Spacenotblank

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.6

古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「共有するビヘイビア」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


この文章を読んでいるということは、僕はもうこの舞台を終えたということでしょう。いま僕はこの文章を舞台の上で書いています。観客に背中を向けてこっそり書いています。ペンを取り出してか、iPhoneを取り出してか、どちらなのかは秘密です。そもそも嘘かもしれません。


僕は「舞台が過ぎていったなあ」と感じることが多くて、食道を食べ物が通過していく感覚と近しいかもしれません。過ぎるというのは、決して悪い意味ではない。食べ物だったら自分の血となり肉となる。舞台の場合どうなるか。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」は過ぎるべくして過ぎていきました。多くの人が舞台の上を行き交い、言葉を交わし、離れていく。距離はどんどん離れていく。そして忘れる。無くなるわけではありません。認識の問題でしょう。


話を少し戻し、今回はプロ・アマ問わずの公募で、最終的には12名が企画に参加、そこにプラスツー(クリエーションメンバーである古賀友樹と近藤千紘)、計14名が出演しました。常套句を言うならば、この14人でしか出来ないことをやりました。一人でも欠けたり足したりすれば、この作品のバランスは全く違うものになっていると思います。15人だったら15人なりの。100人だったら100人なりの作品は作れないことはないんでしょうけど、ちょっと今は想像つかないですね。あれ、どうやって上演するんだろう。いや、もしかしてこれは14人でないとダメなのかな。100人がダメはわかる。50人はダメで49人はギリギリ大丈夫。49人じゃないかもしれないけど、そのギリギリ大丈夫のラインって一体なんなんだ。たったひとりの差なのに。もう終えてしまっている立場だからかもしれないけど、ただの水増しになる気がしてならない。あーじゃあいいです、14人でしか上演出来ません。今書いた内容は全部忘れてください。各々鉛筆で上の何行か塗り潰しといてください。おっと、何故鉛筆というワードが出てきたんでしょうね。危ないところでした。


この文章こそ水増しが如く、内容がないような気もしますが、それだけスペシャルな14人の舞台にしたかったし、そうだったと胸を張りたいのです。ダジャレを言ったと思ってるでしょう。思ってるでしょう。ラスト15分、あなたは必ず騙される。意味はない。また会いましょう。


近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


今は3月4日の0時10分です。布団でひとり横になっています。思い出します。今回の舞台。


生きていていろいろと選択しなきゃいけないことって多いじゃないですか、自販機レベルでもそうなんだけど、今回はその選択肢でたまたま選んでいってたら重なったから舞台したみたいな。全員が。
で、また普通に出発していくみたいな。全員が。


始まりと終わりがあったわけじゃなくて、通過点のような感じだなあと思っています。
だから来てくださったお客様もそういう感じでたまたま重なってて、だから3ステージ全然違う印象。でもどの回が一番よかったとかはなくて、どの回も皆さんがいてくれたから良くなった。
舞台を作っていて完成するっていう感覚はまだ味わったことがないけど、今回の舞台は毎ステージどこか到達出来ていた気がします。技術とかそういうんじゃなくて。
思い出せばたくさん感じたことってあるんだけど、言葉にしようとすると難しいですね。


あ、あと今回全員楽屋一緒で、席もみんなテキトーに決めてもらって、というかふわっと決まってて、待機中喋ってる人は喋ってたんですけど、みんなの話を聞いてると意外と知らなかったこととかがそこで見えてきて、この言葉(台詞)が出て来たのはこういう理由があったからなのか! って発見がいっぱいありました。詳しくは書けないんですけど。
電車で同じ車両に乗っている人たちがまた次もまるっきり同じ車両に乗ってるっていう確率って少ないじゃないですか! だから今後、街を歩いていて偶然周りが今回のメンバーで固められてる! みたいなことは絶対起きない。と思う。そんな奇妙なことが起きてしまったら過去のことでもこの舞台は別物になってしまうのかもしれない。
何が言いたいんだろうか…わからなくなってきたけど、偶然ってすごいこと、出会うってすごいことだって改めて思ったってことですね。


そして、なにより今回集まってくださった皆さんには、今後も健康で幸せであってほしいと思うってことです。
ありがとうございました! またね!


山下恵実 やました・めぐみ
1998年7月9日生まれ。演出家。〈ひとごと。〉主宰。
高校卒業後すぐに、こまばアゴラ演劇学校〈無隣館〉三期演出部に所属。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして演出補を務める。


ありがとうございました。


今日は雨も降っていて、どんよりしたマンデーですが、心の中はたくさんのラブで満杯です。この気持ちはたくさんの方々お陰だと思っています。この作品にともに関わって下さった皆さま、観に来てくださった皆さま、そしてこの文章たちを読んでくださってる方も、皆さまへ、スパシーバ。


2018年9月のWSから、それはそれはもうすごい数の秒が過ぎていって、たくさんの出会いがあって、もう思い出せないことも沢山あります。そういう思い出せない時間も全部含めて、ラブな気持ちです。


この企画が始動し始めて、稽古が始まって、本番を終えて、その時の中で何か変わったのかなー、変わってたらいいなと思うし、変わったんじゃないかとも思います。だってあらゆることが起こって、色んなものを見て、何も変わってることがなかったら、もったいない。私はどんどん変わっていきたいタイプ、アップデート、バージョンアップ、パワーアップしたい。でも何が変わったのかなんて誰も気づいてくれないかも。自分自身だって気づかないかもしれないですね。
それでも確かに少しずつ変化していくはずなので、同じ上演が繰り返されることは、二度とない。上演期間だった3月1日から3月3日の3日間だって毎日新しい作品を上演してた気持ちでいます。


だから、あらゆる偶然と奇跡が積み重なって「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」は上演されていた、って言うとちょっと素敵な感じがしますね。当たり前のことを言っただけなんですけど、当たり前なことなんてなにもないのでたぶん。あらゆる偶然、必然、運命に感謝します。
いろんな気持ちを言葉にしようと思うと難しくて脳みそがガチガチになってしまうのでこのへんで。


本日はたいへんお忙しい中、大切なお時間と、指と頭と目と身体中の筋肉を使ってこの文章を読んで下さりありがとうございました。愛をこめて。



第29回下北沢演劇祭|コード・コード・コード ’19
スペースノットブランク
言葉だけでは満ちたりぬ舞台
2019年3月1日(金) ~ 3月3日(日)
北沢タウンホール

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.1
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.2
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.4
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.5

クリエーションメンバー|古賀友樹 近藤千紘 山下恵実

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.5

古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「共有するビヘイビア」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


今は2月の26日の13時を過ぎた頃。舞台上では黒ずくめの集団、もといスタッフさん達が照明をつくっている。なんだか凄そうだ。


12月からゆるやかに始まり、もうすぐ3月になろうとしています。我々出演者の仲は良好であると思う。仲の良さなんてどうでもいい? 馬鹿野郎? そこまで言う必要ないでしょ! まったくもう。そりゃどうでもいいんだけど、その感じが絶妙にちょうどいいんですよ。熱すぎず、ぬるすぎず。一致団結の言葉は似合わない。一人一人が真摯に向き合ってくれている、なんでしょう、グルーヴ感。グルーヴィー。あくまで印象ですが。
今回は一般参加の企画ですけども、その中身、創作スタイルと言いますか、普段のスペースノットブランクそのものなんです。まんまです。まんま。もちろん普段よりも無理難題をふっかけられる(ex. 空中に浮いてみて)回数は少なめですけども。


