を食べ物が通過していく感覚と近しいかもしれません。過ぎるというのは、決して悪い意味ではない。食べ物だったら自分の血となり肉となる。舞台の場合どうなるか。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」は過ぎるべくして過ぎていきました。多くの人が舞台の上を行き交い、言葉を交わし、離れていく。距離はどんどん離れていく。そして忘れる。無くなるわけではありません。認識の問題でしょう。


話を少し戻し、今回はプロ・アマ問わずの公募で、最終的には12名が企画に参加、そこにプラスツー(クリエーションメンバーである古賀友樹と近藤千紘)、計14名が出演しました。常套句を言うならば、この14人でしか出来ないことをやりました。一人でも欠けたり足したりすれば、この作品のバランスは全く違うものになっていると思います。15人だったら15人なりの。100人だったら100人なりの作品は作れないことはないんでしょうけど、ちょっと今は想像つかないですね。あれ、どうやって上演するんだろう。いや、もしかしてこれは14人でないとダメなのかな。100人がダメはわかる。50人はダメで49人はギリギリ大丈夫。49人じゃないかもしれないけど、そのギリギリ大丈夫のラインって一体なんなんだ。たったひとりの差なのに。もう終えてしまっている立場だからかもしれないけど、ただの水増しになる気がしてならない。あーじゃあいいです、14人でしか上演出来ません。今書いた内容は全部忘れてください。各々鉛筆で上の何行か塗り潰しといてください。おっと、何故鉛筆というワードが出てきたんでしょうね。危ないところでした。


この文章こそ水増しが如く、内容がないような気もしますが、それだけスペシャルな14人の舞台にしたかったし、そうだったと胸を張りたいのです。ダジャレを言ったと思ってるでしょう。思ってるでしょう。ラスト15分、あなたは必ず騙される。意味はない。また会いましょう。


近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


今は3月4日の0時10分です。布団でひとり横になっています。思い出します。今回の舞台。


生きていていろいろと選択しなきゃいけないことって多いじゃないですか、自販機レベルでもそうなんだけど、今回はその選択肢でたまたま選んでいってたら重なったから舞台したみたいな。全員が。
で、また普通に出発していくみたいな。全員が。


始まりと終わりがあったわけじゃなくて、通過点のような感じだなあと思っています。
だから来てくださったお客様もそういう感じでたまたま重なってて、だから3ステージ全然違う印象。でもどの回が一番よかったとかはなくて、どの回も皆さんがいてくれたから良くなった。
舞台を作っていて完成するっていう感覚はまだ味わったことがないけど、今回の舞台は毎ステージどこか到達出来ていた気がします。技術とかそういうんじゃなくて。
思い出せばたくさん感じたことってあるんだけど、言葉にしようとすると難しいですね。


あ、あと今回全員楽屋一緒で、席もみんなテキトーに決めてもらって、というかふわっと決まってて、待機中喋ってる人は喋ってたんですけど、みんなの話を聞いてると意外と知らなかったこととかがそこで見えてきて、この言葉(台詞)が出て来たのはこういう理由があったからなのか! って発見がいっぱいありました。詳しくは書けないんですけど。
電車で同じ車両に乗っている人たちがまた次もまるっきり同じ車両に乗ってるっていう確率って少ないじゃないですか! だから今後、街を歩いていて偶然周りが今回のメンバーで固められてる! みたいなことは絶対起きない。と思う。そんな奇妙なことが起きてしまったら過去のことでもこの舞台は別物になってしまうのかもしれない。
何が言いたいんだろうか…わからなくなってきたけど、偶然ってすごいこと、出会うってすごいことだって改めて思ったってことですね。


そして、なにより今回集まってくださった皆さんには、今後も健康で幸せであってほしいと思うってことです。
ありがとうございました! またね!


山下恵実 やました・めぐみ
1998年7月9日生まれ。演出家。〈ひとごと。〉主宰。
高校卒業後すぐに、こまばアゴラ演劇学校〈無隣館〉三期演出部に所属。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして演出補を務める。


ありがとうございました。


今日は雨も降っていて、どんよりしたマンデーですが、心の中はたくさんのラブで満杯です。この気持ちはたくさんの方々お陰だと思っています。この作品にともに関わって下さった皆さま、観に来てくださった皆さま、そしてこの文章たちを読んでくださってる方も、皆さまへ、スパシーバ。


2018年9月のWSから、それはそれはもうすごい数の秒が過ぎていって、たくさんの出会いがあって、もう思い出せないことも沢山あります。そういう思い出せない時間も全部含めて、ラブな気持ちです。


