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フィジカル・カタルシス|穂の国とよはし芸術劇場PLATにて。スペースノットブランクのダンス・レジデンス滞在日誌『ほほえみ』7日目

2019年12月1日、日曜日。

12月。また一年が終わりそう。豊橋での滞在もあと少し12月6日まで。

小野彩加と中澤陽、二人の写真です。スペースノットブランクとして表す時に使っています。合成ではなく並んで撮りました。撮影者はDan Åke Carlssonさん。

穂の国とよはし芸術劇場のロゴマーク。同じ顔の向き。驚いて笑いました。

今日はお休み半分フィールドワーク半分にのんほいパーク a.k.a. 豊橋総合動植物公園へ行きました。

二川駅から歩いて6分。ゲート前のアーチで(スピーカーから)動物たちの(録音された)鳴き声が出迎えてくれます。エンターテインメントの導入としてパーフェクト。絶好調で精神年齢を9歳前後に引き下げてゲートをくぐりました。進むと温室が見えてきます。のんほいパークは、動物園、植物園、遊園地、自然史博物館をひとつにまとめた泣く子も黙る超弩級のテーマパークです。インスピレーションの宝船。世界にひとつしかないプリクラもあります(どこにあるかは秘密)。温室に入るとまずはスコールのエリア。暗く湿気た岩石が両脇に置かれ、雨と雷が鳴り響きます。テンション最高潮。苦手な子供は恐らく号泣。「のんほい」というぐらいだからもっと「のほほん」しているのかと思いきや、プロローグからエピローグまでクライマックスのファイファン。スコールのエリアを過ぎ熱帯雨林へ。

滝がありました。異世界に迷い込んだ気分。汗だくになりました。温室の環境管理が行き届いているのでしょう。熱帯雨林の匂いがします。熱帯雨林の匂いなんて嗅いだことないのに。バナナがあったり、意味不明な模様の葉っぱがあったり、見えないところに謎のキャプションがあったり、遊び心満載。いや、アソビゴコロ満載。狂言師ばりのすり足で濡れた順路を転ばぬよう歩きます。温室はいくつかのエリアに分かれており、珍しい植物を盛りだくさん見ることができました。温室を出ると、和の植物と池のある庭園や、信じられないほど綺麗に植えられた花々が並ぶ噴水広場など、心も身体も自然に埋もれてすべてがデトックス(エコー)。

これは根でしょうか。植物は遠くと近くとで絵画のように印象が大きく変わります。木が林に、林が森に。驚きの触り心地かもしれません。植物に触れると幸せになります。自然史博物館に到着しました。生命の爆発。骨、骨、骨、化石、骨。めちゃくちゃおもしろかったです。精神年齢が9歳前後なので大したことは書けませんが、サンタさんに書く手紙に「ゲームボーイ」と書きたくなるような奥ゆかしい気持ちになりました。ゲームの歴史もすごいけど宇宙の地球の生物の歴史はもっとすごい。古生代から現代まで順に見られる順路も素晴らしく、ほう、ほう、ほう、と頷きながら進みました。このボケを考えるために「サンタクロース 鳴き声」で検索しましたが、良いオチが浮かびませんでした。剥製のエリアに「生きているぼくたちに会いに来てね!」と剥製になった動物が「生きる」動物園のエリアが指し示されており、今日最も演劇的に感じました。

「よう」と言っている顔をしてます。右奥の仲間が恥ずかしそうにこちらを見ている。動物園もいくつかのエリアに分かれていて、とても広いです。ゆっくり楽しんだら一日では回りきれません。動物園で強く感じることは、プリミティブになればなるほど、「生きる」人間たちが「生きる」動物たちを見ている、という価値についてです。「幸福度」という言葉がありますが、動物たちは何を幸福とするのか。「生きる」人間が「生きる」動物を見ることと、「生きる」人間が「生きる」人間を見ることは、どう異なるのか。閉園後は、創造制作室Bに戻りました。一面ガラスで外が丸見えです。外から小野彩加が踊っている様子を立ち止まって見る人もいます。自由に出入りできますが、ガラス越しに見られていると動物園の動物たちの気持ちを考えてしまいます。動物を見て、知る、という学びがあるように、ダンスを見て、知る、という学びもあります。舞台の上演には観客席と舞台上に壁はなく、ガラスもなく、「生きる」人間が「生きる」人間を見ます。檻には入っていませんが、時間に捕らわれています。決まったタイミングでやってきて、決まったタイミングで喋ったり動いたり見たり見られたりします。決まっていることをどれだけ決まっていないこととして扱うことができるかが大切です。「生きる」を演じている人間たちと、「生きる」を見られている動物たち、どちらが幸福なのでしょうか。

12月5日には稽古場公開があります。17時から21時の4時間、ガラス越しではなく、同じ空間で見ていただくことができます。申込不要、無料です。

12月6日には作品試演会(成果発表会)があります。どうダンスを提供するか検討中ですが、「ダンスをする」と「ダンスを見る」を往復して、ダンス・レジデンスで行なったダンスの過程としての結果を見て、知る、という学びへ互いに繋がりたいと思っています。申込不要、無料です。ご来場お待ちしております。

中澤陽


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