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舞台らしき舞台されど舞台を終えて。

ありがとうございました。

次へ進めない、次とは何か、何をするのか、しているのか、そして感謝を込めてこれを書いています。

舞台らしき舞台されど舞台について、長くなるかもしれませんが、読み物として読んでいただければ、文字列としてスクロールしていただければ幸いです。

アナログ時計でいうと反時計回りに数えるのがめんどくさくなるほど巻き戻して2017年5月、から6月にかけて僕たちは「空白への旅」という上演時間が約21600分にもなる超大作に挑戦しました。この作品は、最近「プーと大人になった僕」でプーがゆっている「何もしない」をし続けるという作品です。インターネットをはじめとする現代社会から僕たちは空白へと消失し、「何もしない」を繰り広げました。舞台作品であるにもかかわらず、会場もなく、何も起こりません。

そののち、2017年7月に、第8回せんがわ劇場演劇コンクールにて、出会いについてを描いた「ラブ・ダイアローグ・ナウ」でグランプリをいただきました。劇場。演劇。出会い。ありきたりです。ハンバーグといわれてデミグラスソースをかけるぐらいありきたりです。ティッシュといわれて鼻をかむぐらい、平成最後といわれて平成最後の夏といってしまうぐらいありきたりです。そんなありきたりな作品でグランプリをいただきました。僕たちは舞台をそういうものとしてしか捉えることができなくなってしまいました。

良くいえば、舞台で、作品で、本当のことしかできなくなってしまいました。

2018年2月には下北ウェーブ2018に選出いただき、2018年5月には、第8回せんがわ劇場演劇コンクールのグランプリ受賞公演をやりました。舞台ってなんだろう。上演に向けて作品を作って、時が経つと上演がはじまり、終わり、終わり、終わり。

! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION !
ここで忘れてはいけないのが、出演者たち、スタッフたち、見に来ていただいた人たち、作品に携わっていただいたりちょっとでも気にしていただいた人たちのこと。これは舞台に限らず人生すべてに於けるお話ですが、本当に感謝しています。そして、感謝、という頭のおかしいワードを多用することの危機感も心から抱いています。もっとペイしなければならないし、考えなければいけない課題は異常なほどにたくさんあるし、舞台はお金にならないし、僕たちはお金なんてどうでもよくても、それに付き合わせてしまうことの恐ろしさ。それは市場全体の問題であることも忘れてはいけません。僕たちが、舞台ってなんだろう。と疑問に思っていても、携わってくれている人たちのことを否定することは絶対にありません。ただ、僕たちは続けていくことの意味や、意味や、意味や意味や意味を考えないと、時代に取り残されてしまうだろうと感じています。未来へアテンション。
! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION ! ATTENTION !

とりあえず、下北ウェーブ2018も、グランプリ受賞公演も、劇場費がかかっていません。下北ウェーブについては、スタッフも提供していただけるというスーパーサイヤ企画です。それらを終えて、ああ、自分たちでゼロのゼロから作らないと、と躍起になり企画したのが「舞台らしき舞台されど舞台」です。環境を作るということ。

僕たちの作品は、出演者の石倉来輝くんもたくさん伝えてくれた通り、すべてが作者です。これは、人も、場所も、物も、時間も、すべてのことを指します。なので「作」というクレジットはありません。僕たちにとってはそういうもの、という表明かもしれません。高尚にも聞こえるかもしれませんが、道端に転がっている石ころみたいなものということです。

もちろん人が行なう行ないはとても大切で崇高で自己顕示欲を満たして認められて華開いてお金になって偉大になって学校作って教育して権威を得て賞の名前になってお札に顔が載ることで意味があるのかもしれません。だけど、舞台ってそういう、「だけ」の場所じゃないですよね。

何がいいたいのか、さっぱりです。

古賀友樹くんは、もう大体6年も一緒に作品を作っています。僕たちも本人もノーギャラの頃から、作って作って、本人は本人でプリッシマという事務所に所属して、本当に素晴らしい行動力と想像力で僕たちと作品を作ってくれています。僕たちの作品に出演してくれている。ではなく、作品を作ってくれています。
荒木知佳さんは、2018年2月の「緑のカラー」から連続で3作目です。僕なら断ってもおかしくないです。飽きるから。だけど、毎作品必ず異なる魅力を生み出していただいています。それは飽きているからなのか、まだ見ぬ才気に溢れているのか、わかりませんが、最高です。
近藤千紘さんは、「ネイティブ」から引き続きです。「ネイティブ」では徹底して動いていただき、上演開始1時間後から登場するレアキャラでしたが、その反動もあり、「舞台らしき舞台されど舞台」ではほぼ出突っ張りで、台詞量も最大の喋くりでした。努力と存在感とできるとできないのすべての間にスタンディングしていて、初期の手札に入っていたら最高で、かなり強力なリバース効果を持っているのだと思います。荒木さんと同様に、まだ見ぬ才気と殺気に溢れていて、最高です。
石倉来輝くんは、1年前から作品を作りたい作りたい作りたいと伝え続けて一緒に作れました。本当に嬉しいです。作品には、1年前に書いたテキストも使われています。制作と稽古合わせて1ヶ月ほどでしたが、実は1年かけて作った作品だったりします(偶然ですが、1年前はじめての制作の日が荒木知佳さんと近藤千紘さんの初対面の日でした)。

何で出演者たちを紹介したのか、さっぱりです。

ここから誠実にまとめて終わらなければなりません。

4人の出演者たち(荒木知佳、石倉来輝、古賀友樹、近藤千紘)と、2人の演出者たち(小野彩加、中澤陽)によって、作品を制作しました。
会場入りしてからは、カフェの店主のたけしさん。記録写真として月館森さん。制作協力として吉田舞雪さん。バラシ協力として福本剛士さん。合わせてたった10人の手によって作品が成り立っています。ゼロのゼロから作ることができました。永遠のゼロ。これからも舞台は続きます。

ただ、続けることについてはもう少し考えなければならないかもしれません。恒常的にやることの意義は、僕たちや見に来ていただいた人たちが消費することでしかないのかもしれません。もちろんマクドナルドのように薄利多売でも、ドリンク(物販)で稼げる様に努力してもよいのですが、できることなら打倒マッシモ・ボットゥーラを掲げて(倒すも何もないですが)作品を生み出したいです。

すべての皆様が、作者であり、表現をすることの価値を新しく推し進めていただければ幸いです。
小さな小さな催しではありましたが、舞台らしき舞台されど舞台、ご来場いただきありがとうございました。

また会いましょう。

中澤陽

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