みんな、ちょうどいいバランスを保って適応してくれました。自分を捨てずに、無理はせず、挑戦をし続けてくれている。稽古が終われば、三々五々に帰っていく。グルーヴィー。ご飯とかみんなで食べに行ったりしてないのかな。一回くらいそういう会を僕から提案してみても良かったかもしれないですね。まあ、いいや。


コード・コード・コードを経て、みんながどうなっていくのか非常に興味があります。この経験を活かして頑張ってね、みたいな何かを与えたなんていう気持ちは毛頭ありません。予め用意された枠組みを疑うことは大事なことですから。演劇をやってようとなかろうと、本当に大事なことですから。元々みんなが持ってた自尊心とか相手を思いやる心(この思いやるというのは単に優しくするという意味ではないことに注意してほしい!)とか、そういうものを再認識するリハビリみたいなもんですね。僕らのやってることはリハビリ。北沢タウンホールでリハビリの成果を見せるとか言ったらさすがに怒られちゃうな。でもみんないつの間にか忘れちゃってる。なんでですか。擦れて均一化されてしまったのですか。僕もそうだな。気をつけないと。


そういうわけで、北沢タウンホールで僕らのリハビリの成果が見れます。やってることはバチバチでかっこいいので安心してください。下北沢でキラキラ輝く。


2019年2月26日の通しより|キラキラ輝く古賀友樹。


近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


一目惚れした彼の顔ももう思い出せないくらい時間が経ちました。徳島で切った髪ももう肩にちゃんとつくくらいの長さに伸びました。いちご大福の餡を求肥で包む工程を経験して和菓子作りに満足してしまうくらいになりました。「はじめまして」で、名前と顔が一致しない出演者のみなさんから一人一人の印象を書けるまで距離が縮まりました。


この企画のお話を受けてから10ヶ月経ちました。


季節が一周して、わたしの周りの環境も、出来ることも出来ないことも変わりました。


9月のWSから今に続いていることを感じながら、ついに本番の月に進みます。


出会ってしまったから、生まれてしまった言葉の数々が私たちを舞台に立たせています。
下北沢でたくさんの人とすれ違いながら劇場に向かう今も、人生の鍵になる出来事が実は起きている。行きたかったミスドが空いていなかったことも、カレー屋さんが大行列なことも、実は何かに影響を与えているかもしれない。


この舞台を観てくださった方の日常に、新しい感情や、気がついていなかったことに気が付き始めるきっかけが増えますように。自分をいつもと違う角度で見えていけますように。観ただけで終わらない作品になっています。こちらは覚悟を持って立ちますので、お客様は少しのお金を持って観に来てください。チケット代もグットプライス。劇場も下北沢もいいところです。観た後のテンションで、いつもは選ばないような古着を選んで春を楽しむのもいいかもしれません。春は出会いと別れの季節と言いますが、実際は毎日出会いと別れを繰り返しているんですよね。3月の1日、2日、3日しか出会えません、この舞台。是非、少しだけ頑張ってでもお越しください。心よりお待ちしております。どんな方々に出会えるのかとっても楽しみです。もう思い出せない一目惚れの彼も来てくれるかな。来てくれてももう結婚はしないかな。そういう話じゃないのよね、今は。


2019年2月26日の通しより|笑う近藤千紘。


山下恵実 やました・めぐみ
1998年7月9日生まれ。演出家。〈ひとごと。〉主宰。
高校卒業後すぐに、こまばアゴラ演劇学校〈無隣館〉三期演出部に所属。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして演出補を務める。


眉間にピップエレキバンを貼ってから寝るとえらく目覚めがいいっていうことに最近気がついて、毎日眉間と、顔の筋肉という筋肉にピップエレキバンを貼って寝ています。

その事はここに書くまで私しか知らなかったことで、私とすれ違っても会話をしたとしても、夜中、私が顔中に磁石を貼り付けていることなんて誰も想像すらしないでしょう。

そういうことは世界に溢れていて、稽古場でオオゼキのお寿司のお弁当がプチブームになっていたことも、うどんが好きだと言った彼が最近、そばの方が好きかもと気持ちが揺らいでいることも、伝えなければ誰も知らないし、知らなくても別に、いい。でも知ったらちょっと嬉しくなったりすることもある、きっと。


この企画名の、コード・コード・コードのコードっていうのは、「遺伝」とか「記号」とかっていう意味らしいです。あんまり意味とか深く考えてなかったけど、なるほどと思いました。


12月のワークショップから始まり、3ヶ月かけて少しずつ、出演者のみなさんとコードを共有してきました。出会ったひとのこととか、出会ってない誰かのこととか、自分のこととか。本当に沢山の共有を辿ってきました。それこそ冒頭に書いたような表面には現れてこない、誰も想像すらしない内側のことも。

で、それで、それぞれの言葉も、身体も、思考も、ひとりひとりの多種多様な歴史とか、選択、経験から導き出されたコードだなと思って、だからなるほどと感じたわけです。

3月1日から3月3日、北沢タウンホールに来て頂けたら、私たちと、みなさんと、下北沢のコードを、きっとちょっと共有できるんじゃないかなあと思います。何かを押しつけたりとかはしないはずです。舞台を通してなにが出来るのか、謙虚な姿勢で虎視眈々とつくっております。


みなさまの貴重な時間とお金を使って下さってありがとうございます、ってな感じの低姿勢で、でもやる気と覚悟に満ちた心持ちでお待ちしています。


2019年2月26日の通しより|誰かが落としたローソンのレシート。



第29回下北沢演劇祭|コード・コード・コード ’19
スペースノットブランク
言葉だけでは満ちたりぬ舞台
2019年3月1日(金) ~ 3月3日(日)
北沢タウンホール

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.1
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.2
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.4
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.6

クリエーションメンバー|古賀友樹 近藤千紘 山下恵実

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.4

近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。

山下恵実 やました・めぐみ
1998年7月9日生まれ。演出家。〈ひとごと。〉主宰。
高校卒業後すぐに、こまばアゴラ演劇学校〈無隣館〉三期演出部に所属。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして演出補を務める。

古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「共有するビヘイビア」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。



Loop #1|岡澤由佳 おかざわ・ゆか
近藤千紘|わたしののんちゃん。なぜかのんちゃんって感じがしてる。見た目はふんわり系だけど話すとしっかりしてて鋭さもある。ギャップがいい。
山下恵実|物腰柔らかで、優しい微笑みが絶えないひと。合唱しているところと怒っているところをいつか見てみたい。
古賀友樹|芯が通っている。優しい目と優しい顔つきをしてるけど、実は黒幕は私でした~がよく似合う。言い争いになったら相手を打ち負かしそうな予感がする。占い好き。