この企画が始動し始めて、稽古が始まって、本番を終えて、その時の中で何か変わったのかなー、変わってたらいいなと思うし、変わったんじゃないかとも思います。だってあらゆることが起こって、色んなものを見て、何も変わってることがなかったら、もったいない。私はどんどん変わっていきたいタイプ、アップデート、バージョンアップ、パワーアップしたい。でも何が変わったのかなんて誰も気づいてくれないかも。自分自身だって気づかないかもしれないですね。
それでも確かに少しずつ変化していくはずなので、同じ上演が繰り返されることは、二度とない。上演期間だった3月1日から3月3日の3日間だって毎日新しい作品を上演してた気持ちでいます。


だから、あらゆる偶然と奇跡が積み重なって「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」は上演されていた、って言うとちょっと素敵な感じがしますね。当たり前のことを言っただけなんですけど、当たり前なことなんてなにもないのでたぶん。あらゆる偶然、必然、運命に感謝します。
いろんな気持ちを言葉にしようと思うと難しくて脳みそがガチガチになってしまうのでこのへんで。


本日はたいへんお忙しい中、大切なお時間と、指と頭と目と身体中の筋肉を使ってこの文章を読んで下さりありがとうございました。愛をこめて。


◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.1
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.2
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.4
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.5
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.7

クリエーションメンバー|古賀友樹 近藤千紘 山下恵実

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.5

古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「共有するビヘイビア」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


今は2月の26日の13時を過ぎた頃。舞台上では黒ずくめの集団、もといスタッフさん達が照明をつくっている。なんだか凄そうだ。


12月からゆるやかに始まり、もうすぐ3月になろうとしています。我々出演者の仲は良好であると思う。仲の良さなんてどうでもいい? 馬鹿野郎? そこまで言う必要ないでしょ! まったくもう。そりゃどうでもいいんだけど、その感じが絶妙にちょうどいいんですよ。熱すぎず、ぬるすぎず。一致団結の言葉は似合わない。一人一人が真摯に向き合ってくれている、なんでしょう、グルーヴ感。グルーヴィー。あくまで印象ですが。
今回は一般参加の企画ですけども、その中身、創作スタイルと言いますか、普段のスペースノットブランクそのものなんです。まんまです。まんま。もちろん普段よりも無理難題をふっかけられる(ex. 空中に浮いてみて)回数は少なめですけども。


みんな、ちょうどいいバランスを保って適応してくれました。自分を捨てずに、無理はせず、挑戦をし続けてくれている。稽古が終われば、三々五々に帰っていく。グルーヴィー。ご飯とかみんなで食べに行ったりしてないのかな。一回くらいそういう会を僕から提案してみても良かったかもしれないですね。まあ、いいや。


コード・コード・コードを経て、みんながどうなっていくのか非常に興味があります。この経験を活かして頑張ってね、みたいな何かを与えたなんていう気持ちは毛頭ありません。予め用意された枠組みを疑うことは大事なことですから。演劇をやってようとなかろうと、本当に大事なことですから。元々みんなが持ってた自尊心とか相手を思いやる心(この思いやるというのは単に優しくするという意味ではないことに注意してほしい!)とか、そういうものを再認識するリハビリみたいなもんですね。僕らのやってることはリハビリ。北沢タウンホールでリハビリの成果を見せるとか言ったらさすがに怒られちゃうな。でもみんないつの間にか忘れちゃってる。なんでですか。擦れて均一化されてしまったのですか。僕もそうだな。気をつけないと。


そういうわけで、北沢タウンホールで僕らのリハビリの成果が見れます。やってることはバチバチでかっこいいので安心してください。下北沢でキラキラ輝く。


2019年2月26日の通しより|キラキラ輝く古賀友樹。


近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


一目惚れした彼の顔ももう思い出せないくらい時間が経ちました。徳島で切った髪ももう肩にちゃんとつくくらいの長さに伸びました。いちご大福の餡を求肥で包む工程を経験して和菓子作りに満足してしまうくらいになりました。「はじめまして」で、名前と顔が一致しない出演者のみなさんから一人一人の印象を書けるまで距離が縮まりました。


この企画のお話を受けてから10ヶ月経ちました。


季節が一周して、わたしの周りの環境も、出来ることも出来ないことも変わりました。


9月のWSから今に続いていることを感じながら、ついに本番の月に進みます。


出会ってしまったから、生まれてしまった言葉の数々が私たちを舞台に立たせています。
下北沢でたくさんの人とすれ違いながら劇場に向かう今も、人生の鍵になる出来事が実は起きている。行きたかったミスドが空いていなかったことも、カレー屋さんが大行列なことも、実は何かに影響を与えているかもしれない。