Loop #2|片岡真優 かたおか・まゆ
近藤千紘|オーラがある。「美しい」っていう言葉が似合う。センスも凄いある。わたしも片岡さんの作品出てみたい!
山下恵実|慎重に、言葉を選んで話すところが素敵だなと思う。空気をガラッと変えられる力を持っているひと。
古賀友樹|笑顔がとっても素敵。とっても存在感があり、存在感がない僕からしたらとっても羨ましい限り。人を惹きつける能力者です。

Loop #3|古賀友樹 こが・ゆうき
近藤千紘|同い年。色気がある。古賀くんが何かをやっていると見入ってしまう。遠くに行ってしまわないでって思うけど、才能がありすぎるから仕方ない。
山下恵実|アトラクティブ。気づいたら惹きつけられてる。おちゃめさと真摯さと対応力と、、色々なものを持ち合わせていて憧れる。
古賀友樹|優柔不断。あまのじゃくで人が右と言ったら左に行きたくなる性質あり。やると決めたら全力で取り組むところは良いところ。そこは褒めてあげたい。

Loop #4|近藤千紘 こんどう・ちひろ
近藤千紘|雲丹が好きな人。上から目線っぽくここに書いてしまっていてなんだかソワソワしてる人。勘違いさせたらどうしようと思ってる人。
山下恵実|パワフルでラブリーで、でもストイックさも持ってる。場をパッと明るくしてくれるチャーミングなひと。
古賀友樹|未知の生命体。スーパーマンみたいな人です。僕の引き出しにはないものばかりを取り揃えた四次元ポケットモンスター。40代になってもきっと変わらない。でもこれは変わらないでほしいの願望込み込みプラン。

Loop #5|齊藤玲子 さいとう・れいこ
近藤千紘|ずっと若々しく美しいってすごい! いろんなことをいつでも楽しんでやっている齊藤さんはわたしの憧れ! こういう女性になりたい!
山下恵実|日々を楽しむ技術を持ってて、それって凄いことだなって思う。慈愛に満ちた笑顔がとても素敵。
古賀友樹|立ち姿が美しくてかっこいい。齊藤さんには晴れの日がよく似合う。着物レンタルじゃなくて。きっと着物も似合うと思う。これはネタバレですが、今回は残念ながら女スパイ役ではありません。いつか女スパイの役をやってほしい。

Loop #6|坂本沙季 さかもと・さき
近藤千紘|可愛い。ときどきギャルっぽさがあるのもまた良い。稽古場でどんどん変わっていく姿を見て凄いなあと思う。
山下恵実|素敵な存在感があって、頑張っている姿を応援したくなる。赤い服とかも似合いそうだなって勝手に思っている。
古賀友樹|負けず嫌いなんだろうと思う。いや、自分が設定する目標が高いのか? 一つのことに打ち込んでいる彼女のキラキラの姿を見ると、そうはなれなかった自分の高校時代を思い出す。

Loop #7|櫻谷翔吾 さくらや・しょうご
近藤千紘|特殊な能力を持っていると思う。隠されてる何かがまだまだいっぱいありそう。真剣に作品と向き合っていてくださる。
山下恵実|不思議な空気を身にまとっている。力を抜いてその場に存在できるのが本当にすごい。落ち着く声をしている。
古賀友樹|センスが溢れています。でもドバドバ出してはいなくて、気持ちのいい、ついからだを揺らしたくなるような感じ。コントとかやったら絶対上手いんだろうなあ。

Loop #8|高嶋柚衣 たかしま・ゆい
近藤千紘|役者だ!!! と観ていて気持ちの良い鳥肌が立つ。安心感が凄い。厳しく優しく誰でも仲良くできるって感じがある。
山下恵実|優しさに満ちていながら、強い芯も持ってて、キュート。踊っているところも素敵だってことを色んなひとに知ってもらいたい。
古賀友樹|実際のところはわからないけど、高嶋さんは演劇が好きなんだろうと思う。演じている姿に説得力があって惚れ惚れする。ヘンテコなものも好きなんだろうとも思う。最高!


Loop #9|瀧腰教寛 たきごし・たかひろ
近藤千紘|石川県の人。いてくれるだけでワクワクドキドキする。毎回、新鮮に瀧腰さんのこと見れる。それが楽しい。
山下恵実|いつも全力。稽古も、普段話してるときも、常に真剣勝負って感じがして、それがすごく魅力的だと思う。
古賀友樹|かっこいい、漢の中の漢です。普段は気さくで優しい人だけど、内から湧き出てくるものはギラギラの鋭利な刃物ばりのシロモノだ! 痺れちまうぜ。

Loop #10|中條玲 ちゅうじょう・れい
近藤千紘|ミステリアス。冷静に爆笑できるみたいな感じで、振り幅がすごい人だなあと思ってる。これからどんな風になっていくんだろう。気になる。
山下恵実|飄々としてるけど、周りで起きていることをしっかりみて考えていて、すごいなあと思う。アンファンテリブル。
古賀友樹|今回の舞台がなければ一生交わることはなかった、僕にとって特異点みたいな存在。いや全然そんなことはなくて、友達にもなりたいし、とてもいい人なんですけど。何回も舞台ですれ違う度に、なんとなくそういうことを考えてます。

Loop #11|長井建都 ながい・けんと
近藤千紘|うどんが好き。裏切らないところがとても良いなあと。丁寧に生きてると思う。ほんと素敵。かわいい。
山下恵実|難しくても挑戦しようとする真摯さにグッとくる。普段から一生懸命に生きてる感じがする。
古賀友樹|これから必ず大物になるのがこの長井建都という男です。直感で申し訳ないですが、文字通り大成するであろうと言い切れます。隙が多すぎて隙がないんですよ。これ意味わかりますか? わかってほしい。

Loop #12|中島晃紀 なかしま・こうき
近藤千紘|心が美しい人。最高に面白い。面白くしようとしてないだろうけど面白い。瞳の色が綺麗。存在感が良い。
山下恵実|好きなものは好き、嫌いなものは嫌いってハッキリ言える強さに憧れる。気遣いに満ちたピュアで熱いひと。
古賀友樹|兄にしたい男性ランキングダントツの第一位。同い年らしい。でも兄にしたい。社会への反骨精神の具現化であり、象徴でもある。

Loop #13|花井瑠奈 はない・るな
近藤千紘|出会ったときは透明感がすごくて爽やかな女性だなあと思ったけど、今は逆に、すごく頭の回転も早くて、強くて、火が吹けそうなパワフルビューティーウーマンだと思っている!
山下恵実|華奢な身体のなかに、ものすごいパワーが満ちていて、そのエネルギーにいつも圧倒される。かっこよくもあり可憐でもある魅力に溢れたひと。
古賀友樹|この人は好奇心の具現化。権化。楽しいやつだ! と気づいてからのスピードがとてつもなく速い。なるほど野性的な一面があるのですね。

Loop #14|程島けい子 ほどしま・けいこ
近藤千紘|魂からの動きと言葉を出せる。いつでも新しい何かを吸収して発信してくださるから、わたしも頑張ろうと思える。ありがとうございます。
山下恵実|いろいろなことを感じ取る心の器がとても大きくて、心を開いて生きる美しさを感じさせてくれる。言葉にも身体にも壮大なエネルギーが満ちている。
古賀友樹|いつも謙虚で、歳下の僕らにも丁寧に接してくれるけど、中身はめちゃくちゃホットでクール。物怖じせずに作品をつくる姿勢に僕はやられてしまいました。

Loop #15|山下恵実 やました・めぐみ
近藤千紘|身体への探究心がすごい。そして、この場で起きていることをスッと自分に入れるのが上手いなあと思う。地球を自分のものにできそう。
山下恵実|ストレッチをよくしているひと。みんな魅力的で、その素敵さを上手く言葉に出来ずもどかしく感じているひと。
古賀友樹|思ったことを自分の言葉にして話すのが上手いなと毎日思っています。お姉さんっぽいと思ってたら、意外や意外、キュートでチャーミングなんですわね。


第29回下北沢演劇祭|コード・コード・コード ’19
スペースノットブランク
言葉だけでは満ちたりぬ舞台
2019年3月1日(金) ~ 3月3日(日)
北沢タウンホール

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.1
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.2
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.5
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.6

クリエーションメンバー|近藤千紘 山下恵実 古賀友樹

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3

近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。

古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「共有するビヘイビア」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。

山下恵実 やました・めぐみ
1998年7月9日生まれ。演出家。〈ひとごと。〉主宰。
高校卒業後すぐに、こまばアゴラ演劇学校〈無隣館〉三期演出部に所属。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして演出補を務める。


Loop #1

近藤千紘
本格的な稽古の前に2日間ワークショップをした。
みんなには久しぶりに会えて嬉しかったし、古賀くんがパーマあててたし、わたしは髪の毛を切っていた。途中で聞いたお海苔の専門店の話を聞いて絶対合羽橋行くぞと思った。そしてその4日後くらいに本当に行って海苔買った。
とにかく今は新しい何かに出会いたくて、みんなの話を聞くといろんなことをしたくなるし、真似もしたくなる。今は和菓子作りしたい。教えて欲しい。

古賀友樹
ここにクックパッドの和菓子特集のURLを一旦載せたのだが、消した。書いて消したという事実だけが残った。嘘かもしれない。
クリエーションはお互いがお互いに作用し合う。作品はその集合知と言うべきか。誰かが和菓子の話をしたらいつのまに頭の中は和菓子になって、和菓子がクリエーションに紛れ込み、作品は和菓子に侵食されるであろう。でも和菓子舞台っていいかもしれないですね。いやなにおいとかしなさそう。ただ、粉っぽい感じはしますよね。「わかる〜」。

山下恵実
私は弾力がすごそうだなって思いました。和菓子演劇。
で、こういうことが稽古場でも起こっていて、粉っぽいって思う人もいれば、もちみたいなのをイメージする人もいる、みたいな。昨日の稽古で対立する意見が出た時の展開はちょっとアツかったな。
あと、中学生の頃のこととか思い出したりしてます。稽古みながら。それで、舞台上で起きてることが色んな人のこれまでとか、思考とかの断片とコネクトして、すごい大きい世界まで飛んでいったらいいなとかちょっと思いました。大きい世界ってなんか宇宙を想像しちゃう。短絡的?


下北沢にて|五右衛門も、植木にまでは、手をださず。


Loop #2

近藤千紘
宇宙で思い出したんだけど、1月のワークショップで1時間だけ各々自由に外に出て、いろんなものと出会って、写真を撮って戻ってくるみたいなことをやって、そのときに「宇宙に行って戻ってきて写真は地球を撮りました」みたいな人がいたらいいのにって思ったことを思い出した。わたしからしたらみんな変わってるし、気持ちが全く一緒人間っていないから、そういう人たちの話を聞くと全て新鮮だし、でもわたし難しい言葉とかわからないから時々「?」ってなってわたしがどこかへ飛んで行くときある。ギャラクシー羊羹作ろうって思う。

古賀友樹
確かに宇宙に行ってきました、って言ってくれたら嬉しいですね。本当かどうかはさておいて、こちらは勝手に楽しい気分になるから良いと思います。でも10人いて、10人が10人とも宇宙に行ってきました、と言ってきたら僕はその人達を受け入れられないかもしれない。それぞれが自由意思で判断したのであれば間違いはないのだけど、とても大きな何かを嫌でも意識してしまう。
同じ行動であったとしても、意識してやるか無意識でやるかで強度は違ってくる。うまくはまとまらないのだけど、自分という存在は、自分の要素と他人の要素を混ぜ合わせた何かだっていうことです。自分は喋ってるのか、相手に喋らせられているのか、みたいなよくあるやつです。

山下恵実
自分で喋るよりも、喋らされてる方が楽だし、考えるより流される方が楽だし、Netflixみるより眠る方が楽。
でも楽と楽しいは、漢字同じだけど結構違うって思うし、そう信じたい。10人みんなが宇宙に行ったらって話読んでそう思った。
最近のリハーサルも、からだとか、言葉とか、意識とか、いろいろ考えなきゃいけなくて、大変そう。たぶん、私はうまくできないと思う。でも見てて楽しいし、体が動き出したいって言ってる時とかあるし、やってみたらいろんな発見がありそう。
こんなこと言っておきながら毎朝起きれない、ごめん、もうちょっとって二度寝してる。眠るのは楽しくはないけど、楽だし、幸せ。


下北沢にて|白いチェーンに縛られた黄色いポール。


Loop #3

近藤千紘
わたしも寝たい。昨日、二度寝して1時間45分の遅刻をした。それはあかん。
悩んでることがあっても寝たら忘れるというか寝たらどうでもよくなるみたいなことある。そういうののためにも寝てる。だから昨日の二度寝の失敗は寝て忘れた。でもセリフとかは寝て覚えるみたいなのもある。寝るってすごい。稽古見ててこれ夢なんかなって思うときある。夢ってよくわからないし、ぶっ飛んでる時あるし、でも頭の中がゴロゴロ出てきちゃってるんだろうなあって。そういうのが今回の稽古場でいっぱいある。気がする。まだまだ制作途中だけど今回の作品絶対面白いだろうなぁって思う。見てると内側を刺激される感じ。そういうのってこわいけどな。

古賀友樹
上手く言葉に出来ない、当てはめることが出来ないことがよくあります。「なんだかよくわからないけどおもしろい」こいつが本当に困ったやつです。もう少しで言語化出来そうなんだけど、まあいっか。…これ、夢を見てすぐ忘れることとよく似ていません? 確かに今、目の前を何かが通過した。僕らはついついこれが何者かをつきとめようとするけれど、正体はわからないままでいいのかもしれない。1人だけが正解を知っているより、10人が何かいたよね、そうだよねと言い合ってる方が意味がある気がする。1人がそいつを手懐けるより、10人の頭の中でぼんやりとその輪郭を思い浮かべたら、いつかとんでもないモンスターが生まれるかもしれません。
今回のスローガン、イズ、正しさというまやかしに打ち勝つ勇気を持ちたい、です。