この舞台を観てくださった方の日常に、新しい感情や、気がついていなかったことに気が付き始めるきっかけが増えますように。自分をいつもと違う角度で見えていけますように。観ただけで終わらない作品になっています。こちらは覚悟を持って立ちますので、お客様は少しのお金を持って観に来てください。チケット代もグットプライス。劇場も下北沢もいいところです。観た後のテンションで、いつもは選ばないような古着を選んで春を楽しむのもいいかもしれません。春は出会いと別れの季節と言いますが、実際は毎日出会いと別れを繰り返しているんですよね。3月の1日、2日、3日しか出会えません、この舞台。是非、少しだけ頑張ってでもお越しください。心よりお待ちしております。どんな方々に出会えるのかとっても楽しみです。もう思い出せない一目惚れの彼も来てくれるかな。来てくれてももう結婚はしないかな。そういう話じゃないのよね、今は。


2019年2月26日の通しより|笑う近藤千紘。


山下恵実 やました・めぐみ
1998年7月9日生まれ。演出家。〈ひとごと。〉主宰。
高校卒業後すぐに、こまばアゴラ演劇学校〈無隣館〉三期演出部に所属。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして演出補を務める。


眉間にピップエレキバンを貼ってから寝るとえらく目覚めがいいっていうことに最近気がついて、毎日眉間と、顔の筋肉という筋肉にピップエレキバンを貼って寝ています。

その事はここに書くまで私しか知らなかったことで、私とすれ違っても会話をしたとしても、夜中、私が顔中に磁石を貼り付けていることなんて誰も想像すらしないでしょう。

そういうことは世界に溢れていて、稽古場でオオゼキのお寿司のお弁当がプチブームになっていたことも、うどんが好きだと言った彼が最近、そばの方が好きかもと気持ちが揺らいでいることも、伝えなければ誰も知らないし、知らなくても別に、いい。でも知ったらちょっと嬉しくなったりすることもある、きっと。


この企画名の、コード・コード・コードのコードっていうのは、「遺伝」とか「記号」とかっていう意味らしいです。あんまり意味とか深く考えてなかったけど、なるほどと思いました。


12月のワークショップから始まり、3ヶ月かけて少しずつ、出演者のみなさんとコードを共有してきました。出会ったひとのこととか、出会ってない誰かのこととか、自分のこととか。本当に沢山の共有を辿ってきました。それこそ冒頭に書いたような表面には現れてこない、誰も想像すらしない内側のことも。

で、それで、それぞれの言葉も、身体も、思考も、ひとりひとりの多種多様な歴史とか、選択、経験から導き出されたコードだなと思って、だからなるほどと感じたわけです。

3月1日から3月3日、北沢タウンホールに来て頂けたら、私たちと、みなさんと、下北沢のコードを、きっとちょっと共有できるんじゃないかなあと思います。何かを押しつけたりとかはしないはずです。舞台を通してなにが出来るのか、謙虚な姿勢で虎視眈々とつくっております。


みなさまの貴重な時間とお金を使って下さってありがとうございます、ってな感じの低姿勢で、でもやる気と覚悟に満ちた心持ちでお待ちしています。


2019年2月26日の通しより|誰かが落としたローソンのレシート。


◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.1
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.2
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.4
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.6
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.7

クリエーションメンバー|古賀友樹 近藤千紘 山下恵実

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.4

近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。

山下恵実 やました・めぐみ
1998年7月9日生まれ。演出家。〈ひとごと。〉主宰。
高校卒業後すぐに、こまばアゴラ演劇学校〈無隣館〉三期演出部に所属。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして演出補を務める。

古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「共有するビヘイビア」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。



Loop #1|岡澤由佳 おかざわ・ゆか
近藤千紘|わたしののんちゃん。なぜかのんちゃんって感じがしてる。見た目はふんわり系だけど話すとしっかりしてて鋭さもある。ギャップがいい。
山下恵実|物腰柔らかで、優しい微笑みが絶えないひと。合唱しているところと怒っているところをいつか見てみたい。
古賀友樹|芯が通っている。優しい目と優しい顔つきをしてるけど、実は黒幕は私でした~がよく似合う。言い争いになったら相手を打ち負かしそうな予感がする。占い好き。