山下恵実
パクチー初めて食べた時に、この三つ葉おいしい、って言ってちょっと恥ずかしい思いをしたことがある私ですが、どっちにしろおいしかったっていうことに変わりはないですよね? ないと思っています、私は。
大勢の正しいとか、立場が上の人の正しいは強くて、惑わされがちだけど、人の正しいにビビったり頼ったりしないで、自分がしっくりくる答えを自分で見つけられたらいい。
これは、この作品つくっていく中でも何回も聞いてる言葉で、本当にそうだと思う。
みんなその難しさと戦ってるし、この先も戦っていってほしい。出演者たちも、お客さんも、わたしも、みんな。そんな感じです。


下北沢にて|ワークエイトアワーズ。スリープエイトアワーズ。プレイエイトアワーズ。


第29回下北沢演劇祭|コード・コード・コード ’19
スペースノットブランク
言葉だけでは満ちたりぬ舞台
2019年3月1日(金) ~ 3月3日(日)
北沢タウンホール

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.1
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.2
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.4
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.5
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.6

クリエーションメンバー|近藤千紘 古賀友樹 山下恵実

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.2

古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「共有するビヘイビア」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


年越しは大学の先輩の家で迎えました。大人数で過ごしたのはほぼ初めてで、福岡にいた頃は家族と過ごしたりなんだりしたけども。東京に来てからはそういういわゆる大学生っぽい年越しはしてこなかった。もう大学生じゃないけども。
ベタに初詣の列に並んだり、年賀状の仕分けのアルバイトをしていたらいつの間にか歳を越していたり、いつもそんなもんです、いつもは。だから今年は特別感がありました。嬉しかったな~。世間一般の若者達はいつもこういう感じなのかな。
みんなで年越し蕎麦を食べて、ゲームして遊んで、改め直して新年の挨拶、緩やかに近くの小さな神社に初詣に向かって、寒い寒い、とか。帰ってきてまたゲームしたり、眠くなった人は寝て、とかね。みんなやってきたのかな。僕は初めてやりました。うっかり感動してしまいました。
その場には猫がいて、とても人懐っこくて、こんなに猫ちゃんと触れ合ったのも生まれて初めて。初めての経験がこんなに重なっていいのかな。いいのか。こういうのは怒涛にやってくるもんだと思ってます。猫カフェに一回だけ行ったことがあって、そんな時よりも遥かに猫成分を摂取出来ました。
朝のお笑い番組まで起きてようと頑張ったけど、結局寝ちゃって。お餅を二つ食べて、お昼前には帰りました。そこから家でゆっくり寝ました。それでおしまいです。お正月らしいことはそれくらいしかやってないですけど、十二分に堪能させていただきました。
その様子をいくつかの写真でお見せできればと思ったのですが、人にはプライバシーというものがありまして、いやもちろんちゃんと確認を取れば良かったのですが、面倒くさがりの性格が今の今まで発動してしまい、結局連絡を取ることはありませんでした。ですので、プライバシーに考慮したバージョンの写真をいくつかお見せしたいと思います。この手間を考えれば、普通に連絡した方が早いのは明らかなんですけど、なんなんでしょうね。ホンマやで。



古賀友樹|猫。他人の背中でくつろぐ。


古賀友樹|猫。膝の上に出会って10分で乗る。


古賀友樹|2018年。来たるべき2019年に向けてみんなで年越し蕎麦を食べる。


近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


「飛行機と心の声」
わたしは徳島県が地元だ。
年に3回くらい帰ることにしている。


近藤千紘|12歳。徳島市中常三島町のマンション11階で初めての阿波おどり。

そして、この文章を書いている今は徳島にいる。今は徳島阿波おどり空港で羽田行きの飛行機を待っているところ。ほんと東京戻りたくないってなっている心情。あ、今飛行機が来たらしい乗らなくちゃ。飛行機ってなんであんな大きいのに飛べるんじゃろ。怖。


近藤千紘|25歳。阿波おどり空港で初めての阿波おどり。

今飛行機に乗り込んだ。「43A」3回くらい確認して座ったけん絶対大丈夫。慣れてないけん席間違えただけでパニクる。ほんまに飛行機は怖い。ほんで東京も怖い。昔は都会に憧れてた。東京に行けば誰でもスターになれるや思っとった。
あ、今飛行機のドアが閉まったらしい。動き出す。今、この瞬間は徳島にいる。もう少しで浮く。今は徳島におる!おるんじょ!


わたしの家族、お母さんとお父さんは徳島にいる。愛している徳島に愛している両親がいる。最高で最強の場所があるということがわたしは恵まれているなあと思う。
飛行機が動き出した。心の準備できてないよ~やめてよ~怖いよ~。
わたしは飛行機が苦手だ。地に足を付けていたいタイプ。高所恐怖症には厳しい高さ。でも窓側がいい矛盾。


飛んだ。


徳島の輪郭が見えてくる。わたしは今どこにもいない。全ては機長と飛行機にかかってる。そう思うたび機長に恋してしまいそうになる。意味が本当に分からん感情。
四国の輪郭が見えてきた。寂しい。徳島から東京に戻る飛行機で泣かんかったん初めてかも。
今、シートベルトのライトが消えた。
機内ではイヤフォンから平井堅の音楽が聞こえる。しんみりして泣きそうやんか!
今、わたしは空にいる。楽しかった思い出と共に東京へ帰って、また制作が始まる。
わたしのやりたいことをするには東京じゃないとできない。だから、東京へ戻る。仕方ない。やりたいことがあってそれには勝てないのかねえ。自分のことだけどわからない。
とかなんとか思いながら空。


どこの上を飛んびょんかもわからん今。
でもまだ徳島県には届く距離だろう。


「もう少しやりたいことをやらせてもらいまーーーーーす!大好きなのは徳島やから!忘れんけんな!またちゃんと帰ってくるけんねーーーーー!」


近藤千紘|誕生日。渋谷で初めての阿波おどり。


山下恵実 やました・めぐみ
1998年7月9日生まれ。演出家。〈ひとごと。〉主宰。
高校卒業後すぐに、こまばアゴラ演劇学校〈無隣館〉三期演出部に所属。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして演出補を務める。


イスラエルにいます。
2019年1月5日午後9時17分。今。
ということで、あけましておめでとうございます。
も、ろくに言わぬまま、1月3日に日本を飛び出し香港経由してイスラエルに来ました、というのが一昨日1月4日金曜日。

早朝空港着で、厳しいと聞いて覚悟していた入国審査が思いのほかスムーズに終わって暇を持て余してしまったのでカフェで時間を潰し、交通機関が動き出した頃にバスを乗り継いでテルアビブに。乗るバスがわからなくて困っていたらお兄さんが目的地まで連れて行ってくれました。イスラエルの人、やさしい。

そんなこんな(?)で初中東、初ひとり海外、プラス肩も心もガチガチだけど、目的はダンス、ダンス、ダンスなのでしなやかにストレッチとマッサージで全身をほぐし、いざ Batsheva Dance Company のオーディションへ。
筋肉、呼吸、視線、意識、などなどなどなど、ありとあらゆる感覚の窓と毛穴を開いた数時間。たぶん大体2時間半。


山下恵実|Suzanne Dellal Centre で踊る。

たくさん動かしたおかげで肩のコリは全部何処かへ消えました。荒治療。
とはいえ空の旅から休む暇なく身体と想像の旅に出たのでヘトヘト。早く宿で寝たい、寝たい、寝たい、って感じで4日はおわり。
そして今日、5日も引き続きダンスな1日。頭、頭、頭でっかちなダンスはしたくないし、観たくない。身体と心と外側と対話しながら丁寧に、かつ直感的に、頭に支配されないトレーニングは毎日続けていかねばなあー。とか考えました。


山下恵実|ヤッファ旧市街でユリゲラーミュージアムを見つける。

で、そのあとは海やら、ヤッファの旧市街やら、ふらふら歩いたり名物ファラフェル(ピタパンに豆のコロッケみたいなのが挟まってる)を食べたり、イスラエルの空気を楽しんだりしました。
明日は何もないので観光します。市場に行く予定。本当は死海に行きたい。


山下恵実|カルメル市場でスパイスと出会う

ということで、ダンス修行のための3泊6日の旅はもうすぐおわりです。
また近いうちに来るかも、意外と飛行機安いし、パンは美味しいし。人も優しいし。何より観たいし体験したいダンスカンパニーがまだまだ沢山あるし。
とかとか思いながら、早くおにぎりが食べたいです。いくらおにぎり。あとうどん。


第29回下北沢演劇祭|コード・コード・コード ’19
スペースノットブランク
言葉だけでは満ちたりぬ舞台
2019年3月1日(金) ~ 3月3日(日)
北沢タウンホール

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.1
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.4
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.5
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.6

クリエーションメンバー|古賀友樹 近藤千紘 山下恵実

2018年を終える。

誰が知っているか。

芽出たい、愛でたい、と思うばかりに、とっさに縄跳びとかをはじめましたが、なにも変わらなく、めで鯛、なんて言葉はまだ発することができません。ただただ皮ばかりを気にして内から溢れるものはオーマイガー。実<真。昨日は誕生日で誤魔化さない年齢になりました。身体も心も丸丸となればいいなと思ったけど、身体は丸丸になりたくない。豚、と自分を罵ることがないように尽力したいけど、パンを食べながらスマートフォンで文字を打つなう平成30年。

ということについて考えて作品を作る1年間でした。
どこに手を伸ばすかをあまり深く考えず、ただ作品を作り、知る知られるというところまで考えることが作品を作ることの意味を具体的に向上させてくれるかな、と信じて。平成最後という言葉に惑わされず注目もせず年号が変わることに対してなにも抵抗なく注目もせず過ごしている。

1月「共有するビヘイビア」d-倉庫
2月「緑のカラー」小劇場楽園
4月「ラブ・ダイアローグ・ナウ」SCOOL
5月「ラブ・ダイアローグ・ナウネイティブ」調布市せんがわ劇場
9月「舞台らしき舞台されど舞台」カフェムリウイ 屋上劇場
10月「デーモン・ネーション」RAFT
12月「原風景」高松市美術館 講堂

というラインナップで2018年はお送りしました。

時間の大切さは変わらない。本当にばかばかしい平成最後プラスよりマイナス。心に残るのはマイナス。踊りに始点をおいた作品を作り、ダンスの変化を感じたい。発信し続ける矛先の多様性について、すべての多様性に向けた発信はどこまで可能なのか。諦めたら偏り終わってしまうからこのまま進んで散っていく。散っていくのもとても華麗なことだと思いながら100年の中でなにが生まれたって知らないことや轟轟しいことが戦時中からやってのける力を採択しがちなこと。

2019年は、

1月「フィジカル・カタルシス」d-倉庫
1月「共有するビヘイビア」早稲田小劇場どらま館
3月「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」北沢タウンホール
6月「すべては原子で満満ちている」こまばアゴラ劇場

がすでに決まっている上半期の上演です。もしかしたらまだ増えるかもしれませんが、いまのところはそれぐらい。下半期の方がやりたいことが詰まっているので、どうなるかはわかりませんが、ご期待ください。せめて結果に縛られず、飛翔することができる。

拠点ということについて、空間ということについて、正しいか正しくないかは誰も知ることができないとして、舞台芸術市場に於いて考え方がどんどん衰退していってる部分もある。ということを実感しています。

いろんな事実を受容できる市場になっていけばいい。と思います。それもそれ。ですが。

2018年も、作品を見に来ていただいた皆様、誠にありがとうございました。
そして、作品を一緒に作っていただいた皆様、誠にありがとうございました。これからも作品を作る意志でいるので、地球のどこでも、興味があれば一緒に作品を作っていただければ嬉しいです。

東京から見える星は本当に遠くて感じることができなかった。否定形を打つと心が少し竦んでしまう。ヨガマットを敷きダウンドッグ気持ちがよい、いっそのこと猪に。ではまた。

2018年12月31日(月)
小野彩加 中澤陽

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.1

山下恵実 やました・めぐみ
1998年7月9日生まれ。演出家。〈ひとごと。〉主宰。
高校卒業後すぐに、こまばアゴラ演劇学校〈無隣館〉三期演出部に所属。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして演出補を務める。


12月14日から16日、選考からだいたいちょうど1ヶ月あけてメンバーが集まりました。


第1回ワークショップより|下北沢の歩道に並ぶ。

集まったと言っても毎日全員が揃ったわけではないけれど。それぞれが参加できる日に、参加できる時間に来て、帰る時間になったら帰る。
参加メンバーには学生もいたり、お母さんもいたり、年代も生活の流れも全然違ういろんな人が集まっていて、それぞれがそれぞれの生活をしながらワークショップに参加している。それがなんだかいいな、と思う。
食事とか、移動とかと同じような感覚で、生活の流れの中で舞台製作が行われていく幸せ。


1日目は選考会場と同じ場所、2日目と3日目は陽の光が入ってくる心地よい会議室でワークショップ。
毎日一番最初はクリエーションメンバーの近藤千紘さんによるウォーミングアップ。久しぶりにちゃんと筋トレをした。体づくり、大事。

それから、演出の中澤陽さんから与えられたテーマに沿って出演者自身が語り、短いシーンを作っていく。
この流れの中で、ひとりひとりが作り手であり、演者であり、観客である。と言う環境が自然にできあがる。
輪になって座った出演者たちが、その役割を順に回しながらたくさんのシーンをトリップしていく。
私は、そこに現れては消えていくあらゆる関係性や風景をパイプ椅子に座って見て、シーンがひと通り終わると一番に印象を言う、そしてまた新しいシーンが作られていくのを見る、という流れを繰り返す。
感じたことを言語化するのが苦手なので緊張しながら喋っていたのはみんなにバレていたと思う。

ワークショップから少し経って振り返ってみると、代替可能な役割、代替可能な動きについて、考えて感じた3日間だったなあと思う。
作り手、演者、観客、テーマ、設定、などなどなどなど。そうじゃなきゃいけないと思っていることだって違うものと交換できてしまうかもしれないよ、と思った。

3日目の一番最後にみんなで少しだけ外に出てシーンを演じた時に通った人だって、私たちを見ていながら、私たちに見られてもいて、色々な役割が入り交じりながら舞台も生活もここにある。