Loop #2|片岡真優 かたおか・まゆ
近藤千紘|オーラがある。「美しい」っていう言葉が似合う。センスも凄いある。わたしも片岡さんの作品出てみたい!
山下恵実|慎重に、言葉を選んで話すところが素敵だなと思う。空気をガラッと変えられる力を持っているひと。
古賀友樹|笑顔がとっても素敵。とっても存在感があり、存在感がない僕からしたらとっても羨ましい限り。人を惹きつける能力者です。

Loop #3|古賀友樹 こが・ゆうき
近藤千紘|同い年。色気がある。古賀くんが何かをやっていると見入ってしまう。遠くに行ってしまわないでって思うけど、才能がありすぎるから仕方ない。
山下恵実|アトラクティブ。気づいたら惹きつけられてる。おちゃめさと真摯さと対応力と、、色々なものを持ち合わせていて憧れる。
古賀友樹|優柔不断。あまのじゃくで人が右と言ったら左に行きたくなる性質あり。やると決めたら全力で取り組むところは良いところ。そこは褒めてあげたい。

Loop #4|近藤千紘 こんどう・ちひろ
近藤千紘|雲丹が好きな人。上から目線っぽくここに書いてしまっていてなんだかソワソワしてる人。勘違いさせたらどうしようと思ってる人。
山下恵実|パワフルでラブリーで、でもストイックさも持ってる。場をパッと明るくしてくれるチャーミングなひと。
古賀友樹|未知の生命体。スーパーマンみたいな人です。僕の引き出しにはないものばかりを取り揃えた四次元ポケットモンスター。40代になってもきっと変わらない。でもこれは変わらないでほしいの願望込み込みプラン。

Loop #5|齊藤玲子 さいとう・れいこ
近藤千紘|ずっと若々しく美しいってすごい! いろんなことをいつでも楽しんでやっている齊藤さんはわたしの憧れ! こういう女性になりたい!
山下恵実|日々を楽しむ技術を持ってて、それって凄いことだなって思う。慈愛に満ちた笑顔がとても素敵。
古賀友樹|立ち姿が美しくてかっこいい。齊藤さんには晴れの日がよく似合う。着物レンタルじゃなくて。きっと着物も似合うと思う。これはネタバレですが、今回は残念ながら女スパイ役ではありません。いつか女スパイの役をやってほしい。

Loop #6|坂本沙季 さかもと・さき
近藤千紘|可愛い。ときどきギャルっぽさがあるのもまた良い。稽古場でどんどん変わっていく姿を見て凄いなあと思う。
山下恵実|素敵な存在感があって、頑張っている姿を応援したくなる。赤い服とかも似合いそうだなって勝手に思っている。
古賀友樹|負けず嫌いなんだろうと思う。いや、自分が設定する目標が高いのか? 一つのことに打ち込んでいる彼女のキラキラの姿を見ると、そうはなれなかった自分の高校時代を思い出す。

Loop #7|櫻谷翔吾 さくらや・しょうご
近藤千紘|特殊な能力を持っていると思う。隠されてる何かがまだまだいっぱいありそう。真剣に作品と向き合っていてくださる。
山下恵実|不思議な空気を身にまとっている。力を抜いてその場に存在できるのが本当にすごい。落ち着く声をしている。
古賀友樹|センスが溢れています。でもドバドバ出してはいなくて、気持ちのいい、ついからだを揺らしたくなるような感じ。コントとかやったら絶対上手いんだろうなあ。

Loop #8|高嶋柚衣 たかしま・ゆい
近藤千紘|役者だ!!! と観ていて気持ちの良い鳥肌が立つ。安心感が凄い。厳しく優しく誰でも仲良くできるって感じがある。
山下恵実|優しさに満ちていながら、強い芯も持ってて、キュート。踊っているところも素敵だってことを色んなひとに知ってもらいたい。
古賀友樹|実際のところはわからないけど、高嶋さんは演劇が好きなんだろうと思う。演じている姿に説得力があって惚れ惚れする。ヘンテコなものも好きなんだろうとも思う。最高!