第1回ワークショップより|下北沢の横断歩道を渡る。

コード・コード・コード、です。


近藤千紘 こんどう・ちひろ
1993年11月10日生まれ。ダンサー、俳優。これまでにダンサーとして、DANCE PJ REVO「ハゲワシと少女」「Orange Gravity」、Empty-Kubrick「正午の伝説」、akakilike「シスターコンプレックスシンドローム」などの作品に参加。俳優として、ルサンチカ「春のめざめ」「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」、新聞家「白む」、女の子には内緒「光を束ねる」、スペースノットブランク「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


先日、初めて一目惚れをしました。


わたしはその日某テーマパークに遊びに行く予定で、新宿から東京駅に向かう電車に乗ろうとしていました。そして07:51に来た電車に乗り込んで閉まっているドアにもたれかかっていました。ふと横を見るとまつげの長い肌の白い整った顔の男性が。ドキドキの20分。こんなに緊張することがあるのだろうかと思うくらいカイロだらけの身体が一瞬にして火照りました。


名前も分からない、初めて出会った人。


第1回ワークショップより|下北沢で顔を差し出す。

そして奇跡でもない限り二度と会うことはないだろうと思います。少し寂しいけれど、この感覚を持てたことが嬉しい。
わたしは、生きていくのならこういう気持ちの揺れを大切にしたいと思います。

「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」もきっとあちらこちらにこういう揺れが散りばめられるんだろうとワクワクしています。
この瞬間しか出来ない事っていっぱいある。映像じゃなくて、文章じゃなくて、写真じゃなくて、舞台だから。

この文章をその人が見てくれていて、観にきてくれたら結婚しようと思います。


古賀友樹 こが・ゆうき
1993年9月30日生まれ。俳優。〈プリッシマ〉所属。これまでに俳優として、ゆうめい「みんな」「弟兄」「巛」、劇団献身「最悪な大人」「幕張の憶測」「死にたい夜の外伝」、スペースノットブランク「デーモン・ネーション」「緑のカラー」「共有するビヘイビア」「ラブ・ダイアローグ・ナウ」「ネイティブ」「舞台らしき舞台されど舞台」などの作品に参加している。
「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」では、クリエーションメンバーとして出演者を務める。


こんにちは、古賀友樹です。第1回ワークショップは三日間にかけて行われました。一日完結型で、緩やかに前後は繋がっています。内容はどちらかというと創作というものの意識の共有に近かったかもしれません。思考のトレーニングとも言えます。自分自身、三日間は非常に刺激的でした。


第1回ワークショップより|下北沢で質問をする。

出演者の方々から出てくる言葉・仕草・情景はどれも新鮮です。家族というワードが提示されたとして、ある人にとっては自分と父親の構図、ある人にとっては自分と娘の構図になり、これは年齢や環境によって変わってくるごく当たり前のことなのですが、そんな些細なことでさえも、そうだよなあと唸っておりました。ただ、ここで勘違いしてほしくないのが、一般参加=アマチュア=初々しいということで新鮮だ、と言ってるのではないとういうことです。きっと、プロの俳優・ダンサーのみを集めて行っていたとしても、自分は同じ感想を言うでしょう。そこにはプロとアマチュアの境界線はありません(何をもってプロとするかの話は置いといて)。その人はその人で既に完成しているのです。ワークショップ三日目ともなると、出演者の皆さんがそれぞれが主導権を握って作品を生み出していたのがとても印象的でした。次回も楽しみです。


第1回ワークショップより|下北沢を歩く。


第29回下北沢演劇祭|コード・コード・コード ’19
スペースノットブランク
言葉だけでは満ちたりぬ舞台
2019年3月1日(金) ~ 3月3日(日)
北沢タウンホール

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.2
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.3
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.4
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.5
◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|クリエーションメンバーによる制作雑記「クリエーションボンバー」Vol.6

クリエーションメンバー|山下恵実 近藤千紘 古賀友樹

原風景|ステートメント

現前。舞台はそれはそう。
それがそこに写真があるとしたら、それは舞台に写真があるのか、写真が舞台なのか。

高松アーティスト・イン・レジデンス2018に選出され、スペースノットブランクにとっての新しい土地として訪れたここ高松では、間違いなく新しい環境と間違いなく新しい風景が広がっている。が、それは、あるひとつの視点からの視線でしかない。世界がそのひとつとそれに対するもうひとつの視点のふたつだけでできているのなら、それほどわかりやすいことはないのだが、素晴らしいことに世界には数えきれるが出会いきれない視線が無数に交わっている。外を見てみよう。

それがそこにある。ということにとって、美しいか醜いかはあまり重要ではない。記録だから。そして記録が土地を越えて異なる土地に異化される。写真は最も簡単に土地から土地を越えるワームホール。時も超える。

そこにそれがある。ということにとって、見えるか見えないかはあまり重要ではない。体験だから。そして体験が問いになり問いが表現になる。舞台は最も簡単にここからそこを繋ぐコミュニケーション。現前。

外からここに来た。次はここからそこへ、ここから外を見てみようと思います。
西井裕美さんと一緒に3人で、高松を巡り、新しい作品を作ります。

この作品は、外から来た3人がここから外を、他者の記録と記憶からファインダー越しに覗き込む、そこに表れる現前と表現を特別な虚構ではなく、純粋な事実として受容し、観客たちと体験する。写真、言葉、そして舞台の3つがひとつになった未来への「原風景」です。

2018年11月14日(水)
小野彩加 中澤陽

◉原風景|作品概要

言葉だけでは満ちたりぬ舞台|ステートメント

舞台を満たすものを考える。そこになにがあるのか、そこでなにをするのか。

舞台にあるいくつかの、いくつものファクターを通過して、舞台は形成されています。
そこになにがあれば舞台となり、そこでなにをすれば舞台となるのか、に、答えはないと仮定して、多様な選択を辿ること、逆説に怯えずあるとない、ないとあるを同時に行なうことが、言葉だけでは満ちたりないなにかを見つける手がかりになるのではないかと考えています。

人間対人間を前提として執り行なわれるパフォーマンスの時間。そこでは前提が見るものと見られるものに定義され続けます。「おもしろ味」というファクターを一方通行に舞台から観客席へ届ける環境は、舞台にとって、心地がよすぎるのではないかと疑っています。

「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」は「コード・コード・コード」という「第29回下北沢演劇祭」にて行なわれる新しい企画のもとで制作される新作です。この企画は、一般の参加者たち、しかしプロかアマかは問わず、を集めてスペースノットブランクというアーティストと共に舞台を制作する。という企画です。アーティストも常に一般であり、一般も常にアーティストである可能性は十二分にあるのですが、この線引きが生みだす最たるものは「観客たちが舞台に表れてくる」という環境です。

その環境で作る「言葉だけでは満ちたりぬ舞台」とは、言葉だけでは満ちたりない、なら言葉のほかになにがあって、なにをすれば満ちたりるのか、際限のない多様によって舞台を満たすことはできるのか、舞台という環境に表れる会話と状態、そして表現を、新しくも身近な日常のドラマとして描き、観客たちと共有します。