Loop #9|瀧腰教寛 たきごし・たかひろ
近藤千紘|石川県の人。いてくれるだけでワクワクドキドキする。毎回、新鮮に瀧腰さんのこと見れる。それが楽しい。
山下恵実|いつも全力。稽古も、普段話してるときも、常に真剣勝負って感じがして、それがすごく魅力的だと思う。
古賀友樹|かっこいい、漢の中の漢です。普段は気さくで優しい人だけど、内から湧き出てくるものはギラギラの鋭利な刃物ばりのシロモノだ! 痺れちまうぜ。

Loop #10|中條玲 ちゅうじょう・れい
近藤千紘|ミステリアス。冷静に爆笑できるみたいな感じで、振り幅がすごい人だなあと思ってる。これからどんな風になっていくんだろう。気になる。
山下恵実|飄々としてるけど、周りで起きていることをしっかりみて考えていて、すごいなあと思う。アンファンテリブル。
古賀友樹|今回の舞台がなければ一生交わることはなかった、僕にとって特異点みたいな存在。いや全然そんなことはなくて、友達にもなりたいし、とてもいい人なんですけど。何回も舞台ですれ違う度に、なんとなくそういうことを考えてます。

Loop #11|長井建都 ながい・けんと
近藤千紘|うどんが好き。裏切らないところがとても良いなあと。丁寧に生きてると思う。ほんと素敵。かわいい。
山下恵実|難しくても挑戦しようとする真摯さにグッとくる。普段から一生懸命に生きてる感じがする。
古賀友樹|これから必ず大物になるのがこの長井建都という男です。直感で申し訳ないですが、文字通り大成するであろうと言い切れます。隙が多すぎて隙がないんですよ。これ意味わかりますか? わかってほしい。

Loop #12|中島晃紀 なかしま・こうき
近藤千紘|心が美しい人。最高に面白い。面白くしようとしてないだろうけど面白い。瞳の色が綺麗。存在感が良い。
山下恵実|好きなものは好き、嫌いなものは嫌いってハッキリ言える強さに憧れる。気遣いに満ちたピュアで熱いひと。
古賀友樹|兄にしたい男性ランキングダントツの第一位。同い年らしい。でも兄にしたい。社会への反骨精神の具現化であり、象徴でもある。

Loop #13|花井瑠奈 はない・るな
近藤千紘|出会ったときは透明感がすごくて爽やかな女性だなあと思ったけど、今は逆に、すごく頭の回転も早くて、強くて、火が吹けそうなパワフルビューティーウーマンだと思っている!
山下恵実|華奢な身体のなかに、ものすごいパワーが満ちていて、そのエネルギーにいつも圧倒される。かっこよくもあり可憐でもある魅力に溢れたひと。
古賀友樹|この人は好奇心の具現化。権化。楽しいやつだ! と気づいてからのスピードがとてつもなく速い。なるほど野性的な一面があるのですね。

Loop #14|程島けい子 ほどしま・けいこ
近藤千紘|魂からの動きと言葉を出せる。いつでも新しい何かを吸収して発信してくださるから、わたしも頑張ろうと思える。ありがとうございます。
山下恵実|いろいろなことを感じ取る心の器がとても大きくて、心を開いて生きる美しさを感じさせてくれる。言葉にも身体にも壮大なエネルギーが満ちている。
古賀友樹|いつも謙虚で、歳下の僕らにも丁寧に接してくれるけど、中身はめちゃくちゃホットでクール。物怖じせずに作品をつくる姿勢に僕はやられてしまいました。

Loop #15|山下恵実 やました・めぐみ
近藤千紘|身体への探究心がすごい。そして、この場で起きていることをスッと自分に入れるのが上手いなあと思う。地球を自分のものにできそう。
山下恵実|ストレッチをよくしているひと。みんな魅力的で、その素敵さを上手く言葉に出来ずもどかしく感じているひと。
古賀友樹|思ったことを自分の言葉にして話すのが上手いなと毎日思っています。お姉さんっぽいと思ってたら、意外や意外、キュートでチャーミングなんですわね。

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.1
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.2
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.5
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.6
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.7

クリエーションメンバー|近藤千紘 山下恵実 古賀友樹

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3

近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。

古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「共有するビヘイビア」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。

山下恵実 やました・めぐみ
1998年7月9日生まれ。演出家。〈ひとごと。〉主宰。
高校卒業後すぐに、こまばアゴラ演劇学校〈無隣館〉三期演出部に所属。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして演出補を務める。


Loop #1

近藤千紘
本格的な稽古の前に2日間ワークショップをした。
みんなには久しぶりに会えて嬉しかったし、古賀くんがパーマあててたし、わたしは髪の毛を切っていた。途中で聞いたお海苔の専門店の話を聞いて絶対合羽橋行くぞと思った。そしてその4日後くらいに本当に行って海苔買った。
とにかく今は新しい何かに出会いたくて、みんなの話を聞くといろんなことをしたくなるし、真似もしたくなる。今は和菓子作りしたい。教えて欲しい。

古賀友樹
ここにクックパッドの和菓子特集のURLを一旦載せたのだが、消した。書いて消したという事実だけが残った。嘘かもしれない。
クリエーションはお互いがお互いに作用し合う。作品はその集合知と言うべきか。誰かが和菓子の話をしたらいつのまに頭の中は和菓子になって、和菓子がクリエーションに紛れ込み、作品は和菓子に侵食されるであろう。でも和菓子舞台っていいかもしれないですね。いやなにおいとかしなさそう。ただ、粉っぽい感じはしますよね。「わかる〜」。

山下恵実
私は弾力がすごそうだなって思いました。和菓子演劇。
で、こういうことが稽古場でも起こっていて、粉っぽいって思う人もいれば、もちみたいなのをイメージする人もいる、みたいな。昨日の稽古で対立する意見が出た時の展開はちょっとアツかったな。
あと、中学生の頃のこととか思い出したりしてます。稽古みながら。それで、舞台上で起きてることが色んな人のこれまでとか、思考とかの断片とコネクトして、すごい大きい世界まで飛んでいったらいいなとかちょっと思いました。大きい世界ってなんか宇宙を想像しちゃう。短絡的?


下北沢にて|五右衛門も、植木にまでは、手をださず。


Loop #2

近藤千紘
宇宙で思い出したんだけど、1月のワークショップで1時間だけ各々自由に外に出て、いろんなものと出会って、写真を撮って戻ってくるみたいなことをやって、そのときに「宇宙に行って戻ってきて写真は地球を撮りました」みたいな人がいたらいいのにって思ったことを思い出した。わたしからしたらみんな変わってるし、気持ちが全く一緒人間っていないから、そういう人たちの話を聞くと全て新鮮だし、でもわたし難しい言葉とかわからないから時々「?」ってなってわたしがどこかへ飛んで行くときある。ギャラクシー羊羹作ろうって思う。

古賀友樹
確かに宇宙に行ってきました、って言ってくれたら嬉しいですね。本当かどうかはさておいて、こちらは勝手に楽しい気分になるから良いと思います。でも10人いて、10人が10人とも宇宙に行ってきました、と言ってきたら僕はその人達を受け入れられないかもしれない。それぞれが自由意思で判断したのであれば間違いはないのだけど、とても大きな何かを嫌でも意識してしまう。
同じ行動であったとしても、意識してやるか無意識でやるかで強度は違ってくる。うまくはまとまらないのだけど、自分という存在は、自分の要素と他人の要素を混ぜ合わせた何かだっていうことです。自分は喋ってるのか、相手に喋らせられているのか、みたいなよくあるやつです。

山下恵実
自分で喋るよりも、喋らされてる方が楽だし、考えるより流される方が楽だし、Netflixみるより眠る方が楽。
でも楽と楽しいは、漢字同じだけど結構違うって思うし、そう信じたい。10人みんなが宇宙に行ったらって話読んでそう思った。
最近のリハーサルも、からだとか、言葉とか、意識とか、いろいろ考えなきゃいけなくて、大変そう。たぶん、私はうまくできないと思う。でも見てて楽しいし、体が動き出したいって言ってる時とかあるし、やってみたらいろんな発見がありそう。
こんなこと言っておきながら毎朝起きれない、ごめん、もうちょっとって二度寝してる。眠るのは楽しくはないけど、楽だし、幸せ。


下北沢にて|白いチェーンに縛られた黄色いポール。


Loop #3

近藤千紘
わたしも寝たい。昨日、二度寝して1時間45分の遅刻をした。それはあかん。
悩んでることがあっても寝たら忘れるというか寝たらどうでもよくなるみたいなことある。そういうののためにも寝てる。だから昨日の二度寝の失敗は寝て忘れた。でもセリフとかは寝て覚えるみたいなのもある。寝るってすごい。稽古見ててこれ夢なんかなって思うときある。夢ってよくわからないし、ぶっ飛んでる時あるし、でも頭の中がゴロゴロ出てきちゃってるんだろうなあって。そういうのが今回の稽古場でいっぱいある。気がする。まだまだ制作途中だけど今回の作品絶対面白いだろうなぁって思う。見てると内側を刺激される感じ。そういうのってこわいけどな。