スペースノットブランクに加えて、クリエーションメンバーとして、古賀友樹さん、近藤千紘さん、山下恵実さんの3人に協働いただきます。

出演者と、下北沢と、アーティストと、3つのコードが入り交ざり新しい舞台を作ります。
どんな舞台になるかは、まだわかりません。
出演者募集に応募いただき選考された出演者の皆様と共に舞台を作ります。
プロもアマも問いません。特別な技術や技能も必要ありません。舞台を作る意志だけで十分です。
一緒に舞台を作りましょう。

2018年10月24日(水)
小野彩加 中澤陽

◉言葉だけでは満ちたりぬ舞台|作品概要

舞台らしき舞台されど舞台を終えて。

ありがとうございました。

次へ進めない、次とは何か、何をするのか、しているのか、そして感謝を込めてこれを書いています。

舞台らしき舞台されど舞台について、長くなるかもしれませんが、読み物として読んでいただければ、文字列としてスクロールしていただければ幸いです。

アナログ時計でいうと反時計回りに数えるのがめんどくさくなるほど巻き戻して2017年5月、から6月にかけて僕たちは「空白への旅」という上演時間が約21600分にもなる超大作に挑戦しました。この作品は、最近「プーと大人になった僕」でプーがゆっている「何もしない」をし続けるという作品です。インターネットをはじめとする現代社会から僕たちは空白へと消失し、「何もしない」を繰り広げました。舞台作品であるにもかかわらず、会場もなく、何も起こりません。

そののち、2017年7月に、第8回せんがわ劇場演劇コンクールにて、出会いについてを描いた「ラブ・ダイアローグ・ナウ」でグランプリをいただきました。劇場。演劇。出会い。ありきたりです。ハンバーグといわれてデミグラスソースをかけるぐらいありきたりです。ティッシュといわれて鼻をかむぐらい、平成最後といわれて平成最後の夏といってしまうぐらいありきたりです。そんなありきたりな作品でグランプリをいただきました。僕たちは舞台をそういうものとしてしか捉えることができなくなってしまいました。

良くいえば、舞台で、作品で、本当のことしかできなくなってしまいました。

2018年2月には下北ウェーブ2018に選出いただき、2018年5月には、第8回せんがわ劇場演劇コンクールのグランプリ受賞公演をやりました。舞台ってなんだろう。上演に向けて作品を作って、時が経つと上演がはじまり、終わり、終わり、終わり。

! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION !
ここで忘れてはいけないのが、出演者たち、スタッフたち、見に来ていただいた人たち、作品に携わっていただいたりちょっとでも気にしていただいた人たちのこと。これは舞台に限らず人生すべてに於けるお話ですが、本当に感謝しています。そして、感謝、という頭のおかしいワードを多用することの危機感も心から抱いています。もっとペイしなければならないし、考えなければいけない課題は異常なほどにたくさんあるし、舞台はお金にならないし、僕たちはお金なんてどうでもよくても、それに付き合わせてしまうことの恐ろしさ。それは市場全体の問題であることも忘れてはいけません。僕たちが、舞台ってなんだろう。と疑問に思っていても、携わってくれている人たちのことを否定することは絶対にありません。ただ、僕たちは続けていくことの意味や、意味や、意味や意味や意味を考えないと、時代に取り残されてしまうだろうと感じています。未来へアテンション。
! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION !

とりあえず、下北ウェーブ2018も、グランプリ受賞公演も、劇場費がかかっていません。下北ウェーブについては、スタッフも提供していただけるというスーパーサイヤ企画です。それらを終えて、ああ、自分たちでゼロのゼロから作らないと、と躍起になり企画したのが「舞台らしき舞台されど舞台」です。環境を作るということ。

僕たちの作品は、出演者の石倉来輝くんもたくさん伝えてくれた通り、すべてが作者です。これは、人も、場所も、物も、時間も、すべてのことを指します。なので「作」というクレジットはありません。僕たちにとってはそういうもの、という表明かもしれません。高尚にも聞こえるかもしれませんが、道端に転がっている石ころみたいなものということです。

もちろん人が行なう行ないはとても大切で崇高で自己顕示欲を満たして認められて華開いてお金になって偉大になって学校作って教育して権威を得て賞の名前になってお札に顔が載ることで意味があるのかもしれません。だけど、舞台ってそういう、「だけ」の場所じゃないですよね。

何がいいたいのか、さっぱりです。

古賀友樹くんは、もう大体6年も一緒に作品を作っています。僕たちも本人もノーギャラの頃から、作って作って、本人は本人でプリッシマという事務所に所属して、本当に素晴らしい行動力と想像力で僕たちと作品を作ってくれています。僕たちの作品に出演してくれている。ではなく、作品を作ってくれています。
荒木知佳さんは、2018年2月の「緑のカラー」から連続で3作目です。僕なら断ってもおかしくないです。飽きるから。だけど、毎作品必ず異なる魅力を生み出していただいています。それは飽きているからなのか、まだ見ぬ才気に溢れているのか、わかりませんが、最高です。
近藤千紘さんは、「ネイティブ」から引き続きです。「ネイティブ」では徹底して動いていただき、上演開始1時間後から登場するレアキャラでしたが、その反動もあり、「舞台らしき舞台されど舞台」ではほぼ出突っ張りで、台詞量も最大の喋くりでした。努力と存在感とできるとできないのすべての間にスタンディングしていて、初期の手札に入っていたら最高で、かなり強力なリバース効果を持っているのだと思います。荒木さんと同様に、まだ見ぬ才気と殺気に溢れていて、最高です。
石倉来輝くんは、1年前から作品を作りたい作りたい作りたいと伝え続けて一緒に作れました。本当に嬉しいです。作品には、1年前に書いたテキストも使われています。制作と稽古合わせて1ヶ月ほどでしたが、実は1年かけて作った作品だったりします(偶然ですが、1年前はじめての制作の日が荒木知佳さんと近藤千紘さんの初対面の日でした)。

何で出演者たちを紹介したのか、さっぱりです。

ここから誠実にまとめて終わらなければなりません。

4人の出演者たち(荒木知佳、石倉来輝、古賀友樹、近藤千紘)と、2人の演出者たち(小野彩加、中澤陽)によって、作品を制作しました。
会場入りしてからは、カフェの店主のたけしさん。記録写真として月館森さん。制作協力として吉田舞雪さん。バラシ協力として福本剛士さん。合わせてたった10人の手によって作品が成り立っています。ゼロのゼロから作ることができました。永遠のゼロ。これからも舞台は続きます。

ただ、続けることについてはもう少し考えなければならないかもしれません。恒常的にやることの意義は、僕たちや見に来ていただいた人たちが消費することでしかないのかもしれません。もちろんマクドナルドのように薄利多売でも、ドリンク(物販)で稼げる様に努力してもよいのですが、できることなら打倒マッシモ・ボットゥーラを掲げて(倒すも何もないですが)作品を生み出したいです。

すべての皆様が、作者であり、表現をすることの価値を新しく推し進めていただければ幸いです。
小さな小さな催しではありましたが、舞台らしき舞台されど舞台、ご来場いただきありがとうございました。

また会いましょう。

中澤陽