古賀友樹
上手く言葉に出来ない、当てはめることが出来ないことがよくあります。「なんだかよくわからないけどおもしろい」こいつが本当に困ったやつです。もう少しで言語化出来そうなんだけど、まあいっか。…これ、夢を見てすぐ忘れることとよく似ていません? 確かに今、目の前を何かが通過した。僕らはついついこれが何者かをつきとめようとするけれど、正体はわからないままでいいのかもしれない。1人だけが正解を知っているより、10人が何かいたよね、そうだよねと言い合ってる方が意味がある気がする。1人がそいつを手懐けるより、10人の頭の中でぼんやりとその輪郭を思い浮かべたら、いつかとんでもないモンスターが生まれるかもしれません。
今回のスローガン、イズ、正しさというまやかしに打ち勝つ勇気を持ちたい、です。

山下恵実
パクチー初めて食べた時に、この三つ葉おいしい、って言ってちょっと恥ずかしい思いをしたことがある私ですが、どっちにしろおいしかったっていうことに変わりはないですよね? ないと思っています、私は。
大勢の正しいとか、立場が上の人の正しいは強くて、惑わされがちだけど、人の正しいにビビったり頼ったりしないで、自分がしっくりくる答えを自分で見つけられたらいい。
これは、この作品つくっていく中でも何回も聞いてる言葉で、本当にそうだと思う。
みんなその難しさと戦ってるし、この先も戦っていってほしい。出演者たちも、お客さんも、わたしも、みんな。そんな感じです。


下北沢にて|ワークエイトアワーズ。スリープエイトアワーズ。プレイエイトアワーズ。


◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
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クリエーションメンバー|近藤千紘 古賀友樹 山下恵実

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.2

古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「共有するビヘイビア」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


年越しは大学の先輩の家で迎えました。大人数で過ごしたのはほぼ初めてで、福岡にいた頃は家族と過ごしたりなんだりしたけども。東京に来てからはそういういわゆる大学生っぽい年越しはしてこなかった。もう大学生じゃないけども。
ベタに初詣の列に並んだり、年賀状の仕分けのアルバイトをしていたらいつの間にか歳を越していたり、いつもそんなもんです、いつもは。だから今年は特別感がありました。嬉しかったな~。世間一般の若者達はいつもこういう感じなのかな。
みんなで年越し蕎麦を食べて、ゲームして遊んで、改め直して新年の挨拶、緩やかに近くの小さな神社に初詣に向かって、寒い寒い、とか。帰ってきてまたゲームしたり、眠くなった人は寝て、とかね。みんなやってきたのかな。僕は初めてやりました。うっかり感動してしまいました。
その場には猫がいて、とても人懐っこくて、こんなに猫ちゃんと触れ合ったのも生まれて初めて。初めての経験がこんなに重なっていいのかな。いいのか。こういうのは怒涛にやってくるもんだと思ってます。猫カフェに一回だけ行ったことがあって、そんな時よりも遥かに猫成分を摂取出来ました。
朝のお笑い番組まで起きてようと頑張ったけど、結局寝ちゃって。お餅を二つ食べて、お昼前には帰りました。そこから家でゆっくり寝ました。それでおしまいです。お正月らしいことはそれくらいしかやってないですけど、十二分に堪能させていただきました。
その様子をいくつかの写真でお見せできればと思ったのですが、人にはプライバシーというものがありまして、いやもちろんちゃんと確認を取れば良かったのですが、面倒くさがりの性格が今の今まで発動してしまい、結局連絡を取ることはありませんでした。ですので、プライバシーに考慮したバージョンの写真をいくつかお見せしたいと思います。この手間を考えれば、普通に連絡した方が早いのは明らかなんですけど、なんなんでしょうね。ホンマやで。



古賀友樹|猫。他人の背中でくつろぐ。


古賀友樹|猫。膝の上に出会って10分で乗る。


古賀友樹|2018年。来たるべき2019年に向けてみんなで年越し蕎麦を食べる。


近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


「飛行機と心の声」
わたしは徳島県が地元だ。
年に3回くらい帰ることにしている。


近藤千紘|12歳。徳島市中常三島町のマンション11階で初めての阿波おどり。

そして、この文章を書いている今は徳島にいる。今は徳島阿波おどり空港で羽田行きの飛行機を待っているところ。ほんと東京戻りたくないってなっている心情。あ、今飛行機が来たらしい乗らなくちゃ。飛行機ってなんであんな大きいのに飛べるんじゃろ。怖。


近藤千紘|25歳。阿波おどり空港で初めての阿波おどり。

今飛行機に乗り込んだ。「43A」3回くらい確認して座ったけん絶対大丈夫。慣れてないけん席間違えただけでパニクる。ほんまに飛行機は怖い。ほんで東京も怖い。昔は都会に憧れてた。東京に行けば誰でもスターになれるや思っとった。
あ、今飛行機のドアが閉まったらしい。動き出す。今、この瞬間は徳島にいる。もう少しで浮く。今は徳島におる!おるんじょ!


わたしの家族、お母さんとお父さんは徳島にいる。愛している徳島に愛している両親がいる。最高で最強の場所があるということがわたしは恵まれているなあと思う。
飛行機が動き出した。心の準備できてないよ~やめてよ~怖いよ~。
わたしは飛行機が苦手だ。地に足を付けていたいタイプ。高所恐怖症には厳しい高さ。でも窓側がいい矛盾。


飛んだ。


徳島の輪郭が見えてくる。わたしは今どこにもいない。全ては機長と飛行機にかかってる。そう思うたび機長に恋してしまいそうになる。意味が本当に分からん感情。
四国の輪郭が見えてきた。寂しい。徳島から東京に戻る飛行機で泣かんかったん初めてかも。
今、シートベルトのライトが消えた。
機内ではイヤフォンから平井堅の音楽が聞こえる。しんみりして泣きそうやんか!
今、わたしは空にいる。楽しかった思い出と共に東京へ帰って、また制作が始まる。
わたしのやりたいことをするには東京じゃないとできない。だから、東京へ戻る。仕方ない。やりたいことがあってそれには勝てないのかねえ。自分のことだけどわからない。
とかなんとか思いながら空。


どこの上を飛んびょんかもわからん今。
でもまだ徳島県には届く距離だろう。


「もう少しやりたいことをやらせてもらいまーーーーーす!大好きなのは徳島やから!忘れんけんな!またちゃんと帰ってくるけんねーーーーー!」


近藤千紘|誕生日。渋谷で初めての阿波おどり。


山下恵実 やました・めぐみ
1998年7月9日生まれ。演出家。〈ひとごと。〉主宰。
高校卒業後すぐに、こまばアゴラ演劇学校〈無隣館〉三期演出部に所属。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして演出補を務める。


イスラエルにいます。
2019年1月5日午後9時17分。今。
ということで、あけましておめでとうございます。
も、ろくに言わぬまま、1月3日に日本を飛び出し香港経由してイスラエルに来ました、というのが一昨日1月4日金曜日。

早朝空港着で、厳しいと聞いて覚悟していた入国審査が思いのほかスムーズに終わって暇を持て余してしまったのでカフェで時間を潰し、交通機関が動き出した頃にバスを乗り継いでテルアビブに。乗るバスがわからなくて困っていたらお兄さんが目的地まで連れて行ってくれました。イスラエルの人、やさしい。

そんなこんな(?)で初中東、初ひとり海外、プラス肩も心もガチガチだけど、目的はダンス、ダンス、ダンスなのでしなやかにストレッチとマッサージで全身をほぐし、いざ Batsheva Dance Company のオーディションへ。
筋肉、呼吸、視線、意識、などなどなどなど、ありとあらゆる感覚の窓と毛穴を開いた数時間。たぶん大体2時間半。


山下恵実|Suzanne Dellal Centre で踊る。

たくさん動かしたおかげで肩のコリは全部何処かへ消えました。荒治療。
とはいえ空の旅から休む暇なく身体と想像の旅に出たのでヘトヘト。早く宿で寝たい、寝たい、寝たい、って感じで4日はおわり。
そして今日、5日も引き続きダンスな1日。頭、頭、頭でっかちなダンスはしたくないし、観たくない。身体と心と外側と対話しながら丁寧に、かつ直感的に、頭に支配されないトレーニングは毎日続けていかねばなあー。とか考えました。


山下恵実|ヤッファ旧市街でユリゲラーミュージアムを見つける。

で、そのあとは海やら、ヤッファの旧市街やら、ふらふら歩いたり名物ファラフェル(ピタパンに豆のコロッケみたいなのが挟まってる)を食べたり、イスラエルの空気を楽しんだりしました。
明日は何もないので観光します。市場に行く予定。本当は死海に行きたい。


山下恵実|カルメル市場でスパイスと出会う

ということで、ダンス修行のための3泊6日の旅はもうすぐおわりです。
また近いうちに来るかも、意外と飛行機安いし、パンは美味しいし。人も優しいし。何より観たいし体験したいダンスカンパニーがまだまだ沢山あるし。
とかとか思いながら、早くおにぎりが食べたいです。いくらおにぎり。あとうどん。


◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.1
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.4
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.5
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.6
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.7

クリエーションメンバー|古賀友樹 近藤千紘 山下恵実